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第1話 〜真実の依頼〜

評価、感想、ブックマークを頂けたらめっちゃ嬉しいです。どうぞ楽しんでいってください。


 5年前、世界を興奮させたVRMMOゲームが出来る機材が発売した。名前はクールワールド、頭にヘルメット型の機械を被り、仮想空間でゲームを遊ぶことが出来る。

 ゲーム世界では5感を感じられるということもあり、そして、クールワールドを創った会社、【クール】が発売したゲーム、勇者誕生(ブレイバー)が一躍有名になった。

 地球より大きな世界を舞台に、魔王を倒し、勇者として世界を駆け回るオンライ型ゲーム。

 プレイヤー全員が勇者であり、プレイヤー1人1人が成し遂げたクエストで、自然人というNPCと関わりを持つことで、クエストや世界の行く末は変わっていく。

 全世界の人はクールワールドを買い、社会現象になるほど勇者誕生(ブレイバー)は流行った。



 ————世の中には絶望的なことがある



 絶望とは人生の分岐点を作り出し、人はその絶望に悩み、超えていく。このゲーム、ある日を境に5億人というプレイヤーをゲーム世界に閉じ込めた。

 ログアウトが出来ず、現実世界に体が眠ったままになってしまった。ゲーム会社は理由が分からないと言い張り、世界が困惑に満ち溢れた。原因不明、ゲームの設定もいじれなくなり、ゲーム世界の人達は絶望していた。


「ログアウトが出来ない。普通ならここで悪役が出てきて、なんかするよな〜。出てこねぇっとことは、ふわ〜。何もねぇっとこと……じゃあ、ギャンブルするか」


 だが、1人のアラサーになりかけているダメダメダメ人間。

 職業はレベル8の遊び人、ログインしたプレイヤーが訪れる最初の街、ホンドゥ街で、ゲームに閉じ込められ1ヶ月遊び呆けていた。


「ふわ〜、やっぱり遊び人は遊んでねぇとな〜。だが、誰があそこで賭けろっていった俺! 馬鹿なのか、馬鹿何じゃないか!?」


 彼はこの世界で圧倒的貧乏になっていた。服を全て売り払い、パンイチ。世界で1番気楽なのは彼しかいないだろう。


「俺の美貌1つで自然人お嬢ちゃんを落とせばヒモになれんかな〜」


 このゲームでは現実世界の自分の姿のままか、キャラクターエディットをし、元の自分の姿を思うままに変えることが出来る中で、彼は現実世界の自分の姿を選んだ。

 彼は180センチメートルの日本では高身長であり、綺麗な顔立ち。だが、ボサボサの黒髪で不潔そうに見える。


「あ〜金ねぇな〜。俺、職業【遊び人】だからな〜。まっ、この辺のモンスターってゴブリンとスライムだっけ? 死ぬわけねぇーし、ひと狩り行くか」


 ふあ〜と今日何回目か分からない欠伸をする、ゲーム名プレイ。プレイは街の城壁から出て、すぐ近くの森に行く。


「1ヶ月経ったんだ。もう、この街に初心者プレイヤーいなくなったな。昔はここは大盛況だったのに」


 物静かになった、最初の森。低レベルのゴブリンとスライムしか出ない。

 プレイの職業【遊び人】は全職業の中で最もレベルが上がりやすく、死にやすい職業だ。これといった特技もなく、スキルもない。ただの不遇職だが、このゲームには100レベル毎に職業が昇華するシステムがある。100レベルまでに経験した出来事で職業が変態し、遊び人はこの世の魔法職の現トップといわれる賢者になれる可能性があると、ガイドブックに載っていた。

 プレイはだから、遊び人を選んだ……訳ではなくただ遊び人は、カジノやら賭け事に強くなると聞き、選んだ職業。そして、プレイは遊び人でも大負けした。


 つまり——


 アホである。


 ————目の前にゴブリンが現れた


「早速現れたなモンスター。今年で27歳の俺が死をかけてモンスターと戦うか、燃えてきたぜ!」


 プレイの武器は拳、慣れない構えでゴブリンと対峙する。対してゴブリンも武器は持っていない。

 ゴブリンは徐々に距離を縮めてくる。


「ふっ、これでも昔は空手を習ってたんだ。そして、俺の動体視力はギャンブルで成長している。こいや、ゴブリン!」


『ギャアアア!』


 ゴブリンはとことこと、走り右拳をプレイのお腹に——ぶち当てた。


「ぶふっっ!? 待て待て、ゴブリンさん話を聞いて、あ、いたいいたい。おじさんを攻撃しないで、あ、痛いです。あ、HP半分切れました。あ、もしかして死ぬ?」


 地面に蹲り、ゴブリン蹴りを体を丸めて耐えている。耐えて耐えて、1分。残りのHP、1割。

 待ってくれ、待ってくれと語り部ながらも私は言いたい。未だかつて最初の街でプレイヤー死んだことがない、


「俺、戦ったことないからちょっと殴られると目瞑っちゃう。ゴブリンさんも殴るの止めようか———」


『ギャアアアッッッッ!?』


 プレイの横に剣がぶっ刺さり、ゴブリンの首が目の前に落ちてくる。プレイは顎が外れるほど、声にならないほど驚き、心臓が飛び出しそうになった。


「大丈夫ですか!?」


 おじさんは立ち上がり、ゴブリンの首を切ってくれた男1人、後ろから走ってきた女2人。3人さ見るからに高校生。プレイは確実に剣を振り下ろした、ってか剣を持っている男の顔を思わず殴り土下座をする。

 いきなり剣を俺の眼前に落とすなという怒り。語り部の私ですら意味が分からない。


「私を仲間にしてください!」


「「「は?」」」


 ————困惑


またもや意味が分からない。プレイを助けた男性はえ? 今、この人僕のこと殴ったよね? え? それでなんで、土下座してんの?


「ちょちょちょ、顔を上げてください!? 土下座なんて……!?」


「ごちゃごちゃ言うな! 俺が仲間にしろって言ってんだから、仲間にしろよ!」


「いやいやいや!? あんたが言ってること全部ぐちゃぐちゃだよ!?」


「ぐちゃぐちゃ? 俺の人生がもうぐちゃぐちゃなんだよ! 会社の上司の接待で買ったゲームで遊び人にしたらウケるかなとか思ってログインしたら、閉じ込められんだぞ!? そして、現実逃避にギャンブルしたらハマっちまったんだよ! もうギャンブル中毒なんだよ!? ってか見えてんのか、俺の姿!?」


「あ、パンイチで土下座してる姿なら」


「まずは、パンイチをツッコめよ!? お前イカレてんぞ!? おじさん、若者のギャップについていけないよ。え、若者っておじさんのパンイチ姿見なれてんの?」


「私は、マジで気持ち悪い思ってます」


「……私も」


「いや、急に現実突きつけないで!? おじさんのハートってガラスなの。だれが、年長者は心が強いって決めつけた! それはもうハートハラスメントでしょ!? 世間がおじさんを殺していってんだよ!?」


 ————5年後


「あれから、もう5年か。今ではこんな豪華な装備になった、俺たちは世界最強パーティー。感慨深いか」


「僕達はもう20代を超えて、プレイさんはもう32歳ですか。早いですね。この4人で苦楽を共にした時間を僕は忘れませんよ」


 金髪のサラサラヘアーで、紫色の目、青色の防具を着ているブレイ。


「そうよね。ブレイと、マグには何回も助けられたわ。おじさんは確実に足でまといだったけど」


 ネネ。ピンクの長髪と胸を隠す服と、短パンだけの薄着で、おヘソ、二の腕は見えている拳闘士。おじさんのことになると大分毒舌。


「……私も2人には助けられた。おじさんはマジで死んで欲しかったけど」


 少し毒舌な銀髪のショートカット女性。緑色の服に身を包み、小柄な身長。胸も控えめだが、クルリとしている目がお人形みたいで可愛らしい。


「ああ、俺も3人には何回、俺の借金を肩代わりしてくれたか。お金は今日で全て返す、だって魔王を倒したらこのゲームからやっとおさばら出来るからな」


「いや、なに帳消し出来ると思ってんのよ。一生私たちの靴舐めて生きなさいよ」


「……今すぐに地獄に落ちて」


「時間は経ったけど、おじさんのハートはまだガラスだからね? 魔王戦直前の行動不能になるよ? ガラス粉々に砕けちゃうよ?」


 北大陸に君臨していた魔王。5年が経った今でも魔王の脅威は消えず、沢山のプレイヤーと自然人達が魔物に殺られてきた。

 未だにこの世界からログアウト出来る術は見つからず、プレイヤー達は魔王を倒すことでゲームがクリアされると、ガイドブックに書いてあったことに気づき、魔王がログアウトの鍵だと推測した。

 バージョンアップが行われないこの世界では絶対に、魔王を倒せばクリアなのだ。

 その魔王を倒すべく、沢山のプレイヤー達が奮起し、その中で最強のパーティーがいた。

 パーティー名【光りだす行き先(トップランナー)】、誰よりも早く、誰よりも輝いていた4人が魔王がいる扉の目の前で、焚き火をしカレーを食べている。


 最初で最後の食事になるかもしれない。魔王は強力だ、ここに来るまで5人の魔王軍幹部を倒し——


 不思議と4人の心は疲弊していた。


 何故か幹部達がちゃんとした自我を持っている。最後に命乞い、子供がいる、妻がいる。お前たちがいけないんだ。お前たちがいなかったら。


 耳を傾けない、耳を傾けるな。気づいてはいけない、このゲームの真理に。


『貴様らは強い……我を倒すことが出来たんだ。あと一歩で1人を道ずれにできたのたが……。完成されたパーティーであった、見事……』


 魔王は死んだ。4人ともHPは1割。死ぬかと思った、死ぬ可能性があった。でも、勝ったんだ。喜びたい、喜びたいのに(理性)が否定してくる。


「なんだよ……これ……?」


「……真実の依頼(トゥルークエスト)? ……あははは、冗談ですよね…………この内容って?」


「……何よこれ…………無理に決まってるじゃん。無理に決まってるでしょ!」


「…………魔王を倒すのに……5年もかけたのに…………まだ魔王が4人いる?」

評価を気にし、ストック数を増やしていた犬三郎がぶっつけ本番の毎日投稿を始めます。

本当は連投したかったんですが、止めました。ってか前作で自分を知って見てくれてる人はいるのかな? いたら嬉しいです。ブックマークを気にせずのんびりと楽しんで書いていきます。初のギャグへの挑戦なので、試行錯誤ですが頑張っていきます。

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