第三十四話: ヴェルランディア防衛戦、終結!
戦場に響いていた激しい金属音が、ゆっくりと消えていく。
悪魔軍は、指揮官グルオムを失ったことで完全に統制を失い、次々と撤退を始めていた。
「……終わったのか?」
クロー (颯太)は荒い息をつきながら、燃え尽きたグルオムの残骸を見つめる。
「……そうみたいね。敵は戦意を喪失してる。あとは掃討するだけ。」
ティアー (ヴァニット)が大鎌を肩に担ぎ、戦場を見渡した。
「ふうっ、何とか押し返してやったな!」
ウイング (ロークス)が槍を地面につきながら、安堵の表情を浮かべる。
「ああ。よくやったぞ、ウイング、ティアー、ハート、そしてクロー。」
ブレイン (リューガ)も剣を収め、静かに頷いた。
「ヴェルランディア軍、敵の残党を掃討しろ!」
ラナ・ゴールド・ラッシュがフィンストリオン騎士団を指揮し、残る悪魔兵を一掃していく。
「……ふっ、ドラゴンナイツってのは素晴らしい騎士だな。飛竜頼りの小隊と聞いていたがとんでもない、良い戦いぶりだった。」
ラッシュの視線がブレインに向けられる。
「あなたが……ドラゴンナイツの指揮官でよいか?」
「はい、私はリューガ・デイン。ナイツではブレインと申します。ドラゴンナイツの現リーダーです。(銀色の髪に、褐色の肌のエルフ…)そちらはフィンストリオンの騎士団長、ラナ・ゴールド・ラッシュ殿ですね。あなたの名は前リーダー、ドラゴン・ホーンから聞いていました。今回のご助勢、心より感謝いたします!」
「かしこまった言葉は使わなくていいです、リューガ殿。私のこともラッシュと呼んでくれ。同盟国同士、当然のことをしたまでだ。……それで、貴方たちは異世界からの戦士を召喚した、と聞いたのだが。」
すると、ラッシュはクローを見つめる。
「お前がそうだな?」
「ああ、そうだけど……?」
クローが戸惑いながら答えると、ラッシュは腕を組み考え込むように呟いた。
「やはり……。名は、クローだったか? あんな化け物みたいな悪魔を倒すなんて、大したものだ。」
「……あ、ああ。……まあ」
クローはまだ実感が湧かないまま、力なく頷いた。
「クロー、お前たちは城内に戻って休んでいろ。ここからは俺たちが処理する」
そう言い残し、ラッシュはブレインと共に敵の残党狩りへと向かって行った。
***
「そうだ……柚希!」
クローはリンドに乗ったハート (柚希)に駆け寄った。
「颯太……!」
ハートは飛竜から降りると、クローの前に立つ。
そして――
「もう……心配かけさせて……。」
彼女はクローの胸に飛び込んできた。
「……こっちのセリフだ。」
「無事で……よかった……。」
「お前こそ……ずっと寝てたんだぞ、もう起きてこないのかと……。」
しばらくの間、二人は静かに抱きしめ合っていた。そこにヴァニットが飛来してくる。
「……ハート。体は大丈夫なのか?」
「ヴァニット……!うん……まだ少しふらつくけど……でも、もう平気!ヴァニットもありがとう、私のお願いを聞いてくれて、一緒に戦ってくれていたんだね。」
「うん、まあね……あ……。」
ハートは微笑みながらティアーに近づきクローと同じように抱きしめた。ハートとの再会と感触にティアーの心に暖かな感情が湧いてくる。ティアーは驚いたが、そっと彼女の背中に手を回す。
「そうか……。お前たちは、組み付くと嬉しいから組み付くんだな……。」
「嬉しいから抱きしめるのよ……。でもそれもあるけど、一番はそれがとても大切なものだからっていうのが理由かな……。」
「大切なもの、か……?」
ティアーにはまだそれがよくわかっていないようだったが、いつかこの気持ちをわかってくれる日が来るだろう。そう思い、ハートはヴァニットの頭を軽く撫でた。
戦いは終わった。
ヴェルランディアは守られた。フィンストリオン騎士団の援護もあり、悪魔軍は完全に撤退した。
***
一刻ののち、ヴェルランディアの王座の間に、アルゼリーテ姫、と他、幹部、ドラゴンナイツ、そしてフィンストリオン騎士団長ラッシュと数名の騎士たちが集結していた。
「……今回の防衛戦は成功しました。しかし、これは終わりではありません。天空城ガーデ、そして“ウロボロジア”という存在が、未だに脅威として残っている以上、戦いは続きます。」
アルゼリーテ姫が厳かな口調で語る。
「ウロボロジア……?」
その名を聞いた瞬間、ラッシュが眉をひそめた。
「天空城を支配しているのはウロボロジアというのか。その名前なら、私も聞いたことがある。」
「本当か?」
クローが前のめりに身を乗り出す。
「ああ、名前だけではあったが…。だが、フィンストリオンの王宮図書館には、古代の文献が大量に保管されている。その中に、“ウロボロジア”についての記述があったはずだ。」
「それは重要な情報だな。ならば、俺たちはフィンストリオンへ向かい、その記録を調べる必要がある。」
ブレインが腕を組みながら頷いた。
「フィンストリオンの騎士団は、ヴェルランディアの警護に残します。ドラゴンナイツがほぼ壊滅した今、この国の防衛力は不安定だと思っておりました。敵が再び攻めてくる可能性もありますし、ここで戦力を強化するのが最善の策だろうと考えております。」
ラッシュが真剣な表情で言う。
「よろしいのですか?」
「これは我がフィンストリオンの姫君のご命令に従ったものです。どうぞご安心の上、お任せください。」
「ありがとうございます、ラッシュ様。」
アルゼリーテ姫が感謝を述べると、ラッシュは一礼する。
「そして、ドラゴンナイツがフィンストリオンの王宮図書館へ向かうならば、私が同行しよう。騎士団長である私が同行すれば、王宮への交渉もスムーズに進むだろうし……。」
ラッシュはニヤリと笑う。
「ただ待っているのは性分ではないのでな。」
「黙ってるのが退屈だってんだろ?あっちが本音なんじゃねぇか?」
ウイングが小さな声で話しかける、クローは苦笑し、肩をすくめた。
会議の途中、ハートが静かに口を開いた。
「……私は……」
少し躊躇いながらも、ハートは意を決したように言葉を続ける。
「私は……フィンストリオンには行けない。」
「え?」
クローが驚いて振り向く。
「私は……まだ戦う覚悟ができていないの。みんなを助けるために戦場に戻ったけど……本当は剣を振るうことも、誰かを傷つけることも……。でも、それでも私は……。」
ハートは俯きながら、膝の上でぎゅっと拳を握りしめた。
「私は、本当にこのままでいいのか分からない。」
その言葉に、会議室の空気が少し張り詰めた。
クローは何かを言おうとしたが、言葉を探しているようだった。
すると、静かに腕を組んでいたブレインが口を開いた。
「……なら、もう一度“自分を見つめ直す”時間を作るべきだな。」
「え……?」
ハートがブレインを見上げる。
「実はハートが寝ている間に、俺たちは“竜の墓所”というところで試練を受け、己と向き合ったのだ。そこで、俺たちは自身の使命を再確認し、力を得た。」
「……。」
「お前も、竜の墓所へ向かってみるといい。そこで自分の心と向き合い、何をすべきかを考えるんだ。」
ハートはしばらく黙っていたが、ゆっくりと頷いた。
「……分かった。私は、竜の墓所へ行く。」
「そうか。試練は心に強く語りかけてくるが、ハートならきっと乗り越えられるはずだ。良き答えに辿り着けることを祈っている」
クローはハートの決意を見つめながら、静かに微笑んだ。
「俺も、柚希の答えが見つかるまで待ってるから。」
「ありがとう、颯太。」
ハートは小さく微笑んだ。
「それなら、ヴァニットもまだ試練を受けれていないし、場所は知っているだろうから一緒に行ってくればいいんじゃないか?」
ウイングがいつもの軽口で言う。
「私は受けれないって言われただろ。」
「違う、ソウルリベレーションの儀式がすんでいないって言ってたんだ。条件が整ってなかっただけだ。」
「だが、私に飛竜はいないし……。」
ティアーが曇った表情で呟くと、アルゼリーテ姫が前に出た。
「ごめんなさいヴァニット、あなたの飛竜選びに時間がかかってしまっていたのです。そして、あなたにはリンドの姉妹である“アズール”を授けます。」
「……アズール?」
ヴァニットが目を丸くする。
「リンドと同じ血を引く優れた飛竜です。きっとあなたと息が合うと思います。」
「……ふん、ハートの竜の姉妹か……悪くないわ。」
ヴァニットは興味深そうに頷いた。
こうして会議は終わり、一区切りがついた。そして、静かな夜を迎えた。
ラッシュ「クロー、お前が異世界人だな?」
クロー「ああ、そうだけど……?」
ラッシュ「やはりか……。フィンストリオンでも以前、異世界の者を召喚したことがあってな。」
クロー「な、何だって?!一体どんな人だったんだ!!」
・「ラッシュ、オレは君が男でも一向にかまわない、そういうことだ」
・「ラッシュ、胸が多少小さくても問題ない、それは個性だ。気にするな。」
ラッシュ「(気にしとらんわぁ!)うぉおおおおお!!!あの野郎!!ぶっころしてやーーーー!!!」
クロー「ラ、ラッシュさーん?!!!」
ハート「嬉しいから抱きしめるのよ……。でもそれもあるけど、一番はそれがとても大切なものだからっていうのが理由かな……。」
ヴァニット「そーなのかー。そういえば、ウイングとクローも組み合ってたぞ!(私とブレインもだが)」
ハート「ぶっはひゃっ!(流血)」
ヴァニット「クロー!ハートが鼻から大量の血をっ!しぬのか!」
クロー「大丈夫だヴァニット、これは正常だ。…………腐ってはいるがなっ!」
ヴァニット「腐敗しているのかっ!」
ヴァニット「アズールだって!アズールだって!」
ウイング「良かったなヴァニット」
ハート「しっかりお世話するのよ?できる?ヴァニット」
ヴァニット「うん!ヴァ二!いっぱいお世話する!」
ローラン「………………………。」
クロー「はっ!」
ウイング「はっ!」
ヴァニット「あっ!」
ーーーーーーーーーーー何か今回、ネタが豊富すぎませんか?!楽しくなってきましたね!
ーーーーーーーーーーーーーもうヤダこの国。どんどんお笑い要素入れてくる…………。




