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私に青春はいらない

私は宮原綾夏。勉強大好き。書道好き。

でも人間嫌い。


青春なんてクソだ

この春私は負けた。


私は一年A組 宮原綾夏 女である。

高校一年生だ。趣味は勉強と書道。小学3年生から書道をやっている私は勉強の息抜きによく字を書いている。


私は中学時代ずっとテストで学年1位を取ってきた。別に天才ではないが、それなりには努力をしたつもりである。

だが、

高校一年一学期の中間テストで私は3位を取った。手を抜いたわけではない。


だから私には目標がある。次のテストで学年1位を取ること。そのために、家でも学校でも毎日勉強している。


ちなみに私には友達はいない。別に友達なんて欲しいと思ったことはないわけで、友達がいないからこそ勉強に集中できる。あとそんなに見た目も悪くないとは思っているが、彼氏もいない。だから言っておく


青春なんてクソだ……


そんな私に ある日 青い春が訪れた。


まあ、いきなり話してもわからないだろうから順を追って話していこう。


4月私は入学した。中間テストで3位を取ってからというもの勉強以外特に何もしていない。入学してから今にかけて学校関係で話したことがあるのは先生だけだった。まあ、先生と話すといってもわからないところを聞くくらいでそれ以外には特に話していないが……


「宮原さん。放課後ちょっと職員室まで来てね。」


「は、はぃ………」


ぼーっとしていた私は初めて先生に呼ばれた。なんだろう?

6時限目が終わり職員室に向かう。


「宮原さん、こっちこっち」


カモンカモンと手を振りながら私を呼んだ。


「ごめんね。急に呼び出したりしちゃって、科目選択のことで………」


あー。私の学校は高校なのに自分で教科を選択するという珍しい学校である。私はコミュニケーション英語、数学1A、地理、生物1、現代文A、古典と書道をとっていた。


「宮原さん、書道取ってましたよね?」


「ああ、まあ、はい。取ってますが…」


「実はね、今年の一年生で書道取ったの宮原さん含めて3人だけなんですよ。まあ2、3年生入れれば10人いるので開講はするんですけど、今年から学年別になったので、3人だけでやってもらうことになりますがいいですか?」


なんだそんなこと。わざわざ聞くことでもない。


「はい。別に人数が多ければいいと言うような教科ではないので構いません。それに………やっぱなんでもありません。」


人がいない方が雑音がないし広いし何よりあまり人と関わりたくないので。と言おうとしたが堪えた。側から見ればこれはただのインキャであり、なんだこいつうざっと思われるのが落ちだ。


「わかりました。では書道の大山先生に申請しておきますね。」

「はい。お願いしm…………」


バタンッッッ


「こらあぁーーー!!逃げるなー!待ちなさーい」


「やーだねーだ。こっちまでおいでーベーロベーロべーっだ」


「はぁはぁはぁ。全く困った生徒だ」


そう言って教頭は校長室に入って行った。さっきのは誰だろう?まあいい。私は他人なんて興味がない。成績さえ良ければ学校なんてどうでもいいのだ。


「ということで、先生帰っていいですか?」


「……あ、はい。ではそうゆうことで。」


家に帰ってから私は早速机に向かった。

次の期末テストでは絶対に1位を取ってやる。


「あやなーご飯できたよー。」


よく間違えられるが綾夏とかいてあやなと読む。あやかではない。


「今日学校どうだった?」


「別に、フツー」


はぁ、毎日毎日どうだったと聞かれても特に答えることがない。親とは一体何を思ってそんな質問をしてくるのか。


んーーーっと。体を伸ばして疲れを取る。とりあえず今日の分は終わった。

まだ11時か……

机の横にかけてある書道道具を手にとっていつも通り字を書いた。

今ハマっている字である。特に意味はない。なんとなく書いたら書きやすかっただけだ。

よし。我ながらに上手くかけた。するとふと、今日職員室から走り出した男の子を思い出した。誰だったんだろう。なんだ私。今日は変だ。いつもならこんなことどうでもいいのに。きっと疲れてるのかな?もう……寝よう。



ピピピピッピピ…バンッッッ!


んー……8時…21分…

え!?ウソ。ウソ。遅刻?まさかこの私が、

人生初の遅刻だ。やばいやばい。そうじゃん今日は親いないのか。身支度を整えて私はすぐに家を出た。何も食べていないからお腹が空いている。が、今はそんなことどうでもいい!このほぼ99%完璧主義である私が寝坊で遅刻なんて…ちなみに1%は中学の時一回だけ消しゴムを忘れたことである。

って今はそんなこと話している場合ではない!とにかく急いで学校にっっ

バンッッッ


「痛っっ…」


何かにぶつかったようだ。


「はーぁ。ったくこれだから凡人は。

どこ見て歩いてんだよ。ボケ。」


そう言いながらぶつかったと思われる人物は私に手を差し出してきた。なんだこいつ。か弱い女の子が転んだのにボケって、何様だし。まあとりあえずその手につかまって起き上がってみたもののこの次なんて言えばいいのか……

よくある青春ドラマだとこの展開は

「あ、ありがとう」と私がいいそれから

から恋が始まる。 のが多いが


だが、あえてこうするのが得策である。


無視


これぞ究極の解決方法だ。相手が誰であろうと無視されれば何も言えまい。それにどうせもう会うこともないのだから。

私は立ち上がってから目も合わせずにその場を走り去った。


帰宅部にしてはよく走ったと褒めてやろう。《自分に》

本来なら徒歩30分の道のりを私は走って25分で完走したのだ。偉いぞ私。


なんとか一時限目には間に合ったようだ。全く今日といい、昨日から少し変だ、私……。


そして何事もなかったように最後の6時限目を迎えた。

今日の6時限目は初の書道である。あまり音を立てずに教室に入った。

長机が3つ教壇を囲むように並んでいる。先生はまだきていない。

あ。窓側の机にうつぶせて寝ている、男子生徒が一名いた。私が席に着いたが顔はあげない。それでいい、めんどいのは嫌いだから。

授業開始までしばらく時間がある。

私もちょっと目を閉じよう。うつぶせた。

バチンッッッ

「イテっ」


「おーい。挨拶もなしに寝るとかお前も変な奴だなー。常識ってもんがねーのか常識ってのが。」


おいおいおい、それはこっちのセリフだ。そもそもなんだ、いきなり半紙を丸めたやつで人の頭たたくやつのどこに常識がある。


「あの、なんなんですか急に。」


「今日はいい天気だね。俺、上條空。よろしくな!」


って聞いてないし…

あ、昨日職員室で見た人だ……

空?


「あ、うん。よろしくお願いします。」


「君名前は?」


「宮原あy……」


「あっそうだ。いいこと考えったー♪」


っておい。名前聞いといて最後まで聞かないとかいちいち気に触るやつ…


「君、俺の友達になれ。」


な。なぜ上から?!


「いや結構です。私友達いらないですから。」


「うっっ……」


私がそう言うと空はうつむいて泣きそうな顔をした。なんだろう。ものすごく困る。罪悪感を感じた。卑怯者め。本来ならその役は女子がやるもので男子の泣き顔を見たところでキュンとなんかしない。卑怯だ


「はぁ。わかりましたよ。勝手にしてください。」


「イエーイ。燃えてきたー!」


って立ち直り早!てか何に燃えるの!?

はぁー。疲れる。これだから人と関わるのは嫌いだ。


「そういや、名前なんだっけ?」


今更?


「さっき言おうとしましたがあなたが聞かなかったんじゃないですか」


「欧米かっ」


え、まってごめんついてけない。どこに欧米の要素があったの?てかそれ使い方ちがくね?ますます疲れる。


「はー。宮原綾夏。あやなでいいです。」


「おーいい名前だ。よしあやなこれからよろしくな!」


「はぁーい」


こうして私は知らぬ間にこいつと友達になっていた。



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