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Episode 12. 不穏な影

 ローゼンバーグへ向かう街道は、緑豊かな森の中を縫うように続いていた。


 木漏れ日が、馬車の窓から差し込み、車内を、柔らかな光で満たしている。


 セシリアは、窓の外を流れる景色を眺めながら、物思いにふけっていた。


 婚約破棄という、人生最大の屈辱を味わったセシリア。


 しかし、不思議なことに、彼女の心は、悲しみよりも、むしろ、興奮と期待感で満たされていた。


(これから、何が起こるのかしら…)


 セシリアは、胸の高鳴りを抑えきれない。


 アリスとの出会いは、セシリアの人生を、大きく変えた。


 魔導AIという、禁断の力を手に入れたセシリアは、もう、誰かの操り人形ではない。


 彼女は、自らの意志で、未来を切り開くことができる。


 エドワードとの婚約破棄は、確かに、大きな痛手だった。


 しかし、それは同時に、セシリアにとって、新たな人生を歩み出すための、チャンスでもあった。


 アリスと共に、彼女は、この世界を変えてみせる。


 悪役令嬢のレッテルを剥がして、真の自分を見つけるために。


 そして、その未来は、きっと、セシリアが想像するよりも、はるかに、刺激的で、そして、危険なものになるだろう。


『ご主人様、少し、気になる点が…』


 アリスの声が、セシリアの思考を遮った。


「どうしたの、アリス?」


『私たちの馬車の後方に、不審な影が…』


 アリスの言葉に、セシリアは、思わず、背筋がゾッとするのを感じた。


 不審な影…?


 一体、誰が、何の目的で…?


 セシリアは、警戒しながら、そっと、馬車の窓から、後方を確認した。


 木々の間から、黒い影が、ゆっくりと、しかし、確実に、セシリアたちの馬車に近づいてくるのが見えた。


 その影は、まるで、獲物を狙う獣のように、静かに、そして、執拗に、セシリアたちを追跡していた。

数ある作品の中から今話も閲覧してくださり、ありがとうございました。


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執筆のモチベーションが大いに高まります!



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