Episode 7. AIの戦略会議
「さて、エドワードを陥れるための作戦会議を始めましょう!」
セシリアは、意気揚々と宣言し、テーブルに広げられた地図を指差した。
そこには、王都から伸びる街道と、エドワードが訪問予定の地方都市が、細かく記されている。
「アリス、エドワードの訪問予定地は、この地図のどこかしら?」
「はい、ご主人様。この赤い印で示した、ローゼンバーグという都市です。豊かな自然と、温泉で有名な、保養地として知られています」
星詠みの水晶の中で、アリスが、地図上の赤い印を拡大する。
「ローゼンバーグ… 温泉… なるほどね」
セシリアは、腕組みをして、思案顔で地図を見つめた。
「アリス、エドワードは、どんな目的で、ローゼンバーグを訪れるの?」
「表向きは、地方都市の経済状況視察ということになっていますが… 実は、ローゼンバーグには、王位継承権を持つ、エドワード殿下の叔父君が、隠居生活を送っているという噂があります」
「王位継承権を持つ、叔父君… つまり、エドワードにとっては、邪魔な存在ってこと?」
「その可能性は、極めて高いと言えるでしょう。特に、今回の婚約破棄劇の背景には、エドワード殿下を、王位継承争いから、排除しようとする動きも見え隠れします」
「なるほど… つまり、エドワードは、今、かなり危険な状況にあるってことね」
セシリアは、真剣な表情で頷いた。
最初は、エドワードへの復讐心だけだった。
しかし、アリスの分析を聞くうちに、セシリアの心境は、少しずつ変化していた。
(エドワード… あなたは、一体、誰と戦っているの?)
セシリアは、エドワードの置かれた立場に、思いを馳せる。
そして、ある決意を固めた。
「アリス、作戦変更よ。エドワードを、助けるわ」
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