謎の美女
髪の色は青く瞳の色も同じ青色をしていた。そしてとても整った美しい容姿をしている。
まるで西洋人形のような印象を受けた。
「げっ!姉貴どうしてここに!?」
男の表情が変わった。どうやら姉弟らしい。それにしても似ていないな。
「あなたを迎えに来たのですわ。さあ帰りますわよ」
女性は有無を言わさずといった感じで手を掴むとそのまま歩き出した。
「ちょ、ちょっと待ってくれって!まだ話の途中だって!」
必死に抵抗するが振りほどけないようだ。
「そんなことは知りませんわ。さあお父様がお待ちですわ早くしますわよ」
「わかったから引っ張らないでくれ頼むから!」
こうして二人はどこかへと行ってしまった。
一体なんだったんだ今のは。
結局何一つ状況を理解することができず俺たちは屋敷に戻ることにした。
屋敷に戻ると早速俺はアイリスに聞いた。
「あの、さっきの男の方とはどういう関係なんですか?」
「ああそれはですね……」
アイリスが説明しようとしたその時だった。
突然玄関のドアが開いた。
そこに立っていたのは先ほどの男の姉だという女性だった。
「あらお邪魔しましたかしら?」
彼女は微笑みながら言った。
「いえ別に構いませんけど何か御用でしょうか?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
すると彼女は答えた。
「弟が迷惑をかけたみたいで申し訳ありませんでしたわ。そのことについて謝りたくて来たんですの」
意外にも彼女は丁寧に謝罪してくれた。「ああそうなんですか。わざわざありがとうございます。それでその弟の方はどちらへ?」
俺が聞くと彼女は少し悲しそうに俯きながら呟いた。
「実は……今は牢屋に入れられているんですの」
「えっ?」
思わず聞き返してしまった。
「実は私の家は代々続く名家なんですけれど最近事業に失敗して多額の借金を抱えてしまったんですの。それを苦に両親は自殺してしまいました。残されたのは私と弟だけになりました。でも弟はギャンブルにはまってしまい莫大な借金を作ってしまったんですの。それを知った私が両親の代わりに返済することにした