表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/20

Episode 9. 噂の拡散

「セシリア様ったら、本当に可哀想…」


「ええ、あんなに、殿下に尽くしていたのに…」


「きっと、心の傷も、深いでしょうねぇ…」


 エルトリーゼ公爵邸の広間では、使用人たちが、ひそひそ声で、セシリアの噂話に花を咲かせていた。


 数日前、王宮の舞踏会で、エドワード王子から、一方的に婚約破棄を告げられたセシリア。


 その衝撃的な出来事は、瞬く間に、王都中に広まり、貴族たちの間では、格好の噂話となっていた。


 もちろん、これは、アリスが仕組んだ、情報操作の結果だった。


「ご主人様、ご気分は、いかがですか?」


 セシリアの部屋で、アリスは、星詠みの水晶の中から、心配そうに尋ねた。


 セシリアは、窓辺のソファに深く腰掛け、憂鬱そうに、外の景色を眺めていた。


「…退屈だわ」


 彼女は、小さくため息をついた。


 アリスの作戦通り、セシリアは、婚約破棄のショックで、すっかり気落ちした様子を演じていた。


 外出も控え、部屋にこもりがちになり、食事も、ほとんど喉を通らない日々。


 心配した両親や、兄妹、そして、使用人たちは、セシリアを慰めようと、様々な気遣いを見せてくれた。


 しかし、セシリアにとっては、そんな生活は、ただただ、退屈で仕方なかった。


「アリス、いい加減、この茶番劇、終わりにしない?」


 セシリアは、アリスに、悪戯っぽく提案した。


「ご主人様、まだです。私たちが、真に動き出すためには、もう少しだけ、時間が必要です」


 アリスは、セシリアを諭すように、冷静に言った。


「焦りは、禁物です。今は、じっと、機が熟すのを待ちましょう」

数ある作品の中から今話も閲覧してくださり、ありがとうございました。


気が向きましたらブックマークやイイネをお願いします。

また気に入ってくださいましたらこの後書きの下部にある⭐︎に高評価を宜しくお願い致します。


執筆のモチベーションが大いに高まります!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ