第6話
第6話
あ~~。どうしましょう~。どうした物でしょうかねえ?いやね?今日名前が決まったんですよ。まぁ、それは有りがたい事ですから。こう、素直に喜んでいたんですよ。ですがねぇ~。そこで問題発生ですよ。はあ~~。ちょっと回想してみますね。どの辺りが問題なのか分かると思うんで。
「お前の名前は、シルディアナ・ロディウス・ラウル・トラミニアだ。」
母君と一緒に子供部屋に入って来たメタボのおっさんが言った。どなたでしょうか?この方は?まあ、名前を教えてくれてありがとうございます。私が喜びを表してあうあう言っていると、
「喜んでいるな。悩んで考えたかいが有った。」
微笑みながら男性が言った。片手はメリアナの腰に手を添えている。
「ええ。本当に良かったですわ。我が君。良き名をありがとうございます。女児ですが喜んでいただけて良かったですわ。」
メリアナも嬉しそうに微笑みながら言った。腰の手は気にしていないようである。メタボオヤジと美女。間違ってもお似合いではない。あれだな。政略結婚カップルですね。ああ、戦に負けたんでしたね。人質ですか~ そりゃ~、嫌がれませんね。
「その事はすまなかったな。典医長に叱られたよ。妊婦に余計な負担を掛ける事を言うなとな。お前との子ならどちらでも良かったんだ。」
済まなそうな顔をして、本当に後悔をしているようである。妊婦に気を使う事も出来ないとは、ダメオヤジ丸出しでいい所は有るのだろうか。ちょっと心配になる。余計なお世話だろうが。
「まぁ我が君。」
メリアナは頬を染めて恥ずかしそうに俯いた。うん。母君は美しい。それに比べてメタボは・・・
「そうだ。名前の二つは私が考えたんだが、三つ目のラウルは宰相がつけたんだ。宰相はメリアナの後見人だからな。」
「そうなのですか。後でお礼を申し上げなければ。」
「そうだな。名前を付けさせろと五月蠅かったんだよ。私が考えている横で早く決めろと急かしていたんだ。」
「うふふ。目に浮かぶようですわ。」
お二人さん仲が良いようですね。イチャイチャして。それは良いんですよ。ちょっと聞いて下さいよ~
「あぁ~~あ~あ~(ちょっとイイですか~?そのメタいやいや男性は、もしかして父君ですか?)」
「あらあら、不思議そうな顔をしていますね。この方が父君ですよ~。初めてお顔を見ますから戸惑っているんですね。可愛いわ~」
母君。私の言葉、実は分かってるんじゃないですか?母のカンですか?
「メリアナによく似ているな。私に似なくて良かったよ。」
そうですね。その通りですよ。よく分かってるじゃないですかメタボ。せっかくの人生、美人がいいです。
「そんなことありませんわ。あごのラインが良く似ていますわ。」
「そうか?」
まんざらでは無さそうに男性が笑っている。あごのラインってメタボ、肉に埋もれてますよね。あぁ、そんな事はどうでもいいんですよ。あなたが私の父なんですよね?どうしましょうかね。あらあらまあ本当に。どうしましょう。いえね、私これでもラーバレスティヤ一族なんですよ。何が言いたいかと申しますとですね。血縁関係にある人は分かるんですよ。ここまで言えば分かりますよね?はい。ここに父親だっていう人がいます。メタボです。血が繋がっていませーーん。ウッキャーー!は・は・ぎ・みーーー‼ マズイデスヨ。マズイ。え~と。この男性、後宮に入ってこれる男性。こ・く・お・う・様ですよね。何考えてたんですか母君~~!?
いや、でも、うん。何か事情が有るんですよね。あ~。私まだ赤子なのに胃が痛くなりそうです。
「あら?疲れたのかしら。何か興奮しているみたいだったから、名前を頂いて嬉しかったのね。」
「ああ。寝かせておいてやろう。」
2人は、子の心親知らず。という感じに仲睦まじく話しながら部屋を出て行った。シルディアナはぐったりして眠りに入った。その顔は魘されているようにも見え乳母が慌てていたそうな。
てな事が有ったんです。これってバレタラ死刑ですか?何だか生まれたばかりなのに問題多すぎます。ベラはこの事を知っているんでしょうか。早くこの国の事を知らなければいけませんね。死亡フラグを叩き折らねば!私に不可能は有りません。ふふ。こうなったら張り切っていきましょう~
ちょっと短くなりました。すみません。この話は行き当たりばったり噺です。