第二十二話: 闇と光の狭間(プロローグ回収章)
雷が轟き、その猛烈な音が空を揺るがした。この天の怒りは、戦いをさらに激化させ、戦士たちの間での衝突をより混沌としたものに変えていった。
その漆黒の空を背景に、ヴァニットは一人、天空城の尖塔に佇んでいた。雨は止むことなく降り注ぎ、雷鳴が空を引き裂くたびに、彼女の影が浮かび上がる。
彼女の瞳は、遠くで戦うドラゴンナイツたちを鋭く捉えていた。
「ついに、ここまで来たのね…ドラゴンナイツ。」
その冷たくも寂しげな声は雨音に溶け込んでいく。
ヴァニットは大鎌を握りしめる。胸の奥にこびりついた憎悪――そして、それ以上に消えない悲しみを押し殺すように呟いた。
「私の居場所を奪うやつを許さない。私に武器を向けるやつを許さない…」
雷鳴が轟く中、彼女は過去の記憶と対峙していた。虐げられ、傷つけられ、奪われ続けてきた自分。
「私を悲しませるやつを許さない…私を泣かせるやつを許さない…!」
ヴァニットは漆黒の翼を大きく広げた。そして雨を切り裂き、嵐と化した空へ飛び立つ。その瞳に決意を宿しドラゴンナイツたちの陣へと向かって猛進した。
***
降り始めた雨が激しさを増し、やがて戦場を覆う洪水となった。雨粒は戦士たちの身体を打ち、倒れた者たちを埋めるかのように地面を叩いた。
「フレイム…フロスト…ボルト…シールド…ファング……。」
仲間の名を叫びながら、クローは涙を流していた。彼の目の前で仲間たちが次々と消えていく。
「どうして…どうしてこんな!!」
クローは拳を握りしめ、涙が雨と交じり合って地面に落ちていく。
悲しみに打ちひしがれながら、彼は震える手でカイの手綱を握り直した。
その時。
クローの瞳が赤く光り、周囲に黒いオーラが漂い始めた。怒りと悲しみが彼の内側で渦巻き、漆黒の鎧が歪に変形していく。
カイの体にも異変が起きた。黒い炎がその身を包み込み、その瞳が赤く輝き始める。クローとカイはまるで怒りそのものが具現化したかのような姿となっていた。
「行くぞ、カイ!」
クローが叫ぶと、カイは大きな鳴き声を上げ、敵の中心に向かって猛突進した。
黒い炎を纏ったカイは、敵陣を縦横無尽に駆け巡り、その周囲には黒い炎の渦が巻き起こった。蛇竜たちはその圧倒的な力に焼かれて落ちていった。
***
光の扉の前、天空の祭壇で待つハートは、そんな戦場の異変を察知していた。
「…心が泣いている。」
その言葉を口にした瞬間、彼女の目には涙が浮かんでいた。リンドを操り、光の扉をくぐるべく進み出した。
「どうしたんだ?おい!待つんだハート!」
ウイングがその後を追いかけるが、光の扉から出現した悪魔軍によって足止めを食らってしまう。
「くっ、コイツ!ハート! 行くな!戻るんだ!」
「私が行かなきゃ…!」
ハートはウイングの言葉を振り切り、光の扉を抜けて嵐の戦場へと飛び出していった。
***
嵐が狂乱する夜空に雷鳴が轟き、咆哮が響く。漆黒の空を裂くように飛ぶドラゴンナイツと、翼を持つ悪魔の軍勢が交戦している。
その中に、漆黒の鎧を纏った飛竜操騎士、ドラゴン・クローの姿があった。彼の瞳には怒りと悲しみの炎が宿っている。彼の乗る漆黒の飛竜カイもまた、主と同じく燃え上がるような赤い輝きを放っていた。
クローは敵陣を駆け巡る中で、仲間ではない別の姿を見つけた。それは漆黒の翼を広げ、悪魔軍の中でも孤独に戦うヴァニットだった。彼女はその怒りと哀しみを剥き出しにし、無差別にドラゴンナイツを斬り伏せていた。
「ヴァニット……!」
「クローか?!」
三度、戦場でぶつかり合う二人。
「ヴァニット!!俺の仲間をこれ以上やらせはしない!!」
クローは雨の中で拳を握りしめ、叫んだ。彼の鋭い声が、雨音をかき消す。
ヴァニットは静かに微笑む。その笑みにはどこか悲しみが滲んでいる。彼女の冷たい声が嵐の中に響いた。
「クロー、何度も言わせないでこの戦争は止められないのよ。」
カイの翼が雨を切り裂き、光の牙がその口から放たれる。白熱する光の奔流が、一直線にヴァニットへと向かっていく。
それに合わせたかのようにヴァニットの手からも魔力を帯びた紫黒の閃光が放たれた。クローの光の牙とヴァニットの闇の魔力が空中で衝突し、激しい閃光が夜空を照らした。
「あいつは言った、お前たちを倒せば私に安らぎをくれるって、仲間のところに帰してくれるって!お前に負けたら、すべてが無意味になるんだよ!」
ヴァニットの叫びが嵐の中に響き渡る。
「ふざけるな!お前の都合なんて関係ない! お前たちのせいで、どれだけ犠牲になったか分かってるのか!俺の仲間を返せ!」
二つの力の衝突が更なる嵐を巻き起こし、空は一層荒れ狂い、雷鳴と光の爆発が絶え間なく続いた。戦場はまるで世界の終わりのような光景に変わり、どちらの力も互いに譲らず、壮絶な闘いが続いていた。
「やめてぇぇぇっ!!」
嵐の中、第三者の声が響いた。それは、雨音をもかき消すほどの強い叫び。クローの視線が声のする方へ向く。そこにはリンドの背に乗るハートの姿があった。
「ハート!? なんでここに来たんだ! 」
突然のハートの姿に、クローの瞳からは赤い輝きが消えた。
「やめて、颯太!ヴァニット!こんな悲しい戦いをしちゃ駄目よ!私たちは分かり合えるはずなんだから!」
ハートの叫びが戦場に響き渡る。その姿は、雨に濡れながらも決意に満ちていた。
「攻撃に巻き込まれる!ここから離れろ!」
クローが制止しようとするが、ハートは静かにリンドの背から宙に飛び出した。
「何をする気だハート! やめろ!!」
ヴァニットが鋭い声を上げ手を開き、クローも手を伸ばした。しかし、二人の攻撃はもはやおさめることができず、光と闇の力が激しく衝突し続けている。
「ーーーーーー私が止める!」
雨粒が宙に舞い、雷光が空を裂く中、ハートの小さな体が紫黒の光線と黄金の光線がぶつかり合う中心に飛び込む。その瞬間、光と闇が交わり、爆発的な光の渦が戦場を包み込んだ。
「柚希ィィィ!!!」「ハートォォォ!!!」
クローとヴァニットが同時に叫ぶ中、戦場が温かな光に包まれた。ハートが飛び込んだその場所から広がる光は、柔らかく、しかし力強く、まるで戦いのすべてを癒そうとするかのように、優しく照らし出す。
ーーーーーーー光が今、激しい憎悪の嵐をかき消した。
ウイング「ハート!行くなぁ!くそっ!こいつら(敵)邪魔なんだよ!」
悪魔「ギャアアアア!」
ウイング「くっ!どうにかして、、、」
アルゼ「呼びましたか?」
ウイング「ああっ!!」
アルゼ「任せてください。行きますよゼルフィード!」
ウイング「やめてください!ゼルフィード返して!」
アルゼ「大丈夫です!何かあったらその時は、、、その時です!」
ウイング「だから!そうならないようにって話でしょう!」
悪魔「ギャアアアア!」
ウイング「くっ!お前ら(敵)さっきから俺じゃなくてあっちを止めろよ!」
アルゼ「行きますよゼルフィード、その名を示せ!」
ウイング「貴方、多分、名前の意味知らないでしょう!くそぅ!ハート!敵!姫!」
アルゼ「これが天空城かぁ(感想)」
ウイング「ブレイン早く来てくれーーー!!!」
ーーーーーブレイン早く来てくれ!!!




