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自転車は、まだ乗れません

作者: 花萌ゆる
掲載日:2025/12/03

沙奈とは家が近所で小さい頃から、よく遊んでた。


誕生日プレゼントに自転車を買ってもらったって喜んでたっけ。


「ねぇ、あきと!お父さんに自転車補助輪付きだけど買ってもらったんだ〜」

「よかったじゃん!ずっとほしかったって言ってたもんね」

「うん、これから公園で毎日乗る練習しないと…あのね、お願いがあるんだけど、乗り方、教えてくれない?」

「えっ俺が?」

「だって、ほかに頼める人いないんだもん」

「でも、大人がいた方がいいよな、おばさんにも付き添ってもらえないのかな?」

「ん?私のお母さんってこと?」

「わかった、話してみる」

「教えるって言ってもなぁ…」


次の日、母娘揃って公園に、やってきた。

沙奈はピンクの補助輪自転車を押している。

「ごめん、お待たせ〜ってあれ?あきと、自転車は?」

「俺はいいんだよ、まずは沙奈が乗れるように見守ってるから」

「見守るだけ?」

「そうそう」

「明人くん、付き合わせてごめんなさいね」

「いえ、初心者はペダルに足を乗せないで、地面を蹴る練習からした方が上達が早いらしいですよ」

「まぁ!明人くん、物知りね〜」

手放しで褒められて、さすがに図書館で調べたとは言えない…

「そんなことないですよ」

「もう、2人で話しちゃってさ、で、私はどうすればいいの?」

「そうね、今の話だと、ハンドルを両手でしっかり持って、サドルにまたがってみて」

「はぁい、よいしょっと、こう?」

「そう、まだペダルには足をかけないで、地面につけたまま、蹴る!」

ガッガッ

「ほんとにこれでいいの?」

だって本で読んだしいいはず

「ねぇってば」

「えっ?うん、俺を信じろって」

「何回やればいいの?」

「焦らず今日は、これを繰り返して続きはまた明日だな」

「えーっ、つまんないよ、もうきっと大丈夫だから」

沙奈はペダルに足をかけようとして、バランスを失い、自転車ごとよろけた。

「危ないっ!」

「大丈夫!今度こそ、えいっ」

勢いをつけて乗ろうとする、でも

「あれ?おかしいなぁ?」

「まだ、早いんじゃないのか?」

「そんなことないもん!」

夕焼けこやけが響くまで練習は続いた。


あとで聞いた話だが、あれから一度も乗れずじまいで、新品同然のピンクの自転車は沙奈の妹が乗っているそうだ。

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