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666  作者: EXPO'91
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第一話(7)

トラックの中は天井から電球が1つ下がっているだけで、荷物は何も乗っていなかった。


薄ぼんやりとした明かりの中で、お互いの顔もほとんど見えない。


トラックは途中何度か止まり、そのたびに右折や左折を繰り返した。


どこへ向かうのかは皆目見当もつかない。


やがて隣に座っていた小太りの中年男性が「あんちゃんよぅ」と僕の耳元で囁いた。


「歳はなんぼや?」


「19ですけど…」


どうやら親父は関西人らしかった。


「うちの娘と一緒やな。別れてしもたけど…」


僕は適当に「そうですか」と相づちを打った。


「あの…このトラックってどこへ向かってるんですか?」


親父は「知らん」と首を振った。


「たぶん銀行とかかなぁ…」と横にいた男が言った。


ビジネススーツを着たその男性は、どう見ても会社帰りのサラリーマンのようだった。


「銀行?まさか強盗でもするんじゃないでしょうね?」


僕は、ハハハと作り笑顔で言った。


でも誰も笑わない。


なぜだ…?


つまらない冗談だとは思う。


でも、何で?


誰もツッコミの1つ入れないじゃないか。


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