奴隷
お母さんが死亡してから3年後…
俺は貴族の屋敷へ連れていかれた。お母さんのあの言葉がなければ、俺はとっくに自殺していただろう。
「この魔石に強化付与をしろ。全てだ。」
貴族たちが大量の魔石を持ってきた。
「まだ僕9歳なのに付与魔法とかできるわけないじゃん。」
子供が付与魔法を使えるわけがない。しかし貴族たちは構わず…
「早くやれ!こっちは奴隷ごときに飯代払ってやっているんだぞ?」
貴族たちはムチを持っている。当たり前だが、奴隷に人権はない。逆らったら暴力で従わせるのだ。俺は仕方なく土下座をした。
「俺は付与魔法なんて使えません。どうか僕に付与魔法を教えて下さい。」
悔しいが、貴族たちに付与魔法を教えてもらうことにした。
「お前奴隷のセンスあるな!!!!俺たちが一生雇ってやる!!!今日の1食分のパンで付与魔法を教えてやるよ!!ガハハハハ!!」
俺は泣いていた。いつか抜け出してやると自分に誓いながら。
「やっと終わった…」
あれから10時間以上経過し、ようやく全ての魔石に付与魔法をかけた。
「ふーん なかなかのものだわ。これを売ればかなり儲かるわね。」
「そうだな。おい奴隷、これは俺たちの手柄にしてやる。お前は奴隷監禁所に戻れ。」
「…はい。」
俺はヘトヘトになりながらも、なんとか奴隷監禁所へ戻って寝ることにした。これが毎日続くなら死んでしまうかもしれない。逃げようにも見張りがいる。しかし俺は、いつか奇跡が起きる。そう信じてチャンスを待つことにした。
次の日…
「今日も付与をしてもらう。起きろ!」
まだ5時なのに… 凄く眠い。もういやだ…