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666  作者: EXPO'91
14/20

第一話(14)

僕らが階段を上がると、既に銃撃戦は終わっているようだった。


イケメンが「ありました?」と声をかけ近寄って来る。


他の戦闘員もみんな無事らしい。


あれだけの銃撃戦をして、かすり傷ひとつないなんて…。


「うん。たぶんコレが例のファイル。アイツが来る前に早く逃げた方がいいね」


隊長がそう言って、くるっと背を向けた時だった。


一発の発砲音がフロアに響いた。


隊長の身体がガクッと揺れ、膝から崩れ落ちる。



「え…?」


僕は思わずレーザー銃を抜き、音のした方を撃った。


床に伏せた男の身体がピクンと跳ね、その手から銃が落ちた。


「隊長…!」


隊長に駆け寄って肩に手を掛ける。


隊長の身体が小刻みに震えていた。


「しっかりして下さい、隊長!誰か、救急車を!」


他の戦闘員たちは下を向いたまま何も答えようとしない。


「く…」


隊長が何かをつぶやいた。


「苦しいですかっ?」


「くくく…」


「…え?」


「アーッハッハッハ!」


隊長はおもむろに起き上がると、僕を突き飛ばした。


「この戦闘服はな、防弾加工してあるんだよ!」


「え…ええっ?」


僕は目を丸くして戦闘員たちを見た。


道理であれ程の銃撃戦をくぐり抜けたのに、ピンピンしてるわけだ…。


みんな僕を見て笑っている。


「でもよくやったよ。君、なかなかの射撃の腕じゃないか」


マスクは被っているが、おそらくサラリーマンだろう。


彼は僕の撃った男を指差しながら言った。


「し、死んだんですか?」


「いや、まだ息はある。死んじゃいないみたいだ。たぶん助かるよ」


と、イケメン。


「じゃあ早く逃げましょうよ!」


「そのつもりだったんだけどね…」


隊長は玄関の方を向いて言った。


その声にこれまでにない緊張感がこもる。



僕らの耳に、何処からかバイクの音が響いた。


やがてバイクは玄関の前で止まると、僕らを威圧するかのようにライトで照らす。


「さぁ、正義の味方のお出ましだ」


そう言うと、隊長は颯爽とマシンガンを構えた。



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