第3章 明、白い着物の女に出会う
その朝のクラスの時間に「おはよう御座います。3日続けて事故がありました。日向野優子さんが車に跳ねられ重傷を負いました。中井誠君がドッジボール最中に足の捻挫、白土直美さんが高鉄棒から落ちて足を骨折。その前は川上由美子さんの死亡、金子啓太君が暴漢に襲われ死亡。と不幸が続きました。皆さんも気をつけて下さい。」南先生が話した。「沢口明君、昼休み、職員室に来て下さい。聞きたい事があります。いいですか?」南先生はそう言うと授業を始めた。1時限目は算数であった。午前中の授業が終わり給食を食べた。お昼休みになった。明は職員室に入って南先生のデスクへ向かった。「沢口、有り難う。君に聞きたい事があるんだ?川上由美子ちゃんが亡くなった日は由美子ちゃん、優子ちゃん、直美ちゃん、誠君、啓太君、それと君で下校途中西園寺の境内で影踏み遊びをして帰ったんだって?直美ちゃんが言っていた。君が影を踏んだ後から血が出ていたと言っていた。死んだ二人は、頭を踏んだと怪我した3人は腕と足を踏まれたと言っていたわ?何かあるの?だだの偶然でしょう?」南先生は明の目をじっと見つめた。「偶然だと思いますが、緑が池の祠の前で雨の日に白い着物の女性に頼まれたんです。影踏み遊びをして、2人の頭の影を踏めと頼まれました。それがどう言う事かわからなかったのですが、後になってこう言う事だったんだと理解しました。内緒だったんですが言ってじったから僕にも罰があると思います。」明は正直に言ったが先生は嘘だと信用しなかった。「明君、それ、嘘でしょう?先生は信じられないわ?ワハハハ!」南先生は腹を抱えて笑った。「嘘ではありません。本当です。」明は先生の笑った目を見つめた。その日の授業がすべて終わり下校の時間になった、雨が降っていたが、明は傘を忘れていた事に気付いた。明は下駄履の前で空を見上げとていると「明君、傘、忘れたの?私と相合い傘でいいなら一緒に帰ろう!」クラスメイトの学級委員長の麗子が声をかけてくれた。麗子とは帰り道が途中まで同じだった。「麗子ちゃん、悪いなあ?」明は麗子の傘を持った。二人は相合い傘で途中まで帰った。明と麗子は緑が池のT字路で別れた麗子は真っすぐ進む、明は右に曲がる「麗子ちゃん、有り難う、もう濡れてもかわまないそこの坂を上がれば家だから。バイバイ!」明は麗子の顔を見て手を振った。雨の中走り出した。池の前の祠の前に白装束の女がずぶ濡れで立っていた。明はそれに気付いた、女が手招きをした。あの日と同じだ。明はこの女に会うのは2回目だ。「明、傘忘れたのか?ずぶ濡れだな家は近いが風邪ひくぞ、おまえの仕事は終わった。良くやった。礼をするから私に着いて来い!」女はそう言うと明の目を凝視して手招きをした、明は女の手招きする方へ歩いた、女の行き先は緑が池の中だった。明は池の中に女とともに消えて行った。明は女に操られていたのであった。明のお母さんが帰りが遅いので探しに出た、坂道を下り緑が池の祠の前で明のびしょ濡れのランドセルを見つけた。「明、明」とお母さんが呼んだが明の声は聞こえずそのかわり牛蛙の声が「ヴォヴォ」と鳴くだけだった。お母さんは警察へ電話し、明が行方不明になった事を通報した。明くる朝、バス釣りの男性が明の水死体を発見し、警察へ通報した。朝、緑が池の周りは警察車両でいっぱいだった。明のお母さんは近所のおじさんから緑が池で土左衛門が出たと聞かされ、サンダルで駆け出し緑が池への坂道を全速力で走った。警察がパンパンに膨れあがった子供の遺体を岸にあげて検視を行っていた。警察官にお母さんが遺体を確認させてくれと頼んだ。刑事が「沢口さんですか?昨日、息子さんがいなくなったと通報頂きました。確認して下さい。」お母さんは遺体を見るなり泣き出して、道路にしゃがみ込んだ。「沢口さん、息子さんに間違いありませんか?」刑事が尋ねると母は「顔形は膨れて違うけど間違いありません。明です。」母は鼻をすすりながらはっきりと答えた。検視官が「午前6時30分死亡を確認。」と時計をみながら宣告した。母は大きな声で泣き出して「明、明、なんでこんな事にバカ!」遺体を抱きながら泣き崩れた。2年3組のインジュアリーリスト【負傷者リスト】がこれで6名になった。うち3名は戻って来ない。




