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君の歌、僕の夢  作者: 上条 樹
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君と昌子さん

 昼食を取る為にバスはインターチェンジに到着した。

 食事の準備が整うまで、食堂の外にある休憩場所にすわっていた。

 俺の隣には相変わらず美桜が座っている。よっぽど他の奴と仲が悪いのだろう。


「あんた達、本当に付き合ってないの?」昌子が目の前の席にすわる。


「だから違うちゅうねん」実は昌子と俺は同じ高校出身の同級生であった。一緒に大学を受験して合格。入学し一緒に進級する筈であったのだが、あの事故で俺が留年する事になった為に、必然的に彼女は俺の一つ上の先輩になってしまったわけだ。


「ふーん、そうなんだ。えーと、美桜さんだったっけ?」昌子が彼女名前を呼ぶ。よく覚えているものだと感心する。あのバスの中でも四十人以上の学生がいたと思うのだが、記憶力がすごいのだろう。


「はい……」美桜は小さな声で返答する。きっと怖いんだ。怖いに違いない。


「もしも、亮介に変な事をされたら、遠慮なく私に言ってね。ボコボコにしてやるから!」な、なんですかそれは、ボコボコとは殴られるor沈めらるかのか?


「亮介さんはそんなことしません!」えらい!しかし、そんなに俺は草食系に見られているのか。


「凄いね、亮介信頼されてるんだね。ちょっと焼いちゃうかな……」何を焼くんですか?魚それとも餅ですか。心にも無いこと言うんじゃねえ。


「……」美桜は顔を赤くして恥ずかしそうに下を向いた。


「変に勘ぐるんじゃねえよ。俺達はそんなんじゃねえって何度も言ってるだろうが……」俺は美桜の姿を見て可愛そうになった。そりゃあ、俺みたいな奴と付き合ってるって思われたら、恥ずかしくて赤くもなるわ。ごめんな。


「そうなんだ……、それならまた私と付き合っちゃうか?」言い忘れてましたが、高校生の時に昌子と俺は付き合っていた。……いたと言っても特に深い関係になった訳ではない。チュウ位はしたかな……。って、なんでここでそんなこと言うねん!だいたい、大学受験を理由にして俺を振ったのはあなたですよ!


「適当な事を言うなよ……」とにかくここは、クールな男を演じておく。


「ふーん、まあいいわ!美桜ちゃん、ヨロシクね」昌子は可愛らしく微笑むと手を振りどこかにいった。なんじゃなんの用やったんじゃ!!


「あの人、知り合いなのですか?」美桜が下から見上げるように聞いてくる。


「ああ、高校生の時、同じクラスだったんだ」特に彼女に付き合っていた事を打ち明ける必要はないだろう。


「皆さん!食事の用意が出来た見たいですので、二階の食堂へ移動してください」昌子が皆を誘導する。さすが高校の時も生徒会長やってただけあって、手際がよろしい。


「俺達も行こうか」隣に座る美桜に声をかける。


「はい!」美桜はピョコンと飛び上がるように可愛い仕草で立ち上がった。まあ、可愛らしいウサギのようだわ、この


 俺達はインターチェンジでの昼食を終えて、またバスに乗り込み、次の目的地へと向かった。




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