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第十八話: 渓谷の激闘

 メルセシア南東に位置する灼熱の地「炎の渓谷」は、大地から絶えずマグマが噴き出し、周囲の空気は燃えるように熱い。天空の鍵の欠片が隠された場所の中でも、特に過酷な環境と言われていた。


 ドラゴンナイツの部隊は、炎の渓谷の入り口に到着していた。眼下には赤黒いマグマが流れる河が広がり、熱気が地面から立ち上っている。時折、火山の噴火により空に火柱が上がり、そのたびに飛竜たちが警戒して鳴き声を上げていた。


「すごい熱気だな…ここを抜けないと鍵にたどり着けないなんて、ひどい話だ。」

「本当に鍵があるのか?」

 ボルトとシールドが呟く。


「文句を言っても始まらん。全員、隊列を整えて慎重に進むぞ。」

 ブレインがヴァルハイトを操りながら部隊に指示を飛ばす。


「飛竜たちも体力を消耗しやすい環境だから。無理はさせないで。」

 フロストがダイアモンドダストのような粒をそれぞれのアーマードワイバーンに纏わせた。


「ありがとフロスト」

 フレイムが少し元気になった飛竜を撫でて微笑む。


「鍵があるのは、あの渓谷の中央部だろうな。な、クロー」

 ファングが前方を見据えながら言う。


「ああ。しかしあの形状は、何かがまた守っている可能性が高い。気を抜かない方がいいだろうな。」

 クローはカイの背を軽く叩きながら答えた。


***


 渓谷に足を踏み入れると、周囲は一面にマグマが流れ、熱風が吹き荒れていた。その中で、地面に巨大な模様が浮かび上がり、何かが動き出す音が響いた。


「来るぞ!」

 ブレインが叫び、剣を構える。


 次の瞬間、大地が裂け、炎に包まれた巨大な生物が姿を現した。それは「フレイムハイドラ」。三つの頭を持つ巨大な炎の竜であり、その体から放たれる熱気が周囲をさらに灼熱地獄へと変えていた。


「侵入者よ、この地を穢すことは許されない!」

 ハイドラの中央の頭が低く響く声で叫び、三つの口から同時に炎が吐き出される。


「全員、散開しろ!」

 ブレインが叫び、ドラゴンナイツたちはそれぞれの飛竜を操りながら攻撃の隙を探る。


「カイ、上空から攻めるぞ!」

 クローがカイを操りながら、フレイムハイドラの周囲を旋回する。しかし、ハイドラは驚異的な速さで動き、尾を振り回してカイを弾き飛ばそうとした。


「危ない、カイ!」

 クローが叫び、カイはギリギリで回避する。その動きにクローは冷や汗を流しながらも、すぐに体勢を立て直した。


 フレイムハイドラはその巨体を活かし、尻尾を振り回してアーマードワイバーンたちを攻撃する。その動きは素早く、一瞬でも気を抜けば命を落としかねない。


「カイ、奴の左首を狙え!」

 クローがカイを操り、光の波動「光の牙(ファングズオブライト)」を放つ。光の波動が一直線にハイドラの左首に命中し、その巨体をわずかに揺らす。


「よくやった、クロー!」

 ファングが双剣を操りながら正面から切り込む。しかし、ハイドラは咆哮を上げ、三つの首から炎を同時に吐き出す。


「熱い! これじゃ近づけない!」

 ボルトが叫びながら槍を振り回す。


「フロスト、奴の炎を弱められないか?」

「任せて!」

 フロストが氷の魔法を放ち、ハイドラの炎を封じる隙を作る。その間に、フレイムが炎の魔法で反撃し、ハイドラの右首に一撃を与えた。


「シールド、今だ! 防御を固めて前に出ろ!」

 シールドが盾を構え、ハイドラの攻撃を引き受ける。その間に、ブレインがヴァルハイトを操り、剣を振り下ろして右の頭を斬り落とした。


「クロー、今がチャンスだ! 」

 ブレインが叫び、クローがカイを操りながら空高く舞い上がる。


「カイ、もう一度だ行くぞ! 光の牙(ファングズオブライト)!」

 カイが光の波動を最大限に放ち、フレイムハイドラの胸部を貫く。その巨体が揺れ、大地が激しく揺らいだ。


「ぐあああっ!」

 ハイドラが大きく体を揺らし、その巨体が崩れ落ちると同時に、炎の渓谷に静寂が訪れた。


「やったのか…!?」

 クローが息を切らしながら呟く。


「やったな、だいぶ俺たちのチームワークも一つにまとまってきたんじゃないか?」

 ファングがクローに拳を突き立て、クローははにかみながら拳を合わせた。


***


 戦いが終わり、大地の裂け目の中心に青白い光を放つ欠片が浮かび上がった。それが天空の鍵の二つ目の欠片だった。


「これが…二つ目の欠片か。」

 クローが欠片を手に取り、その輝きを見つめる。


「残りはあと一つだ。」

 ブレインが剣を収めながら静かに言った。


「でも、ここまで来るだけでも相当厳しかったよ。」

 フレイムが息を整えながら呟く。


「ここで止まるわけにはいかない。全員、次の目的地に向けて準備を整えろ。」


「次はどこに行くんだ?」

 ファングが尋ねると、ブレインが険しい表情で答える。


「次の目的地は“水晶の洞窟”だ。しかし、ローランの待ち伏せの件もある。そこにはすでに天空城の軍勢が入り込んでいる可能性が高いな。」



 ブレインの声に全員が頷き、一行は最後の欠片が眠る「水晶の洞窟」へと向かう――。




クロー「はあはあ…………やった、か!?」

アルゼ「皆さん天城様の口を塞いでください!」

ファング「はあはあ、やったな!やったな!クロー倒したな!倒したんだよ!」

フレイム「はあはあ、そうよ、ついにハイドラを倒したのよ!」

フロスト「はあはあ、そう、もう起き上がってきませんよ!」

ボルト「はあはあ、そうだぜ、完全なる勝利だぜ!」

シールド「はあはあ、そうだそうだ!」

クロー「はあはあはあはあ……………………やったか!」



ーーーーーーーーーーーー「やったか」言うな!!!

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