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6.お茶会

6.お茶会


「アクラさん、さっきの話の続きをしましょう」

まだ、頼んだものがきていないがやはり気になるらしい。

「わかった。隠さず話すよ」

俺は素直にすべてを話した。

「…これですべて話した。これで十分かい?」

「うん。ありがとう。まさか素直に全部話してくれるとは思わなかった。」

マリアはすこし驚いた表情で言った。

「マリアさんはなぜか信頼できるんだ。だから普通に話せた」

そう。なぜか俺は彼女をとても信頼している。自分でも驚くぐらいに。

「ありがとう。私もアクラさんとなら何でも話せる気がする」

それから、すこし話していると、目の前にケーキとコーヒーがあらわれた。

「うおっ。びっくりした。まさかいきなりあらわれるなんて」

「でも、おいしそう」

「さっそくいただくか」

「うん」

まず俺はコーヒーから飲むことにした。ゲームとは思えないくらい、とてもいい匂いが鼻の奥にはいってくる。一口飲むと口中に豆の香りが広がり、とてもおいしかった。

「おいしい!」

「あぁ、うまい」

二人ともとても満足そうな顔でコーヒーを飲んでいた。

「次はケーキだな」

頼んだケーキは日によって変わるらしい。今日のはいちごのケーキだった。

「これもおいしそうだ」

「ええ。いちごもたくさんのってるしね」

フォークを手に取り、一口サイズに切り、口へ運ぶ。

「おー!これまた絶品」

「とておいしいわ!」


ケーキを食べ終わり、おかわりしたコーヒーを飲んでいた。

「これから、どうするの?」

「うーん、どうしようかな」

正直俺も悩んでいた。今のステータスは120レべル並みに高い。初心者用のクエストだとあまりに面白くない。悩みに悩んだ末に一つだけいいことを思いついた。

「そうだ!マリアさんを手伝おう!」

「え?」

マリアはとても驚いていた。

「だって、マリアさんまだレベル10でしょ?」

「そうだけど」

「レベル上げは一人より二人のほうがいいからね」

「いいの?」

「もちろん!せっかく仲良くなれたんだからもっと一緒にいたいしね」

マリアは頬赤らめ下を向いた。

「やっぱり俺に気があるでしょ」

「ないわ」

即答でしかも真顔で言われガーンと落ち込み、テーブルに頭をうった。

「マリアさん、結構えげつないですね」

「アクラさんがいけないのよ。いきなりそんなこと言うから」

「だってマリアさんが紛らわしいことするからー」

「はいはい、この話はここで終わり」

「もう遅いから私は落ちるね」

そう言われて時計を見ると、もう11時を過ぎていた。

「ほんとだ。じゃあ俺も落ちるわ」

「明日はできる?」

「もちろん」

「じゃあここで集合しましょう」

「わかった」

「じゃあね」

「ちょっとまって」

メニューを開きログアウトボタンを押そうとしているマリアを俺は呼び止めた。

「フレンド登録するの忘れてた」

「ほんとだわ。うっかりしてた」

今じゃどのVRゲームにもあるフレンド機能だ。このゲーム「ソード・ワールド」にもついていた。フレンド登録をするとフレンドがどこにいるかがすぐにわかる便利な機能がついている。

俺はメニューを開き、フレンド登録ボタンを押した。

「よし。これで登録完了だ」

「これでアクラさんがどこにいてもすぐ確認できるわね」

「じゃあ今度こそさよならだね」

「うん。また明日ここで」

俺たちはログアウトボタンを押して現実へ帰った。


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