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第三十九章:メルク砂漠の死闘!影の祭壇に至る道

 砂の大地が、昇りはじめた太陽に照らされ、白く眩く輝いていた。

 視界のすべてが波打つ熱気に揺れ、乾いた風が、四人の旅人たちのマントを翻す。


「……これが、メルク砂漠か」

 ウイングが額の汗をぬぐいながら、じりじりと照りつける陽射しに目を細める。


「砂しかないな。見渡す限り、金色の海ってやつだ」

 クローがアーマードワイバーンのカイの背から辺りを見渡す。後方では、ゼルフィードとヴァルハイトが、灼熱の風に翼を震わせていた。


 ブレインは荷を再調整しながら、アルバクス(ラクダと獅子の混種)に乗るラッシュへと目を向ける。


「……ここに本当に“影の祭壇”があるのか? 地図にも載っていないし、目印らしいものも見当たらない」


「影の祭壇は、“正しき者”にしか辿り着けない。封印の書にはそう記されていた」

 ラッシュは迷いのない口調で答えた。


「“影が導く者に、理を破る鍵が与えられる”……だったよな」

 クローが鞄から手帳を取り出し、黄ばんだページを指でなぞりながら呟く。


「“理”ってのは……ウロボロジアの“不死”のことだよな」

「そう。時間を巻き戻すことで死を拒む、それがやつの“理”。……その根本を断つには、この祭壇の力が必要だ」



 一行が砂丘の影に差しかかったその時だった。

 突如として空気が変わる。


 冷たく、鋭い――まるで喉元に刃を突きつけられたかのような殺気が、どこからともなく吹き込んできた。


「何か来るぞ!」

 ブレインが即座に剣を抜き、身構える。


 砂煙の向こうに浮かび上がったのは、黒いローブに身を包んだ異形の影たち。

 その中央に立つのは、銀の髪を三つ編みに編み込んだ異様な男。

 その手に握られた長槍は、まるで血と呪いを吸ったかのように、赤黒く濁った光を放っていた。


「……逆理の鍵(パラドクスキー)を狙ってきたか。ウロボロジアの使徒……」

 ラッシュが憎悪を噛み殺すように呟き、歯を食いしばる。


「討つしかねぇってことだな!」

 クローがカイの背から跳び降り、爪を地に突き立てた。鋼の飛竜が唸りを上げて跳ね上がる。


「ゼルフィード!」

 ウイングが名を呼ぶと、風が巻き起こる。

「ヴァルハイト!」

 ブレインの声に応え、光の魔紋が剣に刻まれた。砂漠の静寂が破られた。



 クローはカイとともに地面を裂いて突撃。飛竜の咆哮が前衛の影兵を吹き飛ばす。

 クローの爪が、黒衣の者たちの身体を引き裂き、砂に血のような黒煙が舞い散った。


 空を駆けたウイングはゼルフィードの背と一体化するように旋回し、身体を風に溶かす。

 風の槍が閃き、空中から鋭く刺突を放つ。

「下がってろ……俺の射線に入るなよ!」


 ブレインは冷静に敵の陣形を見定め、隊列の中心――槍を持った指揮官の元へと歩を進める。


「闇が相手なら、俺の光の剣が効果的だ」

「よし、支援する!」

 背後から、ラッシュの声が響く。


 彼女は剣を構えるブレインの足元、敵との中間に向けて手をかざし、素早く指先で空間に小さな魔法陣を描いた。敵の目元に閃光が炸裂する。

 魔力の閃きは、瞬間的に視界を焼き、相手の動きをほんの一拍だけ遅らせた。


 ブレインはその隙を逃さず、踏み込む。太陽の反射を受けた白銀の刃が煌めく。


「一閃!!」


 光の刃が赤黒い槍ごと敵の身体を貫き、鈍い音とともに魔の血が弾け飛ぶ。

 黒き霧が吹き出し、指揮官の姿が崩れ落ちていった。


「……仕留めたか。」

ブレインが静かに剣を納める。


「やったぜ。ん? ウイング、どうした?」


 ウイングは敵の指揮官だった影に近づき、何か思い耽っていた。その指揮官はブレインの一撃を喰らい、徐々に体が散り散りになり、そして不適な笑みを浮かべたまま消滅した。


「……ああ、いや。何でもない」

(あの指揮官……。ローブと影で顔がよく見えなかったが……。いや、まさかな。)


 その時、カイが低く唸り、視線を自分の足元へと落とした。

 戦いの余韻が残る中、突如、地面に影が走る。


「クロー、下だ」


 次の瞬間、砂塵舞うメルク砂漠の真ん中で、黒曜石の石柱が、砂の海を割るように浮上してきた。

 表面には、逆巻く蛇を象ったような文様――“パラドクス”の印がくっきりと刻まれている。


「見つけた……間違いない、これだ」

 ラッシュが風に靡くマントを抑えながら、砂上に手をかざす。すると、魔力に反応するかのように、古びた魔法陣が砂の中から浮かび上がる。


「これが……“影の祭壇”の封印装置。フィンストリオンの記録にあった通りだな……開けるぞ!」

 ラッシュのレイピアに組み込まれた魔結晶が、低く澄んだ音を響かせた。


 ――そして、静かに大地が揺れる。

 黒曜石の石柱がさらにせり上がり、地面に隠されていた階段が音もなくその姿を現す。

 その階段は、まるで影を孕むように深く――地の底へと続いていた。


「……すげぇ……」

 クローが、呆然とした声を漏らす。


「ここから先は記録がない。だが、進むべき道はもう見えてる。さあ行こうか」

 ラッシュが振り返り、ふっと微笑む。その表情に、仲間たちの緊張が少し和らぐ。


「ラッシュの度胸はドラゴンナイツの誰よりも上だな。」

「さすがフィンストリオンの騎士団長。」

「行こう。これが――最後の“鍵”を手に入れる道だ。」

クロー「危険な所にも、すげえサクサク進んでいくな。フィンストリオンの騎士団長って行動的なんだな」

ラッシュ「んん、いや。以前、フィンストリオンを離れて一度、旅に出たことがあってな。」

ウイング「なるほど、神経の図太さは旅で身につけたってわけか」

ラッシュ「女性に対して図太いはないだろう。」

ウイング「ああ、すまない。ラッシュと話してると女性と話してる気がしなくてね」

ラッシュ「まあ、女を隠しての旅だったから、それも仕方ないことか。少しは大人しくありたいものだが」

ブレイン「うちの姫も見習ってほしいものだ」

アルゼ「えへっ!そうですね!」

レヴァ「何してるの先に行くわよ!」


ーーーーーーーーー姫が増えたぞぉぉぉぉぉぉ!!!

ーーーーーーーーーーーーー帰ってくれぇぇぇぇ!!!!

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