修行1
俺が奴隷だと明かして以来、俺の生活は大きく変わる…ことはなかった。家の周りにいるザコモンスター討伐を任されることが増えたくらいだ。ただし、何かあった後では遅いので誰かが付き添いとして動向することになっている。今日はスライムを討伐してくるように言われた。
「ハアハア…。もう一度…。」
スライムは攻撃力がなくて弱いが、物理攻撃が効かない。その上、毒を持っているので近距離で攻撃はしない方がいい。そのため、剣術を極めている俺には不利な相手だ。
「紅き炎よ!弾となって敵を燃やせ!ファイアボール!」
俺は一匹のスライムに苦戦していた。ファイアボールとファイアの違いは、近距離攻撃か遠距離攻撃かの違いだ。ただのファイアなら直接魔法を使って敵を燃やせばいいが、ファイアボールになると炎を遠くに飛ばすための操作が必要になる。
「詠唱してるからスライムに気づかれてるぞ!目標は無詠唱だ!」
俺の魔法を遠くから見ていたレルガが口出ししてきた。
「む、無理ですよ!無詠唱でやると火力が安定しません!」
レルガは腕を組み、しばらく考えた。そして、
「そうか。なら、炎に見えない糸がついていると思え。その糸は、エディの手に繋がっている。」
と、よくわからないアドバイスをしてきた。
「ど、どういうことですか?」
「物体を操作する魔法と同じだ。魔法というものは、支配を解除しない限り操れる。だから、魔法を打った後も炎に意識を送れば上手くいくと思うよ。」
俺はレルガのアドバイスを聞き入れて実行した。無詠唱で炎を出した後、敵に向けて炎を飛ばした。
「うう…。」
「ゆっくりでいい。とにかく、炎に意識を送れ!」
「は、はい…。ファイアボール!」
炎は敵に向かって飛んでいった。しかし、途中で炎は消えてしまった。
「あー 惜しい。」
その頃…
ファビとエアナは庭の花壇に水をあげながらエディの話題で盛り上がっていた。
「それにしても、エディはなんで付与魔法だけ上級魔法が使えるのか疑問なんだが…。」
「数年間貴族の代わりに魔石に付与をかけ続けたらしいですわ。」
「あ、だから魔力も異常に高いのか??」
「まあ…そうでしょうね。付与って精密な魔法なので、魔力を制御するのが得意だと思いますわ。鍛練すれば、すぐ他の魔法でも上級まで使えるようになると思いますわ。」
「よし!じゃあ我がエディを上級占い師に!」
「…絶対ないですわ。」
「…もう一度やってみます。ファイアボール!」
俺は炎に意識を送った。途中で炎は消えそうになったが、なんとか持ちこたえた。
「いけ!あと少しだ!」
そして、炎はスライムへと飛んでいった。
「やったー!」
「よくやった!休憩するか。」
「はい!」
俺は初めての魔法の使い方に苦戦していたが、なんとか成功して嬉しかったのだ。




