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第四十四章:堕ちる覚悟

 フィンストリオンの空は、鉛色の雲に覆われ、星の光さえ閉ざされていた。風は冷たく肌を刺し、地には先ほどまで降っていた雨の名残が重く染み渡っている。湿った空気が城の石畳にまとわりつき、静けさの中に、異様な緊張感だけが満ちていた。


 王都の門を越えた野――そこに、紅の甲冑を纏った一人の男が立っていた。長いマントが風に舞い、鋭い視線が昇る陽を睨みつける。

 男の背後には、悪魔軍の兵たちが静かに陣を組んでいた。黒き装束に包まれた兵士、異形の戦士、翼ある飛魔たちが地を覆い、戦の刻を待っている。だが、彼らは一歩も前へ出ようとしない。


 この場が、ただ一人の剣士と、三人の戦士との決闘の舞台であることを、黙して理解していた。

 カイの背に立つクローの隣で、ウイングはゼルフィードを駆り、ラッシュは飛行魔法を纏って宙を滑るように進む。彼らの背後に、フィンストリオンの城壁と、戦いを見守る兵たちの影が静かに揺れていた。


「来たか、ドラゴンナイツの残り火ども」


 重く、低い声が大地を這うように響く。

 天空城ガーデ、最強の男――アルベール・ディルヴァルト。


「勝負だ、アルベール……!」

 クローが叫ぶ。


 その言葉を受けても、アルベールの表情は微動だにしない。ただ剣を抜き、地を踏みしめた。

 そして、戦端が――開かれた。


***


 号令とともに、クローとウイングは飛竜を駆り、ラッシュは光の軌跡を描いて空を裂く――三つの意志が、鋭くアルベールへと突き刺さった。

ゼルフィードが旋回し、風の槍を鋭く射出。ラッシュは飛行魔法で一気に接近、クローはカイの背から真っ直ぐに突撃する。


「囲むぞ!一気に崩す!」


 だが。


「――愚か者め」

 アルベールの声が風を裂いた。瞬間、彼の剣が赤い稲妻のように閃く。


 ゼルフィードの槍が受け止められる間もなく逸らされ、ラッシュの突進が逆に叩き落とされる。クローの爪が届く前に、赤黒の斬撃がカイの片翼を掠めた。


「ぐっ……!」

 重さも速さも桁違い。一振り一振りが、命を断ち切るために鍛え抜かれた“戦の本質”そのものだった。


「お前たちでは……届かなかったようだな」

 冷徹な声とともに、紅の剣が再び宙を舞う。


 ラッシュのレイピアが吹き飛び、カイが地を蹴って後退する。

 ウイングが風の加速で間を詰め、槍を突き出すその瞬間にもすでにアルベールの剣が回り込んでいた。


「くそっ……!」

 ゼルフィードとともに後退し、クローとラッシュが並び立つ。


「三人がかりで、全然押せない……っ!」

 クローの拳が震える。


 ブレインを斬った男。その力量が、今、全身に突き刺さるように痛感されていた。


「もう一度、仕掛ける……!」

 息を整えるラッシュの声。しかし、その瞬間。


 ――アルベールが動いた。

 地を抉るような踏み込み。瞬きすら許さぬ速さ。一撃、また一撃。鋼が、骨が、意思ごと叩き潰されるような斬撃の連打。

 ラッシュの防御が追いつかず、肩を裂かれる。ウイングの槍が弾かれ、風の加速が空振りする。


「っ……やばい。このままじゃ、また、仲間が斬られる……!」

  クローは奥歯を噛みしめ、カイの背から飛び出した。爪に炎を集中させ、アルベールめがけて一直線に突っ込む。


「くっそおおおッ!」

 吼えるように斬りかかるが――


「……雑だな」

 アルベールが一閃。紅の斬撃が空気を切り裂き、カイの脇腹が抉られた。


「カイッ!」

 クローの身体も吹き飛ばされ、地に叩きつけられる。視界が揺れる中、崩れ落ちるラッシュが見えた。そのすぐ横、ウイングもまた、瓦礫の山に叩き込まれていた。

 仲間が、次々と地に沈んでいく。


「ここまできて……終わってしまうのか。」

 震える手を地面につきながら、クローは空を仰いだ。カイが呻き、傷口から蒸気のように炎が漏れている。



 そして――

 心に、あの声が蘇った。



 ーーそれを使えば、お前は自分を見失うーー



「リューガ……」

 クローは唇を噛んだ。


 恐怖か、怒りか、それとも後悔か――わからない。ただ一つ、胸の奥が焼けるように熱い。


(だが、もう……これしかないんだ)

 カイが、低く、しかし確かな声で鳴いた。その目は、ただ“選んでくれ”と静かに訴えていた。


「カイ……ごめん。俺は――選ぶよ」

 闇が、地を割るように溢れ出す。クローの身体を黒い瘴気が包み、目が紅に染まった。

 爪が伸び、肩から広がる漆黒の魔力が翼のように蠢く。


 それは、ドラゴンナイツに背を向ける力。かつて、止められた“禁忌”の力――


 デビルナイツ。


「……壊れるってんなら、それでもいい。

 あいつを倒すためなら――俺は、何にでもなってやる!」

 その言葉とともに、空が震えた。



 フィンストリオンの空が――崩れた。

リューガ「やめるんだクロー!カイと竜魂共鳴している状態でデビルナイツの力を使えばどうなるか!」

アルゼ「そうです!やめるのです!」

リューガ「クロー!!!………ところで、どうしてここ(意識の中)に、ディスプレイが………。」

アルゼ「4Kモニターです!」

リューガ「そういうのは別に聞いてなかったです」

アルゼ「意識失ってても外界の様子って気になるじゃないですか。ですので」

リューガ「ですので、て」

ファング「いいじゃないか、便利で」

リューガ「ファ、ファング?!!」

フレイム「そうね、100型の大画面だし、見やすい!」

フロスト「見てください、チャンネル変えると違うところも見れます」

ボルト「ちょっと前ごめんよ!円卓テーブル持ってきたぜ」

シールド「茶菓子と飲み物もあるぞ」

ファング「コーヒーくれる?」

リューガ「姫……?何か、死んだ人達(ファング小隊)がいるんだけど……?!」

アルゼ「ああ〜……。お茶の間みたいになっちゃいましたね!クスッ」



ーーーーーーーー貴女さっきから全然、私の質問に答えてないんですが?!!

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