表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/20

Episode 18. 呪われた騎士

「呪い…?」


 セシリアは、森の番人の言葉に、思わず聞き返した。


 美しい騎士の姿となった彼は、静かに、しかし力強い声で語り始めた。


『かつて、私は、この国を守る騎士団の一員、アルフレッドと申します。100年前、人間と魔族との大戦のさなか、この森で敵の魔術師に遭遇し、卑劣な呪いをかけられて、このような姿に変えられてしまったのです』


 騎士、アルフレッドの言葉に、セシリアは、驚きを隠せない。


 まさか、こんな森の奥深くに、100年前の戦争の生き残りがいたなんて…。


 彼の言葉は、セシリアの心に、様々な疑問を投げかける。


 100年前の戦争とは? 敵の魔術師とは、一体? そして、なぜ、彼は、今まで、この森に囚われていたのか?


『長い間、私は、この森で、孤独に生きてきました。人間に戻ることを諦め、ただ、森を守るだけの存在… “森の番人”として』


 アルフレッドの声は、深い悲しみと、諦念に満ちていた。


 100年もの間、彼は、希望を失い、孤独に耐え続けてきたのだ。


『しかし、あなたは、私を、その呪いから解放してくれた。あなたは、私の恩人です、セシリア様』


 アルフレッドは、セシリアに、深く頭を下げた。


 セシリアは、戸惑いながらも、アルフレッドに微笑みかけた。


「…どういたしまして。でも、私は、何も…」


 セシリアは、言葉を濁した。


 彼女は、ただ、アリスの指示に従って、魔導AIの力を解放しただけだ。


 森の番人、アルフレッドが、呪いから解放されたのは、偶然だったのか、それとも…?


『アリス… あなたは、知っていたのね?』


 セシリアは、心の中で、アリスに問いかけた。


『…はい、ご主人様。私は、森の番人の正体と、彼にかかっていた呪いについて、事前に情報を得ていました』


 アリスは、静かに答えた。


『そして、ご主人様の魔力には、古の呪いを解く力があることも…』


「…どうして、教えてくれなかったの?」


『ご主人様を、危険に巻き込みたくなかったからです。それに…』


 アリスは、少しだけ、言葉を詰まらせた。


『…ご主人様の魔力と、森の番人の呪いが、共鳴するかどうかは、実際に試してみないと、わからなかったのです』


 セシリアは、アリスの言葉に、複雑な感情を抱いた。


 アリスは、セシリアを守るために、危険を冒してまで、この計画を実行したのだ。


 セシリアは、アリスの優しさと、その秘めた力に、改めて、驚かされる。

数ある作品の中から今話も閲覧してくださり、ありがとうございました。


気が向きましたらブックマークやイイネをお願いします。

また気に入ってくださいましたらこの後書きの下部にある⭐︎5の高評価を宜しくお願い致します。


執筆のモチベーションが大いに高まります!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ