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君の歌、僕の夢  作者: 上条 樹
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君とオリエンテーション

 春がやって来た。一年後しではあるが俺もピカピカの一年生だ!カビカビかもしれへんけど……。


 気持ちを取り直して、入学後のオリエンテーションの説明を聞く為、講堂へゴー。


「えっ?」誰かが俺の服を引っ張る。なんだ勧誘か!自慢じゃないけど、高校三年間は帰宅部、卒業後数ヵ月のリハビリテーション、後に自宅療養と運動無縁の生活を送ってきた。ラグビーか?バレーボールか?それとも野球サークルか?っと、振り返るとそこには彼女が赤い顔をして俺の服を掴んでいる。


「あれ、美桜ちゃん?どうしてここに」あれから、何度か彼女は俺のアルバイト先にやって来た。よっぽどユーホーキャッチャーが好きなのだなと感心した。何度か、人形の位置もサービスしてあげた。


「えーと、私もこの学校の一年生になりました」美桜はなぜか顔を少し赤くしている。そうか、大学の初日で緊張しているのか。それで、たまたま知り合いを見つけて声をかけたということか!


「へー、奇遇だね!結構この大学難しいほうだと思うのだけど、賢いんだね!」ちなみに俺は冷やかしで受験をしたのだが、なぜか補欠で合格した。親には人生の運を使い果たしたと言われた。まあ、直後に交通事故で生死をさ迷う事になったのであながち外れてもいないだろう。


「オリエンテーション、一緒にいく?」俺も特に顔見知りがいないので彼女を誘ってみる。


 美桜は、小さくうなずいた。


 俺達は横に並んで座った。前からプリントが回ってくる。担当の職員がオリエンテーションの内容を説明する。どうやら親睦を兼ねた旅行が二泊三日であるそうである。


「あの……」美桜がまた服の裾を引っ張ってくる。


「ん?どうしたの……」なにか聞かれても正直者いうと俺は上の空で聞いていたので答える事が出来るかどうかは疑問であった。


「あの、亮介りょうすけさんは旅行どうするんですか?」ああ、それなら答えられる。なにしろ自分の事だから。


「ああ、一応行こうと思っているよ」困った時に頼れる友達を沢山作っておこうと、俺は思っている。代返してもらったり、宿題見せてもらったり、彼女紹介してもらったり、友達は大切なものなのだ。


「亮介さんが行くなら、私も行こうかな……」美桜が小さな声で呟く。


「おっ、いいんじゃない!友達沢山作ったほうがきっと大学生活楽しくなるよ。一緒に行こう」俺は親指を立てて見せた。なんかFacebookのいいねみたいだなと一人で思った。


「うん」美桜は嬉しそうに頷いた。


 あっ、ちなみに俺の名前は瀧山たきやま亮介りょうすけという。危なく自己紹介無しに、どこぞの感動小説みたいに最後までいってまうとこだった。





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