デランの大森林編
大森林編2日目となります!お楽しみください!!
俺はまだ日も昇っていない薄暗い森の中を突き進んでいた。
【第2章 大森林の洗礼 2日目】
「くそ…トカゲ肉が重くて参る…」
俺は重い荷物を力ずくで運んでいた、怪力みたいなスキルが無いものか……
「しっかし…ここは一体どの辺りなんだ?道もわかんねぇし、荷物も重い…やはりパーティーを組んでおくべきだったか。」
だが今更何を言っても意味は無い、寝起きの体でこんな森の中を歩く羽目になるなんて…
「ふぅ…しばらく歩いたし、朝飯でも食べるとするか。」
俺はトカゲ肉を袋から取りだし調理を始めた。
「うんめえぇぇぇ!疲労した体に効くなこれは!」
トカゲ肉を堪能した俺は再び歩き出した、空を見てみると日はすっかり昇っており他の冒険者達も動き始める頃だろう、だが運悪くこのルートを選んだ俺は他の冒険者の影すら見当たらない。
「〜〜〜〜〜〜!!!」
「声が聞こえる!冒険者か!?おい!どこにいるんだ!!」
俺は声のする方向へさっそうと駆け出し荷物の重さなんて忘れていた。
「ちょ!やめろyo!!ギブ!ギブアーーーップ!!」
サングラスをかけた熊族の獣人が長い蛇に締め付けられていた。
おそらく寝込みを襲われて対抗出来なかったのだろう。
俺はナイフを取り出して蛇の首へと斬りかかった!
「シャアァァァァァ!!!!」
首を切り落とされた蛇の体がまだ動いている、新鮮な肉と言った所か…
「おいニィチャン!助けてくれてありがとyo!ここに来る途中に持ってた棍棒が壊れちゃってyo?どうしようもなかったからヘルプをsayしてたら君が助けに来てくれて助かったyo!あと一歩で絞め落とされてたyo…そうだ!名前をカモン!!」
「おう、俺はグリスって名前だ、そういうお前はなんて名前なんだ?」
「おっと、名乗るのをすっかり忘れてたyo、ミーの名前はガフラット!イタズラして村追い出されたからここまで来ちゃったんだyo!!」
「イタズラで追放って…何をやらかしたらそうなるんだ…」
「まぁそんなことは置いといてさ!ほら、グリスは地図持ってないじゃんyo!ミーの地図見てさっさと突破しちゃおうyo!!」
そう言ってガフラットは自慢げに地図を見せてきた。
「おおぉ!こればかりはホントに助かるぜ!ガフラット、感謝するyo!」
「ミーの口調が移っちゃってるyo…でも、助けてくれたお礼くらいしないとミーが恩知らずな奴みたいになっちゃうyo!命を救ってくれたんだから、まだまだ足りないくらいだyo!」
「でもガフラット、お前腹減ってるだろ、朝から何も食ってないんじゃないのか?」
俺がそう言った途端ガフラットの腹が鳴った。
「あ、ミーそういえばお腹すいてたんだったyo。」
「ふふ…俺が持ってきたトカゲ肉一緒に食おうぜ!!」
ま、俺はさっき食べたばかりだが。
「oh!どこまでも優しいやつだよグリスはyo!」
そしてガフラットが肉を食べながら呟いた。
「こういうのって…仲間っぽくてなんかいいyoなぁ…」
仲間…そうだ、仲間だ、俺は仲間が欲しかったんだ!!
「そうだよ!ガフラット!!俺たち仲間にならないか!?これから一緒に冒険とかしようぜ!!」
「何言ってんだyo、ミーとグリスはもう仲間じゃんyo。」
「ガフラット…うぐっ…仲間って、いいなぁ…」
「ちょ!なんで泣いてんだyo!!」
そうして俺には仲間が出来た。
最高の仲間だ、こいつとは長い付き合いになりそうな気がする!!
「いや〜、腹いっぱいだyo〜。」
「そりゃ良かった、腹が減ったらいつでも言えよ?トカゲ肉はまだまだ残ってんだ。」
「ありがとyo!」
すると突然周りの茂みが音を立て始めた、モンスターがいる、間違いない。
「ちょっとぉ飯食べたあとなんだから邪魔するなyo?」
「ガフラット、気を付けろよ、こいつら集団で襲いかかってくるぞ…」
「当たり前だyo!」
「グルルルル……ガウッ!!ガウッ!アオーーーーーーーン!!」
「あ、そういえば武器持ってなかったyo。」
「そうだったぁぁぁぁぁ!!!!」
「『錬金』っ!!」
俺は慌てて錬金スキルで小さいドームを作る。
「しかもミーは回復役だから戦闘じゃあまり役に立たないyo…」
「その体で回復役かよ!!」
熊族なだけあってガフラットは全身が筋肉で覆われている。
なんか…ギャップが凄いな…
「ガフラット、回復以外になにか使えるスキルはあるか?」
「今のところスピードアップなら使えるyo。」
「よし、それだ、俺が今からドームの周りに集まってるこいつらを錬金でぶっ飛ばす、そしたら俺がこいつらに斬りかかるから支援を頼む!」
「任されたyo!!『スライド』!!チェケラッ!!」
「『錬金』!!」
「ワフッ!!アオーン!!」
「俺のナイフさばきを食らいやがれっ!!」
スピードアップのおかげで体がかなり軽く、次々と狼達の首を切り落としていく、が…その中に1匹だけやけにでかい奴がいた、おそらくこの集団のリーダーだろう。
「ガルルルルル!!ガウッ!!!」
「うあああっっ!!」
巨大な図体で突進された俺は思い切り木に叩き付けられる。
「ぐっ!こりゃまずい!!」
「『メディックストーム』!!だyo!!」
ガフラットが魔法を唱えると体の周りに緑色の光が現れ、回転し始めた、それと同時に体の痛みが引いていく…
「助かった!!!」
「回復ならドンと来いyo!!」
リーダー狼は巨大な爪を振り下ろしてきた。流石にまずいと思ったがトカゲを倒した時に得た経験値でスキルを1つ習得している。
「錬金の出番だぜ!『リファイナリーアンブレラ』!!」
このスキルは魔力の消費が大きいものの、相手の攻撃を受けるとダメージを1.5倍にして返すという能力がある、使い道はかなり多いだろう。
「ガウッ!!!アオーーーーーーーン!!」
よほど効いたのか、リーダー狼はその場にうずくまった。
その隙を狙い俺は狼の首にナイフを振り下ろした!
「凄いyo!!あんな大物まで仕留めちまうなんて、グリスはやっぱ強いyo!」
「いや、ガフラットの回復がなければ俺はあそこで終わってた、感謝する。」
「礼はいらないyo!!」
こうして無事にウルフリーズの集団を仕留めた俺たちは素材を回収して出口へと向かうことにした。
冒険はまだ始まったばかりだ!!
【第2章 大森林の洗礼 2日目 完】
ここまで読んでいただきありがとうございました!!次回もお楽しみに!!