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第三節 カワルセカイ。-⑧
「君は自分を犠牲にしてクラスを守ったんだ。だから、今くらいは誰かに甘えてしまってもいいんじゃないのかい?自分は悪いことをしたっていう自覚があるから誰とも関わらずクラスの弾かれ者になっているんだろ?その自覚があるだけで周りの考えや評価は格段に違う。君は幸せになっていいんだ」
ミーシャはまたパジャマ姿で僕の家にやってきてそう言った。
僕のような力に酔って自分を見失うような奴は普通にはもう生活できない。出来ることといったら自分を犠牲にして誰かのために尽くすくらいだった。僕には失うものが何もないからだ。
「その考えはもう時効じゃないのかい?」
そうなのかな…?
「さぁ?少なくとも君が思っているほど周りの評価は悪くないって事さ」




