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38話 ステラのぬくもり

 南部の街道を、フィナとステラが乗るライグーと、マイトが乗るモネットが走っていく。


 ライグーは抑えめに走っているとはいえ、十分にスピードは出ている。

 そのライグーに、マイトのモネットはしっかりと付いて行っている。


 だんだんと、余計な力を抜いて乗れるようになってきた。

 もちろん、落ちないように緊張感を維持しながら、モネットにも意識を配りつつ走る。


 風を受けて、風を切る気持ち良さは格別だった。

 周りを見る余裕も出て来て、モネットの高い背から見る景色は、見え方が全然違って感動が込み上げる。

 

 こんな体験が出来るなんて、引きこもりだった頃には想像も出来なかった。

 この世界に来てから、楽しいと想える経験がどんどん増えていく事に心が躍る。



 平原の先に山々が見えてきて、その間を縫うように街道が続いている。

 しばらく緩やかな登り坂がなので、ゆっくりと歩く速度で進んで行くことになる。


 

 一方、ライグーに乗るステラは、鞍の後ろ側にある取っ手に掴まらずに、前に座るフィナの腰に手を回して乗っている。


 ダウナからテリルに行く際、初めて2人でライグーに乗った時も、この形で乗っていたので、2人にとっては自然なスタイルだった。


 それもあって、ミナルカを出発する際に、マイトと乗ることになった時、フィナはマイトに後ろから抱きしめられて乗ることになると思い、内心緊張していた。


 しかしマイトは取っ手に掴まり、フィナには全く触れなかったので、安心したような残念なような……複雑な気持ちになったのだった。

 

 この辺は男女の違いがあるので、当然と言えば当然なのだが、それでも……。

 ライグーに乗る間、ずっと後ろに居るマイトを、寂しい背中で感じでいた。



 それとは正反対に、ずっとステラがフィナに密着してライグーは進んで行く。

 ステラはフィナの肩から顔を出して一緒に景色を見たり、肩に顎を置いて耳元で話したりと和気あいあいと過ごした。


 もちろん時折、後ろのモネットに乗るマイトにも気を配っていた。

 落ちたり、はぐれたりしたら大変だ。

 

 それでも、モネットの足音だけで、大体の事が伝わって来ていた。

 どんな風に走っているか、どんな調子か。

 ずっと乗って来たモネットなので、乗っていなくても分かるようになっていた。


 それに、マイトの上達っぷりも目を見張るもので、その集中力とモネットとの呼吸の合わせ方などは、初心者とは思えなかった。

 真面目な性格と、相手の気持ちを思いやる優しさが、大きな要素だとステラは感じていた。

 

 その様子を見て、落ちたりはぐれることはないと確信出来た。

 その内に登り坂となり、歩く速度になったのでより安心感が芽生えた。



 そんなわけで、ステラは密着するフィナのいい匂いと、やわらかな感触、服越しに感じる体温が心地良く、夢見心地になっていた。

 次第に本当に、フィナの肩に顔を埋めてウトウトとし始める。



 フィナは当初、密着するステラが、もしマイトだったらと想像して、勝手に赤面したり、恥ずかしがったりしていた。

 しかし、早々に妄想を止めて、耳元で話すステラに相槌しながら道中を楽しんだ。


 2人でライグーに乗って、テリルに向かう時は、魔女と相対する恐怖と絶望で支配されていたが、今はマイトのおかげで希望に満ちている。 


 こうして笑いながら、2人でライグーに乗る日が来るなんて思っていなかった。

 その喜びを実感しながら、風になって走っていく。


 それに、ダウナからテリルへは、ライグーであっという間だったので、長時間こんなに2人で密着したのは初めての事だった。



 背中全体で感じるステラの体温といい香り、お腹に回されてる細い腕、耳元で聞こえる声に、心地良い安らぎを感じながら進む。


 緩やかな登り坂になり、ライグーが歩く速度での移動が続いていくと、ステラは居眠りをし始めて、肩に顔を乗せて喋らなくなった。


 その時、フィナの首筋にステラの唇があたる。

 しかも時折、唇を動かすので、くすぐったい。

 なんだか、ドキドキしてきてしまう。


 声が出せないのでどうにも出来ず、かといって動いて起こすのも悪いと思い、そのままで時を過ごした。



「……ごめん、寝ちゃった」


 肩が軽くなる。

 やっと起きたみたいだ。


「ライグーに乗りながら寝るなんて、自分でもびっくり……それだけ、フィナの騎乗に安心感があるからかな」


 フィナがくれた心地良さと安心感で、移動中に寝てしまうという体験をした事に驚いた。

 そんなステラに、フィナは労いの思いが湧いて来ていた。


 今までルート管理をしたり、率先して南部の旅を牽引して来たステラにとって、プラネ達と合流出来てルートに余裕が生まれたことで、大分肩の荷が下りた事が伺える。

 その安心感は、相当だっただろう。


 フィナも、ステラを頼りにして……無意識に、だいぶ甘えていた。

 ステラが居るから大丈夫と……。


 その責任を一手に引き受けて、当たり前のようにステラは全うして来た。 



「それに……フィナとこうしてると、心地良い……」


 まだ眠気を孕んだ声で、フィナをギュッとする。

 フィナのぬくもりが、抱えていた重責を溶かすようにステラをあたたかくする。

 

 普段しっかりしていて、大人っぽいステラが、こうしてフィナに甘えるのは珍しいことだった。


 今まで気を張っていた分、甘えてくれることが、フィナはなんだか嬉しかった。

 それは安心と信頼があるからこそ。


 お互いのあたたかさを感じながら、ライグーに乗ってゆっくり確実に進んで行く。




 そうして山間を行くと、さらに大きな山が見えて来る。


 これまでも山はたくさん見て来たが、それらとは違う。

 標高が高くて、木が無い岩山だった。 

 

「霊峰ポルトルが見えてきましたよ」

 ステラが振り向いて、マイトに教えてくれる。


 目の前の大きな山が、有名な山だというのが伝わってくる。

 霊峰……そう呼ばれているのが、マイトでも納得出来る佇まいだった。

 人が立ち入れないような、神秘的な雰囲気がある山だ。


 その霊峰ポルトルの麓に、ノーズワースの町があった。


 小さな町だが、地形が今までの人里とは違い高低差がある。

 さすが、山麓の町という印象を抱いた。



 早速ノーズワースの入口から、反撃詠唱と慈愛詠唱をする。


 町全体が光り出し、言霊光が浮かび上がる。

 魔人から人間に戻った証の光。

 何度見ても、綺麗で尊いと思った。


 そしてラングメモを元に、ノーズワースの町長に書状を見せて、町人の確認を急いだ。

 高低差のある人里なので、時間が掛かると思われたが、町の人々の協力と連携で迅速に進み、全員の無事が確認された。


 これは反撃詠唱で戻した後の、慈愛詠唱の効果が大きいようだ。

 スノウで、ラングに連続詠唱の事を話したら褒めの言葉をもらった。


 慈愛詠唱は肉体的にも精神的にも、前向きな力を与えてくれる。

 人間に戻れたのと同時に行えば、回復効果も相まって効果は絶大だ。

 それによって確認作業も、スムーズに迅速に前向きに進むという訳だ。 


 無事が確認されたので、マイト達は町の上部の方へ行ってみる。

 霊峰ポルトルの登山口がある場所が高台の様になっていて、そこでノーズワースの町を3人で眺める。



 すると、登山家のような風貌の、30代くらいの女性がマイト達の元に来て話しかける。


「町長にあなた達の事聞いたよ! 君が神の召喚者さん?」


 声が明るくて、活発そうな大人の女性だった。

 マイトは、アルカナもアルマも付けていないので、召喚者だと踏んだようだ。


「はい、マイトといいます。よろしくお願いします」

「ご丁寧にどうも、私はカミラ・シーノっていうの。人間に戻してくれて、本当にありがとう!」


 人懐っこい笑顔でお礼を言いながら、マイトに握手を求める。

 それに応じて握手すると、カミラは強くマイトの手を握った。


 熱いくらいの体温が伝わってくる。

 しかも、強いのにやわらかい。

 ドキッとしてしまう程だった。


「私は元々精霊管理官だったんだけど、辞めてこの町に移住して来たの。霊峰に惹かれてね」


 霊峰ポルトルを見ながら、カミラが驚きの発言をした。


「え!? カミラさん精霊管理官だったんですか!? しかも辞めた?」 


 マイトは混乱しながら口にすると、ステラも驚いて確認する。


「じゃあ、噂は本当なんですね!? 霊峰ポルトルで、精霊体が見れるっていうのは!」


 精霊体? 初めて聞くワードだった。

 そんなマイトに、ステラはすぐ説明をしてくれる。


「精霊体は、精霊光や精霊音のような現象の1つで、光や音を生み出すように、物体を生み出したものなんです」


「物体っていうと……精霊の贈り物とはまた違うんですか?」


「そうですね、精霊体は精霊の創作物なんて呼ばれてますが、あくまでも現象なので贈り物とは違います。それに精霊体はとっても珍しいものなんです。大森林でさえ滅多に見れないものですから」


 ステラを見て、カミラは興味深そうに尋ねる。


「あなた詳しいね。精霊体に興味あるの?」

「はい、亡くなった父が精霊管理官だったので……」


「え……? あなたお名前は?」

「ステラ・アストリアといいます。父はリグル・アストリアです」

「リグルさんの娘さん!? こんなに大きくなったのね! しかも、舞台師なんて!」


「……、カミラさんは、父と会ったことあるんですか?」

「ええ、フクロウ時代の先輩だったし、管理官になった後もお世話になったもの。奥様にも会った事あるわ」


「お母さんに、会ったことあるんですか?」


「身体が弱い方だと聞いていたけど、とても優しくて素敵な人だったわ。品があって、リグルさんと理想の夫婦って思った記憶がある……うん、ステラちゃんとよく似てる! ステラちゃんは、お母さん似だね」


 カミラの言葉に、ステラは心がじんわりとあたたかくなるのを感じた。

 中部に住んでいた9歳までは、時々母を知る人に会う機会があり、何より父から母の話を聞けた。


 しかし、南部ミナルカに来てからは、母を知る人はいない。

 ノアが母親になったこともあり、物心ついた頃には既に亡くなっていた母を、思い出す機会が少なくなっていった。

 

 そんな母を知っている人に会えて、今の自分が母に似ていると言われて、自分の中に母の面影がちゃんとあることを知り、感慨深い気持ちになる。


「ありがとうございます。母を知っている方からそう言ってもらえるのは嬉しいです」


「まさか、こんなところでリグルさんの娘さんに会えるとは思っていなかったから、私もびっくりしたわ。魔人にされた人を、元に戻す旅をしているのよね?」


「はい、テリルで神の召喚者のマイトさんと出会ってから、南部を北上する形で旅をしています」


「本当に、神とマイト君に感謝だわ」

 改めてカミラはマイトに笑顔を贈る。


「あの……カミラさんはなぜこの町に? 精霊体というものと関係あるんですか?」 


 先程から、疑問に思っていることを尋ねてみる。


「精霊管理官をしてた頃に、プライベートで霊峰ポルトルに登山に来た時、山の上で精霊体を見たのよ! 衝撃だったわ! 当時は、精霊体が存在するって思ってなかったからね」


「精霊体は、物体に見える幻影といわれてますけど、どんなものだったんですか?」

 ステラが興味深そうに聞く。


「真っ白の巨大な球体だったわ。フワフワと動いてて、大きな球体がだんだん無数の小さな球体にバラけて、群れになってどこかへ行ってしまったの」


 豊かな表情でカミラは語る。


「精霊体はごく稀に、精霊の大森林で見られる現象だと聞いていたけど、当然大森林に立ち入る事なんて出来ない。近くで見ることは叶わないわけよ。でもここならすぐ近くで見られる! ってことで管理官を辞めて移住したってわけ」


「そんな……苦労してなった精霊管理官を、辞めちゃうくらい衝撃だったんですか?」


「まーね、ノーズワースの町も好きだったしさ。それに精霊の森のイメージで、木や水が精霊を生むって考えが一般的だけど、ポルトルみたいな岩や石からも精霊はたくさん生まれるんだよ」


 精霊はどんな場所にも存在すると、神様も言っていたことを思い出す。


「それに山の上は雲に近いから、雲からも精霊がたくさん生まれてるんだよ。岩石と雲の精霊が合わさって、精霊体が出来てるんじゃないかと私は思ってるんだ。昔からそれがあるから、きっとこの山は霊峰と呼ばれてるんだよ」


 確かに霊峰と呼ばれるには、それ相応の所以があるはずだ。

 昔からこの山で精霊体が確認されていたなら、それが由来である可能性は高いと思った。


「移住してからも、精霊体を見る機会はあったんですか?」

「あったわよ! 3回も山の上で見たよ! 登るのが大変だし、毎回違う場所に出るから当たりを付けることが出来ないのが難儀だけど、大森林でさえ稀なものを何度も見れるんだから、移住して良かったと思ってるわ」


「それは、凄い頻度で目撃してるんですね」

「元々精霊体は実体がないものだから、本当に見るだけだけどね」


 目には見えるけど、触ったりは出来ないってことか。

 虹みたいなものかなと思った。

 それが生命体みたいに見えるのが、精霊体というもの……。


「でもね、その精霊体がとっておきの贈り物を落としていくんだよ! ちょっと待っててね!」

 

 カミラはそういうと、どこかへ行ってしまった。

 10分ほど待っていると、大きめの布の袋を持って戻って来る。


「お待たせ! 助けてもらったお礼にあげるわ」


 そう言って袋を開けると、サッカーボールくらいの大きさの、白くて丸いクッションのような物が3つ出て来た。


「わーっ! 雲のぬいぐるみだ!」


 ステラが感嘆の声を上げると、フィナも目を輝かせて飛びつく。


「あの、なんですかこれは?」

「とっても珍しい精霊の贈り物です! レア中のレアですよ!」

 2人は大分興奮しているようだ。

 

 精霊の贈り物といえば、ラドで女の子からもらったものを見たけど、その贈り物の中でも珍しい物らしい。


「雲が固まったものと言われていて、子供の頃みんな憧れたんですよ。誰もが欲しがる物なんです。フィナも子供の頃、欲しがってました」


 フィナは憧れの雲のぬいぐるみを手にして、感動してる様子が伝わってくる。

 本当に嬉しそうだ。


「マイト君もどうぞ! 触ってるだけで楽しいものだよ」


 カミラに勧められて、手にしてみる。

 ふわっふわだ。

 やわらかくて、しっとりしてる。


 通常のぬいぐるみや、クッションとは手触りも感触も違う。

 両手でギュッとすると、心地良さで自然に笑みがこぼれてしまう。

 2人も至福の表情を浮かべながら、贈り物を抱きしめていた。



「今日は、これを抱いて眠ってみて! きっと良い事があるわ」

「寝る時にですか?」


 抱き枕にしては小さいと思うが、何か意味があるんだろうか。


「じゃあね! ゆっくり、ノーズワースで休んでいってね!」

 カミラは手を振って、また町へと下り坂を降りて行く。


「はい! ありがとうございました!」


 ステラはお礼を言って、フィナと一緒にお辞儀をした。



 その後は宿へ行き、食事を済ませて、部屋の窓から見える、霊峰に火のような光が無数に灯る様子を見ていた。

 あれも精霊の光。

 松明のような、焚火のような、不思議な光が動くのが幻想的だった。

 

 そろそろ寝ようと思っていると、部屋のドアがノックされて、扉を開けるとステラがいた。


「カミラさんから貰った雲のぬいぐるみ、マイトさんも絶対に抱いて寝てくださいね」

「いいですけど、なにがあるんですか?」

「それは後のお楽しみです! それじゃ、おやすみなさい」

 

 笑顔で手を振って行ってしまった。

 ベットに横になり、精霊の贈り物のぬいぐるみ……というかクッションを抱いてみる。

 やはり抱き枕としては小さいけど、ふわふわで心地良い。

 リラックスしながら、眠りについた。



 翌朝。

 起きると抱いて寝たはずの、精霊の贈り物が無くなってた。

 その代わりに、白いビー玉みたいな物が、手の中にあった。

 固くてあたたかい、小さな玉。


 

「おはようございます」

 部屋を出て2人に会うと、2人共同じ白い玉を持っていた。

 

「起きたら貰った贈り物が無くなってて、手にこれがありました」

「ほら、私たちもですよ」

「これは一体……?」


「この雲のぬいぐるみは、触っていると自然に消えてしまうものなんです。まあ、本来ぬいぐるみじゃないですからね」


「この小さな玉は?」

「雲のぬいぐるみは、体温を記憶して記録するんです……そして結晶になる。その人だけの石になるんです」


 ステラは、刺繍の袋……ノアが作ったお守りを服の中から出して、開けると小さい白い玉が出て来た。

 

「昔……7歳の誕生日の時に、お父さんが雲のぬいぐるみをプレゼントしてくれました。憧れてたので、とても嬉しかったのを覚えてます」


 ステラは以前にも、この精霊の贈り物に触れていたのか。


「この石は、その時に出来たものです。抱いてると、なくなるって知らなかったので残念だったけど、この石が残って……この石があたたかいのは、私の体温を記憶してるからだと父は言ってました」


「自分の体温が、そのまま結晶になる……思い出の石になるってことですね」


「はい……お父さんがくれた贈り物に、7歳の私の体温が記憶されて、お母さんが作ってくれたお守りにいれているんです」

 

 そう言いながら、お守りに入っていた結晶石をマイトに差し出す。


「良かったら、触ってみてください」


 そっと触れてみると、確かにあたたかい。

 優しいぬくもりを感じる。


「7歳の時の私の体温です。フィナとお母さんしか触った事ないんですよ。家族以外では、マイトさんが初めてです」


「あったかい……なんか信じられないです。子供の頃のぬくもりを記憶してるなんて」


 これは凄い。

 本当に、思い出に持って来いだ。

 親が子供にプレゼントするには、最適な贈り物かもしれない。


「でも、こうやって直接触れば伝わりますけどね」


 そう言って、ステラの手がマイトの手を握る。

 ドキッとして、鼓動が跳ね上がる。


「この石は、昔の自分が生きている証。父と居た時の私って感じです。こうして触れられるのは、今生きている証です」


 真っ直ぐで凛とした……それでいて穏やかな目でマイトを見つめる。

 心拍数が上がるマイトとは対照的な、落ち着いた様子だった。


「フィナともマイトさんとも、こうして触れ合えるから、ずっとこう出来たらいいなって思います……石が必要無いくらい」


「ステラ……」


「でも、やっぱり思い出として、こうして形に残るのは嬉しいですね。3人で旅した17歳の体温を記憶した記念品です」


 ステラは新しく出来た石も、一緒にお守りに入れて、再び服の中にしまった。

       

 マイトも、これは大切にしようと心に誓った。

 思い出が形になった、宝物が出来た朝だった。


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