スタート
ます……たー?
俺は意味がわからなかったので困惑しながら聞き返す。
「ええ、おはようございます?でしょうかマスター?おや、マスターさんはお腹がすいているのですね。少々お待ちください…」
そう言って目の前の人形?だった子はものすごい速度であたりのガラクタを片付けていく
「めんどくさいですね、ええ。……あ、そうです……『異次元収納箱、展開』」
あっという間にそこら辺にあったガラクタが手の中に飲み込まれて言った。
「あ、そうですね……少しお待ちを、今バイタルチェックを致しますので」
唖然としているの俺にその人形?か何かの腕が伸びてくる。
そして
──────「うーん、脈が少し早いですね?……おやマスター?なぜ顔を赤らめて……マスター?」
暖かな体温、女性の体温を直に感じた俺はそのまま意識を暗転させてしまった。
……だって仕方ないじゃん、幼稚園ぶりくらいの女性との邂逅だったんだぜ?
──────「〜ねーむれ、ねーむれ……おや?お目覚めですか?マスター。ふむ、バイタルチェックに異常は特に見当たりませんでしたが、なにかありましたか?」
目を開けたら、女の子に膝枕されて……しかも子守唄さえ歌われていた場合、どう言った反応をするべきだったのだろうか?
「さて、改めて自己紹介をさせていただきます。私はアーティファクトコード『彗星』、まぁ気軽に相棒、とでも呼んでください。」
「……アーティファクトとは?」
彼女、ミーティアと名乗る子は少し驚いた顔をした後
「そういえばマスターはこの世界に来たばっかりなのでしたね、すいません記憶を読んだことですっかり忘れていました」
……記憶を読むって何?と俺は聞こうとしたが、
「私は端的に言いますと、マスター『レイン』様の能力により起動した存在、といった感じのものです」
俺の能力……?確か、『ガラクタに愛されるだけ』って言う能力だよな?……これにそんな力があったとは……
「マスターの能力、『ガラクタに愛されるだけ』とは少し誤訳のようなものが混じっています。正しくは、『この世界に置いて既にガラクタとして認識されている古代遺物に愛されるだけ』ですね。」
そう言いながらミーティアは、手の中から何かを取り出した。
「これは?」
俺がそう聞くと、ミーティアは
「ライターのようなものです。あ、ちなみにこれもアーティファクトなので性能はイカれてます。」
俺にそれを手渡したあと、ミーティアは少し語り始める
「今の時代、アーティファクトは言ってしまえば誰も使用できないもの、として認識されています。モンスターの討伐素材として出てきても、誰も使えないからゴミとしてこういった場所に投げ捨てられます。」
「ですが、6000年に1度、……文明のリセットの後に1人だけこのアーティファクトを使うことが出来る人間が異世界から現れる……とされていまして……」
そう言って俺をにっこりと見て
「……つまりあなたは、この世界にある全てのアーティファクトを支配するお方、ということです」
次の話はまた明日