第三十二話: 光の奇跡!ヴェルランディア防衛戦、最終局面へ
戦場に、まばゆい光が降り注いだ。その光は闇に沈みかけていたヴェルランディアの地を照らし、悪魔の軍勢を押し返していく。戦いに疲弊していた兵士たちは、その温かな光に包まれると、驚きと安堵の表情を浮かべた。
「この光……」
クローが空を仰ぐと、そこには黄金に輝く飛竜リンドが翼を広げ、戦場へと降り立っていた。その背には、一人の少女――ドラゴンナイツの鎧を纏ったハート (柚希)の姿があった。
「柚希……!!」
彼の声に応えるように、少女は静かに微笑み、手をかざした。
「颯太……。」
ハートの声は、戦場の喧騒を突き抜けるように響く。その手のひらから、柔らかな輝きが溢れ、ヴェルランディアの兵士たちを包み込んでいく。
「光よ……戦場に癒しと力を!」
輝きは、傷ついた者たちを癒し、倒れかけていた兵士たちに新たな力を与えていく。剣を支える腕に、もう一度力が戻る。今にも崩れそうだった者たちが、再び立ち上がり、互いに顔を見合わせる。
「……力が、戻ってきた……!」
驚きと共に、兵士たちの間に活気が戻った。彼らは剣を握り直し、戦う意志を新たにする。
「まだ戦える……いや、戦わなければならない!」
傷だらけの兵士たちが再び立ち上がり、剣を握りしめる。
「負けるな! 今こそ反撃だ!」
指揮官の叫びに、兵士たちの士気が大きく上がる。彼らは再び陣形を立て直し、悪魔の軍勢に向かって進み始めた。
***
ブレインとウイングもその光の波を感じていた。
「この感じはあの時の光、ハートなのか!?……まったく、驚かされるな。」
彼は一度、空を見上げてから剣を持ち直し、周囲の兵士たちに声をかけた。
「まだ戦える者は、俺について来い! 今なら押し返せる!」
「了解!」
兵士たちがブレインの指示に従い、一斉に動き出す。ブレインは光を背にしながら、最前線へと駆けていった。
ウイングは槍を構えながら周囲を見渡す。彼は光に照らされた戦場を見つめながら、ふっと小さく笑う。
「こんなことができるのはハートに違いない……よく帰ってきてくれたぜ。なら俺も!」
彼はそう呟くと、すぐに戦場へと飛び込んだ。槍を軽々と操りながら、悪魔兵たちを次々と倒していく。
「ウイング、援護するぞ!」
ブレインが叫ぶと、ウイングは軽く頷いた。槍と剣が交差し、二人は息の合った動きで敵を斬り伏せていった。
***
その光に照らされながらも、グルオムは不快そうに目を細めた。
「フン、くだらん奇跡だな」
彼は肩を回しながら、余裕の表情を浮かべる。まるで目の前で起こっている変化など、大したことではないとでも言いたげだった。
「戦場の流れを変えるほどの力じゃない……!」
彼の声が響いた次の瞬間、重い足音が大地を震わせた。グルオムは大きく跳躍し、その巨体に見合わぬほどの速さで空へと舞い上がる。
彼の目的は一つ。光の源であるハート。
狙いを定めたグルオムは、戦斧を振り上げ、一直線に彼女へと迫る。
「柚希!!」
クローの叫びが戦場に響く。
しかし、グルオムの突進は速い。クローが駆け出しても、ハートが飛竜を操って逃れようとしても間に合わない。
その時――
「甘いわね」
低く冷ややかな声が響いた瞬間、グルオムの動きが止まる。彼の肩には、黒い刃が深く食い込んでいた。
それは、ティアーの大鎌だった。
彼女は迷いなく宙を舞い、巧みに刃を操りながら、一瞬の隙も逃さずグルオムの突撃を断ち切ったのだ。
「ぐおっ……!?」
グルオムは距離を取り、傷口に手を当てながら舌打ちする。
「……フン、邪魔をするか」
「当然でしょ」
ティアーは大鎌を肩に担ぎ、軽く息を整えると、クローに視線を向けた。
「……クロー、お前がハートを守れ。」
命令のような口調だったが、その声にはどこか 期待 のようなものが滲んでいた。
クローは、そんなティアーの表情を読もうとしたが、すぐに戦場へと意識を戻す。
「……言われなくても分かってる。」
ティアーはわずかに口の端を持ち上げるが、それ以上何も言わない。ただ、戦場の向こうを見据えながら、大鎌を握り直した。
***
その時。戦場の反対側で新たな騎馬隊が姿を現した。
それは隣国の友、フィンストリオン騎士団。戦場に現れた彼らは、一直線に悪魔軍の側面へと突撃を開始する。
「待たせてすまない!ヴェルランディアの諸君、援護する!」
先頭を駆けるのは、銀色のレイピアを翻すラナ・ゴールド・ラッシュ。彼女は鋭い視線を悪魔軍に向け、馬上から命令を下す。
「全軍、前進! この戦争を終わらせるぞ!」
彼女の号令と共に、フィンストリオンの騎士たちが槍を構え突撃する。悪魔軍の側面を突かれたことで敵の隊列が乱れ、指揮が混乱する。
「ちっ……厄介な連中が来たな」
グルオムは忌々しそうに顔を歪めた。その一瞬の隙をクローは見逃さなかった。彼は炎の爪を構え、低く身を沈める。
「……決着をつけるぞ!!」
迷いなく踏み込むと、彼の体が勢いよく前へと放たれる。グルオムもすぐに態勢を立て直し、戦斧を振りかざした。
火花が散る。
クローの爪とグルオムの斧が、戦場の中央でぶつかり合った。
クロー「柚希……なのか………」
ハート「そうよ、颯太……(ピカァーーー)」
ヴァニット「ハート………。ずっと光ってる………。」
クロー「眩しい。………光量を落とすことはできないのか?」
ハート「………止まんない…………でも。」
クロー「………?」
ハート「上げることはできる、光よ!(ピカピカピカァーーーーー)」
クロー「上げなくていい!上げなくていい!」
悪魔「アァーーーーー!熱ィィーーーー!!!」
クロー「おおっ!だけど、悪魔たちには効果絶大だ!浄化されていく!」
ヴァニット「あっちぃーーーーーーーー!!!」
クロー「しまった!ヴァニットも浄化されていく!!!やめてくれ柚希ぃぃぃぃ!!!」
ーーーーーーーーーーおぁあああああああーーーーっ!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーなあ、姫浄化されてね?!!




