こんなことで溢れてる
名前に関しては本人特定を避ける為架空の名前にしております
もしどこかのネットゲームで見かけても多分別人です
◆もう終わった話①
昔とあるネットゲームを遊んでいた
最初はソロで遊んでいたけれど、いくつかキャラクターを作った内の一人
リューシカで遊んでいた時にあった話。
その日は退屈していた
メインで育てていたキャラクターはそこそこ強くなったが、ここから先は誰かと組まないと苦しいが
ソロプレイヤーの自分にはそんな縁は無く、リューシカとして遊んでいた。
初心者がたくさんいる狩場、まあ某ドラゴンのクエストで言うなら
スライムより少し強い奴がうろついてる辺りで経験値稼ぎをしていた時に
そいつとは出会った
猫猫亭
リューシカより少し低いレベルで弓を使っていたが、矢が切れたけどお金が無いから
モンスターから出る安い矢をたくさん譲って欲しいと言われた。
たまたま消費アイテム欄を圧迫してる矢が大量にあったので、全部渡すとお礼を言ってくれた。
「ありがとうございます!」
このゲームでは物をあげても何一つ言わず更に何かくれと言う奴もいたので
感謝の言葉が何だか嬉しくて、少しの間一緒にモンスターを狩りまくった。
結果何となくフレンド登録をして、一緒に遊ぶ事が増えて
リアルには友達がほぼ皆無だったから、一緒に誰かと遊ぶのは楽しくてたまらない。
猫猫亭はネットゲームははじめてで、まだまだわからない事が多い。
その日も何となくでレベル適正内で、お互いがやりやすい狩場で雑談をしながら狩っていた。
すると狩場に知らないプレイヤーが現れた
「やっほー」
気楽な挨拶をしてきたのは、猫猫亭のフレンドの五月雨侍だった。
しばらく狩りの手を止めて、3人でお喋りして、気がつけば時間はかなり経っていた。
なんとなく、猫猫亭と仲良くしていると、仲良くなるプレイヤーが増えて
一時期私のフレンドリストには30人は登録されていたのだ
でもいつからか、皆INしなくなっていって、一年後残ってたのは5人くらいで
猫猫亭と五月雨侍と、そのサブキャラの名前しか無かった。
ある日3人で適当に大量に物を集めなければいけないクエストの品を集めていたある日
休憩時間に「ずっと言えなかった事があるんだ」とチャットが流れる。
「俺、このゲームもうやめるんだ…」
驚いた
そんな気配は全く無かったから、震えてチャットをうまく打てなかった。
「このクエストクリアしたら言おうかなって思ってたけど、ちょうど休憩になったから」
「そっかーリアル忙しい系?」
「うん、結婚するんでゲームしてる暇無くなっちゃう」
リアルが忙しいのは仕方がない
我々は人間だからゲーム内の事だけで生きていけない
いつかは終わりが来る
わかってはいたが、寂しかった
「寂しくなるのう…」
「まあ暇できたらまたINするかも?わからんね」
思い出話をしつつクエストをこなして、最後の最後
「またどこかでww」
そういって猫猫亭は二度とログインしなかった。
◆もう終わった話②
猫猫亭が居なくなった後も遊び続けた。
リアルでコミュニケーションを取るのは苦手だけれど、ゲーム内の人とならお喋りできた
まあそれでも寡黙な方だったけれど。
その後五月雨侍の作ったギルドに入った事により、話すメンツが増えた。
そしてパーティーを組んで攻略するクエストによく入り浸っていたら
何となく仲がちょっといいメンツも増えた。
ある日人の来ない狩場で適当に狩りをしていたら、フレンドの一人が
何してるんだろうと気になったのと、リューシカに渡したい装備があるということで
二人で取引で渡してもらい、交渉画面のままチャットをしていた。
そこに別のプレイヤーが来たのが見えたので、一旦交渉画面を切ると
フレンド間でしか見えないチャットで何度か呼ばれていたらしく
やってきたプレイヤーはフレンドになった内の一人だった。
「何で無視するの?俺何度も話しかけたよね?」
無視したくてしたわけでは無く、気づかなかった事と謝罪を伝えたが
誠意が伝わらなかったのか、しばらくすると、全プレイヤーに見えるチャットで
リューシカの名前を出して
「コイツマジムカツク」的な事をあらぬ事実と共に発言した。
まあ結果に関しては何というか…
相手にされてなかった
どうやらしょっちゅう気に入らないプレイヤーに嘘の罪状つけてコイツマジムカツク発言をしてたらしい。
でもINしていた五月雨侍や他のフレンドは「大丈夫か?何があったの?」と聞いてくれて
この人達とは、末永く仲良しでいれたらいいなと思った。