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死への旅路  作者: 柚姫
6/7

サツジン

きゃぁぁあああ!!


甲高い、女性の悲鳴が聞こえた。

バックをベンチに起きっぱにして、

その声の方向へと走る。


建物と建物の間の細い路地で

女性が震えながらへたり込んでいた。

ホタルに気づくと女性は路地の奥の方に指をさして

震えた声で言った


「あ・・・あれ・・・・ひとがぁ・・・・・・」


訳が分からなかったがその指さす方向を見て理解した。

女性の指さした方向にはバラバラになった人間の部位が散乱しており

その周りは血の海になっていた。


「ぅ・・・・。」


腕や足、腸や胃らしき部位、真ん中には女の頭があり、

顔はこちらを向いて絶叫したような顔になっていた。


「由美も・・・こう殺されたのか・・・・。」


ギリッと歯ぎしりした。

犯人があまりにも憎く感じた。

かたき討ちをしたいと思う人間のきもちが、今ならとてもよく分かる。

憎悪と怒りでこの心も、体もどうにかなってしまいそうだ。

手を血が出るまで握って怒りを抑えていた。

叫びそうになった時、誰かが腕を引っ張った。


「なっ・・・・・」


誰かに腕を引っ張られたまま走った。

正確には走らされた。

あまりにも強い力で引っ張られているので反抗できない


そのまま誰かとともに走って、メインストリートを抜け、

近所の公園についた。


ようやくそこで手を解放され、痛む手首をさすりながら人物を睨みつける。

しかしその人物はホタルにとって意外だった。



「リッカ・・・!?」


仲が悪い橘リッカが目の前に立っていた。

リッカは涼しい目でホタルを眺めていた。


「久しいな白花。貴様あのような所でなにをしてたのだ?」


軽蔑のこもったいい方。ホタルがリッカの事が嫌いな原因の一つがこの

しゃべり方と上から目線だった。


「べっつに、あんたに関係ないじゃん。」


「でも、私が手を引っ張ってなければ貴様はあの場で叫んでいただろう。

そうなれば悪目立ちもいい所だ。

それに事情聴取もあの場じゃ免れぬぞ。貴様は第二の発見者なのだから。」


「・・・でも逃げれば、もっと疑われると思うんだけど。」


確かに、めんどくさそうな事情聴取がありそうだ。

犯人扱いでもされそうだが

逃げたらなおさらだろうと思い反論する。

しかしリッカは涼しい顔を止めず、

警察を馬鹿にしているのか気を使っているのか分からない発言をした


「なに、問題などない。

どうせ貴様もあの場であの死体を眺めておった者どもも野次馬だ。

警察だと手そんな野次馬にイチイチ構っておる暇もないだろう。

あやつらが知りたいのは犯人とその情報を持っておる人間だ。

貴様みたいな野次馬、大した情報も持ってないだろうから

事情聴取したところで無駄だ無駄。

私は警察の仕事を少し軽減してやったまでだ。」



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