奴隷時代3
俺は初めて模擬戦をしたときのことを思い出した。
「まずは木刀でいいだろ。持ち方はこうだ。まずは軽くやってみよう。」
レルガは俺に木刀を持たせた。
「おー やってるやってる。」
「ええ。今日は模擬戦ですわよ。」
「え?もう!?我はまだ早いと思うけどな。」
「…。昨日レルガとケンカしたとおっしゃっていましたわよね?エディを魔術師と剣士どっちに育てるかで、結果早い者勝ちなったと。」
「えー…。そ、そうだったかな。」
ファビとエアナは俺たちの模擬戦を見物しているようだ。そう言われてみれば、昨日ファビの部屋がうるさかったような…。
「始めるぞ!」
レルガがそう言った瞬間、俺は気持ちを切り替えて構えた。
「始め!」
俺は木刀を手当たり次第振り回した。しかし、レルガは避けるばかりだ。
「さすがレルですわ!」
「そ、そうかな?」
「なら、明日は貴方が剣術を教えてみてはいかが?」
「け、結構です!」
エアナたちの会話が聞こえるが、気にせずに戦いに集中した。そしてついに、俺の攻撃はレルガの腹に一発当たった!…と思ったが、よく見るとレルガは木刀で攻撃を防いでいた。
「まだまだだな。」
「いや、手加減してやれよ…。」
「それだと練習にならん!」
俺がここに来てから、そんなこともあった。もはや「家族」と言えるような存在であった。しかし、自分が奴隷だと言ってしまった今、俺は急に怖くなった。
「…。」
みんなが何も言わないからだ。
「いや、言ってたら差別されると…追い出されると…。ごめんなさい…。」
俺が何を言っても何も答えてくれない。奴隷とは会話したくない、俺はそう思ったが…。
「…。エディの稽古時間を増やしますわ。奴隷から解放される時間は長いので、それまで逃げられるほどの体力は付けておくべきですわ。」
貴族であるエアナはそう言ってくれた。
「え?でも俺…。」
「なに言ってますの?私たちはもう家族ですわよ?家族なら甘えなさい。」
「そうだぞ、エディがいないと我は悲しいのだ。」
「ってことで、これからもよろしくな!エディ。」
「は、はい!」
俺は改めて、みんなのことが好きになった。
「こちらこそ、これからもよろしくお願いします!」




