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俺の処分が決定して数日後…寝静まったある日の夜、ナーラがこっそり俺の寝床までやってきた。扉には鍵がかかっているため、扉の前でエディに話しかけ始めた。

「エディ起きろ!」

「…」

ナーラは見張りにバレない程度の声でエディを起こそうとしている。しかし、俺は起きなかった。

「エディ!」

「…」

ナーラは声のボリュームを上げ、必死にエディを起こそうとしている。だが、やはり俺は起きなかった。

「明日エディは処刑されてしまう!はよ起きろ!」

「… ん?ナーラ!?」

俺は一度寝るとなかなか起きないタイプだ。しかし、ナーラの呼び掛けによって俺はすぐ目を覚ました。だが、俺はすぐに死を覚悟した。

「そうか、俺は死ぬのか。」

「ちょーまて!今ならまだ逃げられるかもしれへん。脱出する方法を今から考えるぞ!」

「…もういいよ。お母さんは自殺しているし、お父さんは一生奴隷生活。俺はもう死んでもいい。」

俺は完全に諦めモードだ。

「俺にはもう家族がいない。唯一の友人は貴族の娘だが、身分の違う二人が一緒になることなど許されない。他の奴隷たちとは仲良くやれよ。」

しかし、ナーラは諦めなかった。

「身分なんてどうでもいい!友達は友達や!エディ、アンタには生きててほしい!生きていれば会いに行けるやろ!死んだらもう会えない!それに、世界は広い!必ず身分なんか関係なしに生活できるようになれるはずや!」

(世界は広い… 友達… あ!)

ナーラの言葉が心に響いたような気がした。俺はしばらく考え、意見が変わった。

「悪かった… そうだな。世界は広い…か。早く脱出方法を考えないと朝になっちまうな。」

「そうやな。鍵はどこにあるかわからんからな。」

俺たちは必死に脱出方法を考えた。しかし、よさそうな作戦は思いつかなかった。気が付いたら窓から少し光が差し込んでいた。

「やばい!もう朝や!」

「どうしよう!」

俺たちは焦った。時間だけが過ぎていく。ナーラは泣いてしまった。

『キミの心の鍵を開けてくれ♪私がそこに行くから♪』

そして、窓から通行人が歌っているのだろうか、歌が聞こえてきた。俺は時間の経過というものを感じた。しかし、ナーラはあることに気がついた。

「ナーラごめん…何て言えばいいのか…」

「ちょっと待って!鍵が外れてるやん!さっきまで鍵がかかってたはずやのに!」

「え!?」

ナーラは鍵が外れた扉を開けてくれた。

「なんで鍵が開いたんやろな。」

「あの歌だったりして…まさかな! あ!手錠も外れた!よっしゃあ 逃げるか!」

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