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ファーストオーダー2


20時を回った頃に奴は現れた。


「毎度、エヘッ!」


何だか気持ち悪いなぁ。


高嶋君の後ろに何とも控えめな感じのショートカットの女性が立っていた。


「女性連れとは珍しいね」

マスターの先制パンチ!


「僕だってたまには女性と来ますよ」


何ともデレデレした顔だった。


高嶋君はラフロイグのストレート、彼女はソルティードックを注文


ちょっと高嶋カッコつけ過ぎじゃないかなぁ?


ここん所、ストレート何て注文聞いた事ないんだけど。

「高嶋、紹介しろよ」


西さんの言葉を待ってましたとばかりに、胸を張って彼女の紹介を始めた。


「大谷亜美さんです。この間の仕事で出会いまして、何だか意気投合しちゃって」


彼女はペコリと頭を下げた。


ん〜、高嶋君の彼女にするにはもったいない感じだね。


「付き合ってんの?」


マスター直球〜!

さすが元甲子園優勝投手!

「まぁ、そんな所です。ヨッシー悪いね」


はぁ〜!何だそりゃ!私はあんたの何かね!

こりゃお仕置きだね!覚悟しなよ。


いつもは完全シャバ造なくせしてムカつくね。


マスターと西さんが根掘り葉掘り聞くのを、かなり楽しそうに答えながら時間は過ぎた。


幸福な時間はそう長くは続かないよ!



21時を少し回った頃に恐怖の時間がやってきた!


まさにダースベーダーのテーマが聞こえた。


扉が開いて入ってきたのは、ご存知最強姐御二人組!

「高嶋、彼女出来たって?」


いきなりトーン落とし気味!かおり姉の攻撃。


「姉さん、彼女の亜美ちゃんです。」


姐御二人の笑顔の会釈に私は背筋に何か冷たい物が走った!


「亜美ちゃん、こんな男でいいの?もっといいの紹介しよか?」


「姉さんひどいなぁ〜今日は褒めてくださいよ」


にやけた高嶋君は状況がまったく理解出来てない様だった。


姐御たちは何より人の幸福がきらいなのだ。


何と言っても完全負け組な二人だから!


「はやみ!ギムレットロックで!」


うひゃ〜、これは完全な戦闘モードですよ。


高嶋はそんな事には気付きもせずに彼女との事を喋りまくり。


まぁ、無理もない、かなり彼女と呼べる女性はいなかったのだから。


うちの店は彼女彼氏が居ない常連客が多く、一種の連帯感みたいな物があった。

「高嶋、所で今日は何食べにいったのかな?」


由真姉の問にすかさず高嶋は答えた。


「ちょっとした和食をつまんできました。」


「へぇ〜和食ねぇ、あんた和食苦手じゃなかった?」

高嶋の顔が変わったと同時に亜美ちゃんも変わった。

そお、高嶋は和食が苦手。いつもは洋食専門で味覚はお子ちゃまだった。


「いやいや、和食好きっすよ!」


完全焦ってる。わかりやすい奴だねぇ。


「高嶋君、和食あかんの?」


亜美ちゃんの問いにあたふたしていた。


「この子、コロッケ専門よ!」


かおり姉の追撃!


「いやいや、そんな事はないなぁ」


高嶋の額からは汗が吹き出していた。


「刺身の美味さを知ったんですよ!ヨッシー、ハイボール!」


亜美ちゃんもさすがに高嶋くんの異変に気付いたみたいだった。


「高嶋、やるね。彼女に合わせるなんて成長したよ。」


マスターの助け船に、ホッと一安心


そこからは姐御達の攻撃にあたふたしながらの時間だった。


午前零時を過ぎた頃には、お店は静かになっていた。

「ヨッシー、カクテルコンペの話し、頑張ってチャレしいや!」


「ハイ!頑張ります。」


私達はまだまだ若手バーテンダー、チャンスを掴むべくチャレンジは惜しんではだめ!


フランスかぁ、チャーリーにアドバイスしてもらおうっと。


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