デランの大森林編
どうもピンチコックです!!
前回に続いての第2章目となります!
ぜひお楽しみください!
俺はギルドで説明を受けてデランの大森林へと駆け出した訳だが…さすがに準備も無しに突っ込むのは気が引ける…道具屋で1式揃えるとしよう。
【第2章 大森林の洗礼】
「一応錬金のスキルは使えるから…鉄の塊を2、3個買っておくか、あとは…ん?」
俺は店の奥に簡易的な作りのフックを見つけた、俺の勘が業物だと言っている…
「店主さん、店の奥にあるフックはいくらで売ってくれる?」
「お客さん、これは売り物じゃねぇんだ、なんなら他の物でも…」
「いいや、これじゃなきゃダメなんだ、見たところそいつは結構な業物らしいしな。」
「へぇ…物を見る目があるなお客さん、これは俺が冒険者をやっていた頃に宝箱から掘り出した物だったが…ずっと店に置いておくよかお客さんが使った方がいいでしょう。」
「お!それじゃあ…」
「だが条件がある…」
「じょ、条件?…」
俺は生唾を飲んだ。
すると店主が小声で…
「今金がなくてよ…つい最近出来たエロい姉ちゃん達が沢山いるって言われてる店があってな?そこに入るための金を」
俺は即座に金を置いてフックを手に取り道具屋を出た。
「この街の人間はダメだ、早く行こう。」
俺はデランの大森林に向かって走り出した。
「はぇ〜…」
そこには先程まで居た大都市が小さく見えるレベルの大森林がうっそうと広がっていた。
「なるほど、どうせここを通らなきゃ先には進めないんだ、冒険者の最初の試練と言った所か…受けて立とうじゃないか!!」
そう言うと俺は真っ先に大森林へと駆け込んだ。
先程までの雰囲気とはうって変わり辺りは静かな空間になっていた。と、それよりもなにか重大なことを忘れているような…
「俺、1人じゃん。」
周りの冒険者達はパーティーを組んでいるのに俺だけ単独行動…?いやいやさすがにまずいだろ、こんな所で遭難しても誰助けに来ないんじゃ…
「よ、よし、街に戻って仲間を…」
コンパスどころか地図すら持っていない俺は出口など分かるはずもなかった。
「…これはかなりハードな試練になりそうだな…」
俺は一人で行くしかないと悟り、当たりを警戒しながら奥へと進んでいく。
「向こうから音がするな、モンスターがいるなら初の戦闘になる、これは燃えるぞ…」
そこには角を生やしたブタが居た。
見たことの無いモンスターにワクワクしながら足音を立てずに近寄り俺がナイフを突き出そうとしたその時だった。
目の前に居たブタが瞬時に消え去ったのだ。
「!?こいつ瞬間移動出来るのか!?」
と思ったがどうやら違ったようだ…上の方から咀嚼音が聞こえてくる。
俺はそっと上を見上げると、4メートルを優に超える巨大なトカゲがいた。
俺は慌てて突き出した手を引っ込めて様子を見る。
が、こんな相手に勝てる気がしない、隠れていても無駄なのでは?このモンスターはレベルが違いすぎる、そうだ、戦うのは他のモンスターにしておこう。
俺は逃げ出そうと足を踏み出した。なんだか嫌な予感がするが…
『バキッ』
案の定俺は枝を踏んでしまいトカゲに居場所がバレてしまった。
「グギャアァァァ!!!」
咆哮を上げて襲いかかってくるトカゲの攻撃を持ち前のすばやさのおかげか、間一髪のところで避けきれた。しかしどうしたものか……そうか!
この鉄の塊を使えばもしかしたら…
『錬金っ!!』
頭の中でイメージした通りに鉄の塊がみるみるうちにトカゲの口を塞ぎ窒息状態に持ち込んだ!
「よし!決まったぁ!!!」
初めてスキルを使い、喜びを隠しきれない。
「--------!!!--------!!!!」
トカゲは息が出来ない状態で苦しいのか、ものすごい勢いで暴れていたが数分後にはその場にぐったりと倒れていた。
「お、おれ、かなりの大物を倒したんじゃ…やった…やったぞおぉぉぉ!!!」
日が落ち始め、あたりも暗くなってきた。
俺はトカゲ肉のステーキを頬張りながら剥ぎ取った鉄を錬金して使いやすい形に直していた。
「よひ、このふらいでいいは。」
食事も終えて空を眺める、星も見え始め幻想的な景色が広がっていた。
「改めて見ると、ほんとに綺麗だなぁ…」
俺は初の討伐を成し遂げた安心感に浸りながら眠りに落ちた。
【第2章 大森林の洗礼 1日目 《終了》】
ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回は大森林編2日目となります!お楽しみに!!






