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むかーしむかし、あるところに重症をおった猿がいました
猿は先ほど起こった惨劇を思い出し、震えながら
遠くの山に住む父と母の元へと向かっていました
「ば……化け物が…この山にはおるやあああぁぁぁぁ……
━数日前━
1人で静かに暮らしていた、猿の元に一通の手紙が届いた
『 拝啓、猿殿。お父さんとお母さんはそろそろヤバイ。もう本当ヤバイ。死ぬかも……。
そこでだ、そこの山のどこかにあると噂の【柿】という食べ物を一度食べてみたいんや。頼む!持ってきてちょーだい!』
親元を離れ、1人で暮らしていた猿は
遠く離れた親の所にしばらく帰っていなかった
「そんなヤバイんか……よし、たまには帰るか。いや、ちょ待てよ…」
猿は【柿】を見たことがなかった
噂で『赤っぽいの』と聞いた事があるぐらいで、どんな物なのかわからなかった
「しゃーないな。ちょっと探しに行ってみるか」
猿は山を散歩がてら、柿を探しに行った
(赤っぽいの…赤っぽいの…)
猿が『赤っぽいの』を探していると、前方からカニが歩いて来た
「おう猿コラ!」
「あっカニさんチャース」
カニはどうゆう訳か、この山で派閥をきかせていた
「お前コラ猿コラ~!さっきから何キョロキョロしとんやコラ猿コラ~!」
カニは何を勘違いしてるのか、凄く偉そうに近づいてきました
「あっ、あの~柿って言う物を探してるんです。赤っぽいってのが目印なんすけど……はっっ!」
猿は思った!
『赤っぽい』『柿』
『赤っぽい体』『カニ』
何か似てるやん!ニュアンスごっつ似てるやん!と。
(おいおいまじか、俺、コイツ殺るの?いやいや待て待てちょ待てよ……)
カニが「コラコラ」言ってるのをシカトしながら猿は考えてた
すると、見事なまでに不自然に置かれた
【握り飯】に目がいった
「なんじゃありゃあー」
猿が気付くのに少し遅れてカニも【握り飯】に気付いた
「猿てめぇー、あれは俺がもらーう!!」
お腹がすいてたカニは、ダッシュで握り飯に近付いて行った
しかし、猿もお腹がすいていたのでダッシュした
猿のダッシュにカニが勝てるはずもなく、猿は握り飯の前に着いた
すると、またしても不自然に置かれた【種】が落ちていた
「何の種や?これ…」
種を良く見ると文字が書いてあった
『すぐ美味しい』『凄く美味しい』
(アレか?湯を入れて一分で出来るっちゅうアレか?)
しかし猿は思った
『これは怪しいぞ』と。