もし『3匹の子豚』が少女漫画だったら
5分くらいでサクッと読めるモノを書きました!
ある高校に3姉妹がおりました。
彼女達は3つ子です。容姿は見分けがつかない程似ていて、少しぽっちゃりしていましたがとても可愛らしかったので、女の子達から妬まれてしまい学校内で彼女達は『3匹の子豚』と呼ばれていました。
ガラッ
「はーい、皆さんおはようございます!
今日はホームルーム、の前に……なんと転校生が来ています!!
では、自己紹介をどうぞ!」
「大神です
今日からよろしくお願いします」
ズキューン!
大神くんに彼女達3人は同時に恋に落ちました。皮肉にも彼女達は好きなタイプも同じだったのです。
その日から3姉妹は大神くんに好きになってもらうにはどうすれば良いか考えました。大神くんは格好よくて人気者だったので彼女達も少し焦っていたのです。
家に帰っても3姉妹はそれぞれでアプローチを考えていました。長女は貯めてきたお金で高級品をプレゼントしようとリサーチを始め、次女は親しい男友達や自分の事を好きだと言う男の子達を利用して大神くんに接近しようと考えました。その間三女はどこか外に出ていたので、2人ともあの子は遊びに耽って現を抜かしているのだと思い、心の中で見下していました。
暫くして三女が家に戻っても部屋に閉じ籠もるだけだったので、大神くんの事は諦めたんだなと思いました。
次の日から長女と次女は行動に移します。
長女は毎日の様に彼が喜びそうなモノをプレゼントし、その度断られては、また次のモノ、また次のモノと考えました。しかし大神くんは高いモノになど興味を示さなかったのです。
その内に長女の財布はスッカラカンになり、軽くなった財布はぴゅうと吹いたそよ風に吹かれて飛ばされてしまいました。
姉の失敗を見た次女は同じ失敗をしないように少し慎重に彼へと近づく事にしました。彼と仲の良い男友達を交えて6人で遊びに行ったり、学校の行事で旅行に行くときも頼み込んで同じ班になる事も出来ました。気が付けば彼女は大神くんととても仲良くなる事が出来ましたが、ある日好きな人がいるという相談を受ける事になりました。大神くんにとって彼女は大切なお友達だったのです。
最後まで渡せなかったラブレターはビュウと吹いた突風に吹き飛ばれてしまいました。
それから数ヶ月が経って、大神くんは三女に告白しました。
けれど、その事に誰も驚きませんでした。三女は誰が見ても美しく、そして学力もトップクラスという才色兼備で完璧な少女になっていたからです。彼女は皆が大神くんにアプローチをする中、ランニングや運動をして美しいスタイルを作り、大神くんは頭が良かったのでそれに見合った学力を身につける為に苦手な勉強にも努めていました。
見た目にも気を遣うようになり、内面も鍛えようと思った彼女はこの数ヶ月を焦らずに自分磨きに専念していたのです。
こうして三女と大神くんは見事付き合う事が出来ました。
2人の愛は分厚いレンガ造りの家の様にどんなに強い風が吹いてもピクリとも揺れ動くことはありませんでした。
──めでたしめでたし──
お読み下さりありがとうございますm(_ _)m
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