表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影踏み遊び injury list  作者: やましたゆずる
5/6

第5章 2年3組が通常に戻った

明菜は病室で点滴をうけながら、窓の外を見て死ななくて良かったと安堵していた。ご両親が見舞いに来た。「明菜大丈夫?ビックリしたよ。」母が明菜の顔を見て安堵の表情を見せた。「お母さん、この病室、スマホ使えないから学校へ電話して、菅谷麗子ちゃんに病院に来るよう伝言して!お願い。」明菜はお母さんの顔を見て強張った表情を見せた。「わかった。任せて。」母は明菜の顔を見て微笑んだ。父と母が帰ると入れ替わりに加害者の坂本健太が見舞いに来た。「南さん。大変申しわけありませんでした。車は新車と交換させていただきます。保険でカバー出来ない分は私が実費で埋め合わせさせてください。あの時、不思議な事が車内でおきてました。白装束の女がいきなり助手席に座っていたんです。その女がハンドルを持って南の車にわざとぶつけたんです。信じて頂けないと思いますが本当です。僕は怪我はありません。」坂本が明菜の顔を見た。「坂本さん。ワザワザ有り難う御座います。白装束の女見たんですか?私の車に乗っていたんですよ。あれは、緑が池の地縛霊ですよ。」明菜は真面目な顔で坂本を見た。「そうなんですね。怖かったです。チカラは相当強かった。」坂本は明菜の顔を見て頭をかいた。「あの女、最近の車事情知らないんだわ?エアバッグが付いている事、私を殺しにかかったんですよ。ワハハハ!痛い!」明菜はベッドの上で高笑いしたが全身に響いて痛かった。「そうだったんですね。私も犠牲者だったんですね?」坂本は明菜の顔を見て微笑んだ。「お邪魔しました。お大事に失礼いたします。」坂本は明菜の顔を見て頭を下げて病室を出て行った。その頃、2年3組の教室では、南先生の代わりに教頭先生が朝礼を行っていた。「おはようございます。南先生は来る途中で事故にあいまして、今日から一週間お休みです。◯◯病院に入院しております。」教頭が生徒の顔を見渡した。「菅谷麗子さん。南先生が大事な話があるから帰り病院に来てくださいの事です。」教頭が麗子の顔を見て微笑んだ。「これで朝礼は終わります。」教頭は皆の顔を見渡し教室を出て行った。その日の昼休み、2年3組の学級委員長の菅谷麗子が南先生のお見舞いを話あった。一週間の入院だから何回かに分けて少人数で行く事で決まった。まず本日は、麗子と怪我で入院していた、誠、優子、直美の4人でお見舞いに行く事になった。麗子は母に電話して、車を出してくれるよう頼んだ。下校時間になると4人は校門の前に立っていた。麗子のお母さんが迎えに来て4人は車に乗り込んだ。「お母さん、有り難う、◯◯病院ね。」麗子がお母さんの横顔を見た。お母さんは大きく頷いた。しばらく走ると病院に着いた。お母さんはトランクから花束を出して麗子に渡した。5人は南先生の病室に入ると先生はベッドに寝ていた。「皆、いらっしゃい!わざわざ有り難う。誠君、直美さん、優子さん、退院おめでとう。逆に私が入院しちゃたね。」南先生は皆の顔を見て優しく微笑んだ。「僕達は今日から学校に復帰した途端、先生が入院した事でビックリしました。」誠が南先生の顔を見た。「先生、これ、お土産、花束、花瓶ありますか?」麗子が先生に手渡した。先生はベッドの上に上半身をおこして両手で花束を受け取ると「素敵な花束有り難う。花瓶か?ないわね。後で看護師さんに聞いてみる。」南先生が麗子の顔を見て優しく微笑んだ。「皆は怪我の具合いはどうよ。」南先生が怪我した3人の顔を見て微笑んだ。「だいぶ良くなりました。松葉杖が必要ですが」直美が先生の顔を見てニコリ笑った。「私もだいぶ良くなりました。」優子が先生の顔を見てニコリ笑った。「僕も良くなりました。勉強の遅れが気になります。」誠が先生の顔を見てニヤリ微笑んだ。「そうですね。勉強の遅れは徐々に取り戻して下さい。」南先生は3人の顔を見た。「菅谷さん、付き添い有り難う御座います。」南先生、麗子のお母さんの顔を見て優しく微笑んで頭を下げた。「いいえ、私も麗子から聞いてビックリしました。先生か事故なんて?」お母さんは南先生の顔を見て複雑な表情を見せた。「先生、教頭先生が言ってました、私に話ってなんですか?」麗子が先生の顔を見た。「皆も聞いて欲しいんだけど今回のこの事件はすべて、緑が池の地縛霊の仕業なんです。私の事故も3人の死者も3人の怪我も全部関連しているです。信じてもらえないかと思いますが?私、その地縛霊に会ったんですよ。その地縛霊の話では天国に行った明君が一人じゃ寂しいから私か麗子さんを連れて来てくれと頼んだらしい!私が事故で死ななかったから今度は麗子さんを狙うんじゃないかと思ってね。麗子さん通学路は緑が池の脇を通るでしょ!今後その道は通らないで学校へ通ってほしいの。お母さんの送り迎え頼めないかしら?何かあってからでは遅いので!」南先生は麗子とお母さんの顔を見た。「わかりました。私が麗子の送り迎えやります。」お母さんは先生の顔を見て微笑んだ。「後は3人は緑が池に近寄らない事、約束してね。」南先生は、誠、直美、優子の目を見つめた。「はい!わかりました。」3人ははっきりとはさた口調でうなずいた。生徒の見舞いは明菜が退院するまで毎日続いた。そして明菜は退院した。翌日、明菜はタクシーで学校へ出勤した。全身の痛さは消えていた。生徒の揃う教室へ向かった。教室へ入ると生徒の目線が熱かった。教壇に立って「おはようございます。先生の入院中はお見舞い有り難う御座いました。その通り元気になりました。また、今日から宜しくお願いします。」明菜は教室を見渡して、息をふうっーと吐いた。麗子の顔を見て安心したのだった。3つだけ空きの机が眩しく光る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ