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国王side

「いやはや、面白い令嬢だ」


「……何を暢気な事を。あのクソガキのせいで我が娘はミレニウス女史の教えを請いたいと本人に直談判し始めたのですよ」


「本当に珍しい令嬢だ!親としては喜ばしいことだぞ?」


「どこがですか?」


「よく考えてみろ!普通、逆だろう!親が我が子のためにミレニウス女史に教育を頼み込み、娘がそれに対して逃げる図式が既に出来上がっているというのに!そなたの娘はあえてミレニウス女史が良いと訴えているのだからな!ハハハハハ!!」


「他人ごとだとお思いになって」


「まあ待て、そう怒るな」


「怒りますよ。どこかの無能な王妃のせいでミレニウス女史の教育課程は一層厳しさを増したと社交界では有名なんですよ」


「おいおい、幾らミレニウス女史が有能な教育者だからといって市井出の少女を教育するなど無理に決まっているだろう。土台が違い過ぎるからな。これが自我が出来上がっていない幼少期なら兎も角、既に『一個人』としての自我が目覚め切っている段階で『完璧な王妃』に仕立て上げるなんて無茶もいい処だ」


「それをさせたのは()()です」


「仕方なかろう?余は()()なのだからな。当時は王太子だったが、相手が誰であれ結婚相手の女性には『妃教育』を受ける義務がある」


「真の愛、でしたか?」


「よく覚えているな」


「陛下の『恋愛ごっご』は劇にまでなってますからね」


「そのお陰で経済が潤っただろう?」


「まったく、困ったお方だ」


 余を見るロジェス伯爵の顔は呆れている。

 だが、当時はああするしか方法がなかったのも事実。ロジェス伯爵はそのこと知る数少ない人物だ。だからこそ他の者と違い余に忠言という名の嫌味を言わない。 

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