第一話(14)
僕らが階段を上がると、既に銃撃戦は終わっているようだった。
イケメンが「ありました?」と声をかけ近寄って来る。
他の戦闘員もみんな無事らしい。
あれだけの銃撃戦をして、かすり傷ひとつないなんて…。
「うん。たぶんコレが例のファイル。アイツが来る前に早く逃げた方がいいね」
隊長がそう言って、くるっと背を向けた時だった。
一発の発砲音がフロアに響いた。
隊長の身体がガクッと揺れ、膝から崩れ落ちる。
「え…?」
僕は思わずレーザー銃を抜き、音のした方を撃った。
床に伏せた男の身体がピクンと跳ね、その手から銃が落ちた。
「隊長…!」
隊長に駆け寄って肩に手を掛ける。
隊長の身体が小刻みに震えていた。
「しっかりして下さい、隊長!誰か、救急車を!」
他の戦闘員たちは下を向いたまま何も答えようとしない。
「く…」
隊長が何かをつぶやいた。
「苦しいですかっ?」
「くくく…」
「…え?」
「アーッハッハッハ!」
隊長はおもむろに起き上がると、僕を突き飛ばした。
「この戦闘服はな、防弾加工してあるんだよ!」
「え…ええっ?」
僕は目を丸くして戦闘員たちを見た。
道理であれ程の銃撃戦をくぐり抜けたのに、ピンピンしてるわけだ…。
みんな僕を見て笑っている。
「でもよくやったよ。君、なかなかの射撃の腕じゃないか」
マスクは被っているが、おそらくサラリーマンだろう。
彼は僕の撃った男を指差しながら言った。
「し、死んだんですか?」
「いや、まだ息はある。死んじゃいないみたいだ。たぶん助かるよ」
と、イケメン。
「じゃあ早く逃げましょうよ!」
「そのつもりだったんだけどね…」
隊長は玄関の方を向いて言った。
その声にこれまでにない緊張感がこもる。
僕らの耳に、何処からかバイクの音が響いた。
やがてバイクは玄関の前で止まると、僕らを威圧するかのようにライトで照らす。
「さぁ、正義の味方のお出ましだ」
そう言うと、隊長は颯爽とマシンガンを構えた。




