翼のお仕事 その2
シャトー翼は駅からは遠いが閑静な住宅街にあり、ちょっと凝った外観が人気だった。
ちょっと凝ってしまったので建築費は割高な上にさらにカモられていた。
結果、家賃も高かった。
翼のせいで民度も高く、翼はキモいが住み心地は悪くなかったので収益性もよかったが翼が引越ししてきたり近くに新築マンションが建設されたりでそちらを購入して引越しした住民が複数件いたため空室が一気に増えた。
その上、内見にオーナーが必ずくる上にドタキャンもあり、賃貸業社から嫌煙されていた。
新築当時は満室だったほかの物件にも空きが増えてきて、このままではやばいなと思っていたところにかなえから
「お仕事ちゃんとしないとかなえに会えなくなっちゃうよ!それでもいいの!」
と怒られたので、ドタキャンはやめるようになっていた。
そんなんでも金利上昇と収支悪化は避けられず、物件を購入した担当者(前々職場の上司)が相談にのってくれてとある信金を紹介してくれた。
メインで利用していた銀行担当者と違い、とても親身にかつ有用な提案が出された結果借り換えが決まった。その条件の一つが収益がことさら悪化していたワンルーム1棟の売却して借入を圧縮して収支を改善する策だった。
そのまま物件を購入する時に勤めていた不動産会社に依頼してトントン拍子に話は進み、ついでに子会社の賃貸会社で客づけもしてくれるようになった。
残ったファミリータイプの内見にはオーナー立ち合いをなくしたが、シャトー翼だけは自分も住んでいるので立ち会うことにした。
借り換え後に新任できた銀行の支店長が飛んで来たのはまた別のお話
午前中にいくつか内見するという竹内夫婦はゲイカップルだった。
3年前に同性婚の法案が可決して去年施行された。
長年の愛を育んできた竹内夫婦はまもなく結婚を控え新居を探すべくいろいろ物件を見て回っていた。
今日くる内見客がゲイカップルというのは聞いていたが会ってみると思っていたのを違っていた。
なんというか普通のおっさん二人なのである。
どっちかが目の覚めるような美少年ではないかと翼は勝手に想像していた。
どちらも30オーバーで立派なおっさんに違いない。
苗字の竹内も、これまた3年前に可決された「夫婦別姓および創姓」の法案により竹村さんと内村さんが
それぞれ一文字づつたして竹内にしたらしい。
「内竹だとごろわるいから竹内にしたんですよ」
「内内も候補にあがってたんですけどね」
これが鉄板ネタらしく案内の営業も含めて3人で爆笑していた
ゼ⭕️シーで結婚後に人気の姓ランキング上位が伊集院とか綾小路
半分以上が旦那さんの姓でその次が二人で新しい姓を名乗る、別姓は3番目という世界観です
ちなみに翼に物件売ったやり手上司は変わらず翼と浅く親交がありました。




