表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/60

0 11.閑話~数百年後の偉人伝~

 エール・ルメ


 数々の独創的なお菓子を作ったパティシエの先駆者。

 彼が仕えていたロジェス伯爵家の令嬢のために考案された『バーバラの秘密の菓子』は実に有名である。エール自身がお仕えする伯爵家の令嬢のためだけにつくられた創作菓子は『バーバラの菓子』として幾つかのレシピが市井に伝わっている。その代表的ともいえる「メレンゲの菓子」は貴族階級のみならず、一般庶民にも大変人気だ。


 その理由としては何といっても入手しやすい材料である事と、コスト面があげられる。庶民にも馴染みの深い材料は懐に大変優しかったのである。メレンゲを焼いただけのシンプルな菓子からメレンゲを下地にしたケーキ。用途は幅広く、何よりも生クリームやフルーツを使用することによって見た目が大変華やかになるのも利点であった。口にした時の食感も軽やかで食べやすくクリームとフルーツが合わさった甘酸っぱさがメレンゲの下地にマッチしていて何とも言い難いクセになる味わいを醸し出していた。


 このクリームの上に色とりどりの季節のフルーツを乗せるのが「バーバラ流」と謳われ、今日まで愛され作られ続けてきた。

 現在では既に焼き上がったメレンゲが販売されているため、わざわざメレンゲから作る家庭は少なくなったが、市販品を使用して各家庭が子供達と一緒になって飾り付けをして楽しんでいる。母親が子供と一緒に作る菓子の代表の一つとされているのだ。見た目も華やかなこの菓子は今も祝い事のデザートとして人気である。


 誕生から数年後には、王国発祥の菓子として大陸を席巻(せっけん)する事に成った『バーバラの菓子』は階級を問わず広く愛された。出来上がった当時はそうなると予想した者は誰もいないとされるが、今なお、ロジェス伯爵家には門外不出の『バーバラ・レシピ』がある。それが世に出るのは何時になるのかは誰にも分からない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] バーバラとそれに協力した人は偉人として名が残るけどそもそもの原因となったバカ坊っちゃんは後世にどう伝わるんだろう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ