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告白サバイバル!  作者: レイチェル


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生徒会の王様ゲーム

「今日はみんなで王様ゲームをしましょう!」



 生徒会3年書記、多賀城深雪の高らかな声が生徒会室に響く。突拍子もない発言に、周囲の面々は首を傾げていた。



「これまた急に何でそんなことを……」


「良いですか? 人間、たまには羽を伸ばすことが必要なのです! それは学園生活においても同様です!毎日毎日ここで缶詰めになってピリピリとした雰囲気で仕事をしていては、気が滅入ってしまいます!」


「そりゃあ、言いたいことは分かるけどさ……」



 生徒会3年庶務、富谷慎之助が肩をすくめる。今までにもゲームが好きでお茶目な側面がある多賀城に付き合っていた生徒会であったが、今日もまた新たな戦いが幕を開けようとしていた。



「王様ゲームって……多賀城先輩、今どきそんな子どもじみたゲームなんて誰もやらないでしょ? しかもあたしたち生徒会よ? そんなゲーム、誰もするわけが」


「まあまあ、楽しそうだから良いじゃないですか。多賀城先輩の言うことも一理ありますし」


「はぁ? アンタ、まさかこういうことに興味あるわけ? まさかイヤらしい命令をするわけじゃないわよねぇ?」


「そ、そんなことしませんよ! 名取さんこそ、そんなことばっかり考えてませんか!?」


「はぁ!? あたしがいつエロいことばっかり考えてるっていうのよ!?」



 生徒会2年会計の古川優、2年広報の名取理沙が小競り合いを繰り広げる中、生徒会長専用のデスクに座っていた栗原美琴は小さくため息をついた。



「多賀城さん、今は遊んでいる暇はないでしょう? そもそも、王様ゲームって何ですか? そんな遊び、聞いたことないですよ」


「え、会長は王様ゲーム知らないのか?」


「知るわけないでしょう? そんな子どもがする遊びみたいなゲーム、私がするわけないでしょう?」


「ノンノン、美琴ちゃん美琴ちゃん。王様ゲームっていうのはね? ゴニョゴニョゴニョ……」


「っ……!?」



 多賀城から耳打ちされ、栗原が驚いたように目を見開く。そして、座っていた椅子から勢い良く立ち上がり、周囲に鋭い視線を送る。



「やりましょう、王様ゲーム」


「切り替え早いなおい!? 多賀城に何言われたんだ!?」


「シッシッシ、それは秘密ですよ松島くん」


「こりゃまた多賀城に変なこと吹き込まれたな、会長は……」


「そうですね……しかも副会長絡みの、チョーめんどいパターン」



 多賀城の意図にまんまと乗ってしまった栗原に、富谷と名取が肩を落としていた。

 王様ゲーム。これは少人数で遊ぶことの出来るゲームである。無作為に引いたクジの中に、1つだけ王冠が施されたクジが入っており、それを引き当てた者がその回の王様となる! 王様は任意の番号を2つ選び、好きな命令を下すことが出来る。しかし、誰がどの番号を引いているかは王様にも分からないため、完全にランダムな要素を秘めたゲームなのだ!



(私が王様になれば、副会長に好きな命令を出来るチャンスがある! そして、それは王様自身も命令の対象に含めることが可能! 私が王様を引ければ、副会長に好きな命令を下すことが出来る! ということは、私に愛の告白を囁かせるといった命令も可能なのよね!?)


(多賀城のやつ、また会長に変なこと吹き込んだな?しかしこれは、オレにとってまたとないチャンス! オレが王様を引けば、会長に好きな命令をさせることが出来る! そして、あの会長に恥ずかしいことや、あまつさえオレに告白させたりとかも出来るんだよな!?)


『ふふふふふ……』


「うわぁ……この2人、全く同じこと考えてる顔してるよ」


「誰がどの番号を引いたか分からないってこと、知ってるんですかね?」


「ふふふ、じゃあ始めるよ! 生徒会の王様ゲームを!」



 かくして、多賀城の策略による王様ゲームが幕を開けた!


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