翼の夢かなえます
翼の夢はなんだったのか?
幼い頃から結婚して嫁をもらうのはあたりまえだと思っていた
祖母と同居して父親に従順な母親のような嫁
どこにでもいると思っていたし、その気になればいつでも結婚できると思っていた。
周りに聞くと、変な女と結婚すると大変だというし、最近の嫁はわがままらしい
早くに結婚すると損だし、金食い虫をやしなうなんてまっぴらだと本気で思っていた
だから、30後半になっても全然焦らなかったしお見合いがうまくいかなくても自分から断ってるんだと思い込んでいた。(本当は早々に断られていた)
母親のことも内心馬鹿にしていたし、無料の家政婦ぐらいの扱いをしていた。
それでも愛しているからこそいつまでも世話をしてくれると思い込んでいた。
実際は、嫁いびりが趣味の姑と同居させられ、跡取りを産んだからいい暮らしができて末っ子の嫁の癖によかったなと嫌味言われ、息子からも馬鹿にされる。幼い頃は可愛かった息子も日に日にキモくなってきて可愛く思えなくっていった
そんな状況に疲弊していた。
その上、当の息子は全然結婚の気配もなく女腹と馬鹿にされていた兄嫁の子供が男の子を連れて出戻ってきた。姑は初ひ孫に有頂天になり翼に子供ができないなら次の跡取りは悟だと言い始めていた。
長男、長男とおだてられていたのに末っ子に財産を奪われた義理兄(女だからとなにも相続できなかった長女はすでに絶縁済み)はここぞとばかりに夫にせまり「翼に子供がいなければ悟に全財産を遺贈する」という公正証書遺言を書かせた。
姑も一緒になって作成するようにし「それでいいね正恵さん」と有無もいわせなかった。
翼は一生結婚できないだろうし、旦那が死んだら私は無一文でここを追い出される。
そんなことを仲の良い友達に愚痴っていたら紹介されたのが弁護士だった。
翼の母親は配偶者が急死するとすぐさま弁護士と打ち合わせた。
祖母は可愛い息子が死んだ悲しみもあるがこれで跡取りひ孫の悟と暮らせると内心喜んだ。
翼は遺言状の存在を知らなかったので晴天の霹靂だったが、事前に知っていた母親は初七日が終わり遺言状が公表されると大騒ぎになっている間に消えていた。
その後、悟の保護者でるいとこと叔父に弁護士から連絡がきて遺留分の請求が淡々となされた。
しかし、翼には遺留分請求の話は伝わらず、一連の手続きには常に蚊帳の外にだされて気がついた時には住んでいた家は売却が終わっていた。
暮らしていくことはできるが何もなくなった。
これからさき結婚もできないだろうし、面倒見てくれる母親もいなくなってしまった。
それでも希望はあった。
「かなえを身請けしたい!」
世間知らずのぼんぼんが百戦錬磨のキャバクラボーイに叶うわけもなくなんじゃかんじゃと値段が釣り上がったが、それでも新品を買うよりはお安い価格で何よりも翼だけのかなえを手に入れることができた
おめでとう翼きゅん




