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第二十五話: 試練への導き

 長く続く戦いの末、クローたちは天空の祭壇を離れ、ヴェルランディア城へと向かっていた。


 戦いの疲れを引きずる体に、冷たい風が吹きつける。飛竜たちもまた、満身創痍の状態だったが、それでも彼らは主を背に乗せ、夜空を駆け続けた。

 クローはカイの背に座りながら、眠ったままのハートをしっかりと抱えていた。彼女の顔は静かで、戦場で見せていた強さとはかけ離れた、儚げなものだった。


***


 ヴァニットは無言で飛行し、視線を誰とも合わせようとはしなかった。彼女の背中にある鎌が、未だ禍々しい雰囲気を放っている。


「……ヴァニット、その、大丈夫か?」

 クローが声をかけると、ヴァニットは僅かに目を伏せた。


「……別に。あんたたちと一緒にいるってだけで、何か落ち着かないだけ。」


「そりゃ、そうか。」

 クローは苦笑しながら、改めてヴァニットを見た。


 ドラゴンナイツの鎧を纏っているとはいえ、彼女が長年戦ってきた悪魔軍の一員だったという事実は変わらない。ヴェルランディアの人々に受け入れられるはずもなく、彼女が孤立することは目に見えていた。


「まぁ、ついてきてくれただけで十分だよ。」

 クローはそう言うと、前を見据えた。


「さて……俺たちの帰還を、ヴェルランディアの皆がどう受け止めるか、だな。」


***


 ヴェルランディア城へと帰還したクローたちは、アルゼリーテ姫の前に通された。

 広間の中央、玉座に座るアルゼリーテ姫は、彼らを見てホッとした表情を浮かべる。


「ブレイン、ウイング、クロー……無事だったのですね。」

 その言葉にクローたちは深く頭を下げた。しかし、次の言葉は決して良い報告ではなかった。


「……天空城への進軍は、失敗しました。」

 その一言が広間に重く響いた。


「ドラゴンナイツは……ほぼ全滅です。」

 姫の表情が驚愕に染まる。周囲の臣下たちも、ざわめき始めた。


「まさか……そんな……。」


 ブレインが一歩進み出て、重い口を開く。

「天空城ガーデを支配していたのは、“ウロボロジア”という名の存在でした。奴は……ただの王ではない。混沌そのものです。」


 その名を口にした瞬間、広間の空気が凍りついた。


「ウロボロジア……?」

 アルゼリーテ姫が小さく呟いた。


 ブレインが苦しげに続ける。

「……私たちは、奴の圧倒的な力の前に、何もできなかった。天空島は完全に奴の支配下にあり、そして、私たちは……道を閉ざされ、再び天空城に挑む術すら見つかっていません。」


 姫はしばらく沈黙した後、静かに口を開いた。

「……それほどの敵に、どう立ち向かうべきか。」


 その問いに、クローは強く拳を握りしめる。

「(……俺たちが、もっと強くなるしかない……。今までの訓練ではダメなんだ。だが、その方法が……。)」



「姫様。」


 その時、側近の一人が進み出た。

「かつて、ヴェルランディアの古い記録に、“試練”の記述がありました。」


「試練……?」

「はい。伝説によれば、かつてのドラゴンナイツがある場所で試練を受け、強力な力を得たとされています。」


「それはどこに?!」

 クローが食い気味に尋ねる。


 側近は少し言葉を選びながら答えた。

「……“竜の墓所”と呼ばれる場所です。」


「竜の墓所……?死竜の谷とは違うところなのか?」

 ウイングが眉をひそめる。


「それは、かつて偉大な飛竜たちが眠る場所。そして、彼らと共に戦ったナイツの魂が宿る地です。」

 姫が静かに言葉を重ねる。


「……そこに行けば、俺たちは……強くなれるんですか?!」

 クローの問いに、アルゼリーテ姫は真剣な眼差しで頷いた。


「ええ。しかし、そこに待つのは“試練”です。それを乗り越えられなければ、決して力を得ることはできません。」


 クローは改めて拳を握りしめた。

「……行くしかないな。」


***


 話が終わると、ヴェルランディアの人々の視線が、ある一点に集中した。


 ヴァニットだ。


 彼女は静かに立っていたが、その表情はどこか険しい。城の者たちは、彼女を見るなり怯え、ある者は剣に手を伸ばした。


「……なぜ、奴がここに?」「敵の幹部ではないか……」


 ざわめきが広がる。


「ヴァニットは、今は俺たちの仲間です。この鎧を見てほしい、彼女は魂の解放(ソウルリベレーション)の光の中で、ドラゴンナイツになったんです。もう、俺たちの敵ではないんです!」

 クローが強く宣言すると、広間のざわめきはさらに大きくなる。


「ですが……!その者は我々に牙を…………。」

 側近の一人が進み出るが、アルゼリーテ姫が手を上げて制止する。


「……クロー、ヴァニットをどうするつもりですか?」


 クローはヴァニットを横目で見た。

 彼女は……何も言わなかった。だが、その目には、どこか迷いが浮かんでいた。

 クローはゆっくりと口を開いた。


「ハートがヴァニットのことを頼むって言ったんだ。だから、俺が面倒を見ます!何かあったとしても責任はすべて俺がとります!」


 ヴァニットが驚いたように顔を上げる。

「……お前、何勝手に決めている……。」


「行く場所はないし、居づらい環境なのは分かっているからな。それに俺たちはどこか似てるんだと思う。柚希も言ってただろう?俺たちは分かり合えるんだって。だから……俺の側にいろヴァニット」

 クローはそう言って微笑んだ。



 ヴァニットは一瞬、言葉を失った。

アルゼ「ブレイン、ウイング、クロー……無事だったのですね。」

ブレイン「……天空城への進軍は、失敗しました。ドラゴンナイツは……ほぼ全滅です。」

アルゼ「まさか……そんな……。というより、全部知ってます。」

ブレイン「でしょうね、ずっとこっちいましたものね。今、貴女、私たちと一緒に歩いてきて玉座座りましたね。」

アルゼ「もう茶番にしか見えないですね」

ブレイン「誰のせいだと思ってるんですか!もう、やめてもらえますか?付いてくるの。この後書きのせいで熱いバトルシーンとか感動シーンとか全部ぶち壊しになってるんですよ。わかりましたね!」

アルゼ「ーーーーーーーーからのぉ?」



ーーーーーーーーからの、はない!!

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