11. 風魔テルマハ
「ぢょっどドイレ行っでぐる」
湯浴みを終えたような真っ赤な顔で、紫紺の目をぐるぐると回転させながら、ミーファはおもむろに立ち上がった。
おぼつかない足取りで、目的地へと蛇行しながら進んでいく。心配だ……。
「ああそうだ。お前の剣、もう治ってるぜ。今返すよ」
すっかりいわゆる飲み友達になってしまったカゲロウさんが、脇に立てかけていた剣袋を手渡してくれる。
あのとき、地魔の魔法攻撃を受け止めヒビが入ってしまった僕の剣を、鍛冶師である彼に預け、見てもらっていたのだ。
自分もまた、机に立てかけていた長刀を、カゲロウさんに返却しようと手に取る。風魔の剣が直るまでに借りていた代用の武器だ。七魔から創りだした剣には及ばないまでも、これもまた見事な逸品で、正直なところ返すのは惜しいほどだった。武器屋に並べればしかるべき価格で売れるに違いない。
しかし、カゲロウさんは、それを手で制した。
「それはあげるよ。いらんなら、ミーファちゃんのスペアにでもしてくれ」
「いいんですか? こんなに素晴らしい刀を」
「そんなもんでいいならいくらでも打てるさ。鉱山採掘や石の流通が復活しさえすればな」
彼はやはり、腕に覚えのある素晴らしい鍛冶師だ。そう歳を重ねていないが、間違いなく熟練の域だろう。ミーファの手足になる剣を生み出せるのは彼しかいないと、改めて思う。ティーダさんは友人のよしみで彼の元に客を連れていくのではなく、実力に見合った依頼を持ち込んでいるのだ。
しかしこの刀。ミーファの使い捨てにしてしまうには惜しい。魔法剣にもある程度なじみ、頑丈さと切れ味を高いレベルで兼ね備えている。魔物との戦闘に何一つ不足はない。また、片側に刃のある美しい刀身は妖しい光を備え、造形にも価値をつけられそうだ。
気付けば僕は、あまりに礼を失したことを口走ってしまっていた。
「……これ、どこかで売ってお金にしてみてもいいですか」
「お? いいよー。そしたら参考までに、いくらでさばけたか教えてくれよな」
「こいつ商才は全然だからな、ユシド君、そういうの教えてやってくれよ」
「優雅にまったり暮らせるくらいには稼いでるわ、別にいいっての」
頭を下げ、礼を言う。
カゲロウさんは気の良い返事をしてくれた。そんな返答をしてくれることを、心のどこかで感じ、期待していたのだろう。自分は狡い男だ。
刀を再び自分の側に戻す。そして次に、受け取った風魔の剣を、鞘から抜いた。
……傷ひとつない。美しい刀身は、まったく元の姿のまま。ひびなど最初から無かったかのようだ。
流石はカゲロウさん。そう賞賛したくて顔を上げると、彼はどこか煮え切らないような、苦笑いをしていた。
「それさ。ひとりでに直ったんだよ」
「え……?」
彼の言うには。
剣を台に置き、少し席を外して戻ってきた、その瞬く間の時間。いざ作業をしようと刀身を見ると、確かにあったはずのひびが消えていたらしい。
また他の異常として、部屋に材料として置いてある風属性の魔石が、いくつかは魔力を失った状態になっていたという。
……つまり、この剣が、自ら魔力を食って再生したと。
「風魔から創ったっていう話、俺はもう心底信じたよ。この剣は、生きている」
剣が生きている。
今までそんなふうに思ったことはなかった。……武器に関することで、カゲロウさんの言うことに間違いはない。
「しかしね、問題をひとつ見つけた」
「問題?」
「ああ。ほら、この前地下迷宮に行った日だったっけ。オレの前で魔法剣を使って見せてくれただろ。そのとき感じたんだが……この風魔の剣はおそらく、君を主人とは認めていない」
「えっ……?」
「だから、本来の性能のほんの一部しか発揮していないと思う」
「なっ!? ……そんな」
思わず席を立ちあがり、また、座る。
剣は生きていて、それが僕を持ち主と認めていない? たしかに、こいつの持つ戦いの歴史に見合う戦士に、僕はまだまだ届いていないという自覚はある。
しかしそれが、剣の側にも意思があり、未熟さを見抜かれているとは。
……本来の力を、見せていない?
「風の魔力の伝導力、許容量、そして増幅機能。ぜんぶこんなものじゃない。何なら機嫌が悪いときは、こいつに注いだ魔力の何割かは食われてるかもよ。めちゃくちゃ燃費が悪いときはないか?」
「ええ!?」
全っ然心当たりがない。今までの戦いで、この剣は不自由なく僕の道を切り開いてくれている……と、思っていたのだが。
ごくりと喉を動かす。今の段階でも、風の魔法剣がよくなじむという点で、普通の剣よりまったく上等だ。そこにさらに、カゲロウさんの言うような力が秘められているとしたら。
「……剣に認められるには、いったいどうすれば?」
「う~ん、さあなあ。地道に使い続けて力を示していくか……あ、胸に抱えて一緒に寝たら、夢の中でお話できるかもよ? なんて」
「僕ちょっと今日はこれで失敬します。ティーダさん、あの作戦、ちょっと詰めておいてください」
いくらかの金を机に置いて、急ぎ二階に借りた部屋へ駆けあがる。
試さずにはいられない。絶世の剣だと思っていたものに“上”があるなんて……!
部屋の戸を開け、中へ入る。少し考え、装備をまとったままの状態でベッドに横になった。
風魔の剣を眺め、心の中で語りかける。
お前に話がある。どうか、どうか応えてほしい。
剣を胸に抱え、目を閉じる。酔いが少し入っているせいか、眠るのにそう時間はかからなさそうだった。
「う~い……あれえ、ユシドはあ?」
「ちょっと用事があるってんで、部屋に戻ったよ」
「なんでえ!? や、やっぱりオレ、避けられてるのかなあ」
「おちつけミーファちゃん。そんなわけないだろー?」
「ただの用事だって。ほら、水だよー美味しい水だよー」
「用事って何さあ! こんな時間にぃ、なんかあるわけないだりょ!!」
…………
「わかった。風魔の剣か。……ちょっと行ってくりゅ、ごちそうさまでした」
「行ってらっしゃい」
「おやすみ~」
「………」
「………」
「あ、おいバカ、どこへ行くムラマサ」
「だってよお、美少年と美少女の夜の逢瀬だぜ? 心の栄養だろ?」
「デバガメはやめとけよ。……こういうのはさ、朝までここで待って、一緒に降りてくるのをいじるのがオツなんだ」
「ティーダ……」
「ムラマサよ……」
「朝まで付き合うぜ!」
「ああ!」
《何か用か、ウーフの小僧》
闇の中で厳かな声がして、目を開く。
自分は、自分以外に何もない場所に立っていた。
いや、今のは最初の印象だ。正確に言えば、あるはずのものはそこにある。立っている地面もあるし、肺を満たす空気や爽やかなにおいもある。そして、吹きすさぶ風の音も。
しかしそれとは逆に。いつも腰に帯びている、風の剣だけが、そこになかった。
《どこを見ている。オレはここにいるぞ》
風の音と思っていたものは、僕の頭上から聞こえていた。
その荘厳な姿が、目の中で吹き荒れる。
見上げるほどの大きさをした、翠色の毛をもつ馬の姿をした魔物。
その背中には、一対の翼がある。人間に飼いならされた馬たちと違い、そこに荷や人を乗せる機能など、己にはありはしない。そう主張しているかのようだ。
翡翠の目は怒りを押し隠しているかのように揺れ、僕を静かに見下ろしている。そしてその上……頭頂部には、根元から折れた角のあとがあった。
「お前が、かの風魔か」
《そう呼ばれたこともあるな》
「……用件を言う。僕に、その力を貸してほしい」
単刀直入に、ここへ来た理由を告げる。
わずかな無言の間が、重圧となって身体にのしかかるようだ。
《貴様などにオレの風は扱えん。ただの剣の役割なら果たしているはずだ》
「それでは足りないんです。その力が必要だ」
《――フフフ。武器の性能に頼るような軟弱が、風の勇者を名乗っているとはな》
わらった。だが、決して愉快だから笑ったのではないとわかる。
むしろ、怒り。沸点を超えてしまい、やがて暴力をふるう寸前の、原始的な本能の笑い。
強い追い風が、僕の全身を刺し始める。
《どうしてもというなら、貴様自身の力を見せろ。……さあ、戦え》
折れていた風魔の角が、翠色に輝く風の魔力で新たに形作られる。けたたましいいななきと暴風をまき散らしながら、やつは前足を高く上げて踏み鳴らした。
やはり力を示さなければ、彼がこちらを認めることはない。仕方ないが、全力を見せるんだ。
慣れた動作で腰の剣を抜こうとする。
……そして、気付く。そこに剣はないということに。
眼前で、輝く角が、ほんの軽い動作で振られる。
僕は竜巻に、全身を叩きのめされていた。
「がああッ――!?」
切り刻む風ではなく、鈍器のような、いや、壁のようなそれに吹き飛ばされる。
地面にみっともなく転がり、血反吐を吐く。……痛い。夢の世界だというのに、身体のそこら中が軋む。
口元を拭い、震える脚に力を入れ、なんとか立ち上がる。
《ただの一撃でそのざまか。風の勇者が風に押し負けるのか? 剣が無ければ、何もできぬとは》
呆れるような声色。
まったくだ。自分でも笑いが出る。それこそ怒りの笑いだ。
ミーファから教えてもらった魔法剣。先祖から受け継いだ武器。すべて自分のものにできていない。
《このような者に手綱を握られるなど、耐えがたい屈辱だ。……よくぞここへ来てくれた、お前はもう死んでくれ》
再び角先から、嵐がほとばしる。僕は全身の血を沸騰させ、敵と同じように、両手から風を呼び起こした。
正面からぶつかる二つの魔力。負けたのは……、
「う、ぐ、ぎ」
いくら踏ん張っても押し返せない。僕の身体は竜巻に切り刻まれる。鋭い痛みが、四肢や顔を襲う。
まだ。まだ全身がバラバラになったわけじゃない。魔力を放出する要領で、身体中から力を飛ばし、自分を包む竜巻を散らす。
晴れた視界の先。風魔が角を、一閃に振り下ろした。
「ぐああああ……!」
風の刃。自分にとっても、得意とする技のひとつ。
しかし風魔のそれは、切れ味がこちらの比ではなかった。
膝をつき、斬撃の刻まれた自分の胴に触れる。するどく焼け付くような痛み。赤い血。
……死んでしまいそうだった。涙が情けなくあふれかける。夢の中だというのに、自分の身体は正直だった。
傷は負ったが、胴はまだ離れていない。それは攻撃の瞬間、身を包んだ魔力の防御が、紙一重だった証拠だ。
だけど。折れた膝がいうことを聞かない。立ち上がることが出来ない。
ただの三度の攻防で、僕の心は、五体は、やつに屈しかけていた。
《泣きたいのはこちらだ、小僧。そんな様では、シマドの名も知れたものとなろう》
その名を聞いて、自然に拳を握っていた。
だけど意思に反して、全く力の入らない手足は、まるで眠っているかのよう。それにつられて、意識もまた。
情けなくうずくまり、小鹿のように震える。
そこに。
僕の目の前に、金色の小さな光が現れた。
握りこぶしほどのあたたかい輝きが、眼前でゆらめく。
《……ほう。風の勇者、シマドの魂がお前につきまとっているようだな。やつもとうに野垂れ死んだだろうに、未練たらしい。寿命の短いヒトの妄執だな》
「シマド、様……?」
《しかし良い趣向だ。さあ、先代の前で無様にひれ伏すがいい。自分には世界など背負えません、とな》
……そうだ。
僕は勇者の器じゃない。誰よりもわかっていたことだ。懸命に旅を進めることで、そこから目を逸らしている。
シマド様。あなたのようには、なれない。
金色の光が、やさしく僕を照らす。
「い、いて!」
光がゲシゲシと頭にぶつかってきた。修行のとき、ごくまれにミーファから拳骨をもらってしまったときのように、絶妙に痛い。
光が語りかけてくる。それはなぜか、威厳ある男性のようにも、透き通る女性のようにも聞こえた。
「ここで倒れるような者に、風を託した覚えはない。立て」
そう、言っていると、思った。
「……はは」
この拳骨の痛みに比べたら、今の身体の傷がなんだ。
力の入らない手足を、意思だけで無理やり伸ばし、虚無の大地に脚の根を張る。
金色の光が細く伸び、剣のような形に姿を変えた。
思わず手を伸ばし、握る。あたたかい熱が手に伝播する。心に、誰かが寄り添ってくれているようだった。
それにしてもなさけない。ご先祖さまに、わざわざ武器まで用意してもらうなんて。僕はいつまでこうなんだ。
《ああ。もうやめてくれ。お前は醜態を晒しすぎる》
……まったく、気が合う。
風魔の頂く角の輝きが、これまでにないほどに濃くなる。
荒れ狂う暴風。あれほどの風を見たことがない。人間がそれに巻かれれば、たちまち身体は千々に切り刻まれ、肉片はどこか遠くへと舞い飛ばされることだろう。
光の剣を、両手でそっと握る。剣は僕に、力の限り勝てと言っている。
だが、四肢には何の力も入らない。
そしてそれ以上に……剣であいつを打ち倒すのは、僕にとっては、何かが違うと思った。
終わりの神風が、ただひとりに向かって吹きすさぶ。
鼻の先まで迫る死の気配。耳鳴りがひどく、触れもしないうちから肌が斬りつけられている。
しかしなぜか。鼓動は安らぎ、落ち着いていた。誰かが手を握ってくれているかのように。
――風神剣・凪――
《何……?》
烈風を一刀で切り裂き、かき消す。なぜこんなことができたのかわからない。夢の中だから心の問題かもしれないし、剣に余計な力が入らなかったからかもしれない。
最大の一撃を放ち、隙を見せた風魔に向かって、飛ぶ。
剣を振りかぶり、斬りつけようとして――やめた。
触れる距離まで近付けたことに気付き、僕は彼の首を撫でた。
毛並みが良い。良いもの食ってるな。
《何の真似だ? そうまでして死にたいか》
「失礼」
眼前の地面に降り立つ。僕は風魔の目を見上げ、再度気持ちを伝える。
「僕はあまりに未熟者だ。あなたには勝てない。だから、もっと強くなってから、また来る」
《みすみす逃がすと思うのか?》
「……いいじゃないか。これからも一緒に戦ってくれるなら、いっぱい風の魔力を食わせるよ。魔力の量だけなら自信あるんだ」
手足の気張っていた根性も抜け、尻もちをつく。もう限界だ。負け負け。
「あと、怒らないで聞いてほしいんだけど……僕、あなたと馬が合いそうだ。賢いひとは好きだし」
《不愉快が過ぎる》
「気難しいな。力の全部を貸してくれなくても、今の分だけでも最強の剣だと思うんだ。これ以上頼ろうなんてたしかに軟弱だった、反省しました」
そうだ。彼の真の力は魅力的だが、どう転んでも僕の最終目標にその手は借りられない。
自分の力だけであの子に勝たなきゃ、気持ちを伝えられないのだから。
目先の困難くらい自分で何とかすべきだろう。ミーファの言うように、あの地魔の身体を己の力で持ち上げられるようにならなきゃ。いつか風魔の力を借りるにしたって、まずはそこからだ。順番が違う。
「う……」
上半身を起こしていられなくなり、地面にあおむけになる。
頭上から、翡翠の目が、こちらをのぞいていた。
落ち着いた状態で彼の起こす風の音は、どこか澄んでいる。
《お前のような惰弱を、戦士とは認めん》
厳かな響きと、微風。
まぶたが、落ちる。
《認めんが……人間にしては気持ちのいい風を起こす。シマドよりまだ礼儀を知っているようだ》
あれほど痛めつけられたのに、なぜだろう。今はまるで、草原で昼寝に興じているかのように心地よい。
さわやかで、涼しい。
……そういえば直接本人からは、聞いていなかった。
あなたの、名前は?
《我が名はテルマハ。お前が己の力を真に息吹かせたならば、多少は力を貸してやってもいい。機嫌が良い日だけな。――何より、オレもあの業突く張りの虫けらは、昔から好かぬ》
目が覚める。
十分な睡眠をとることができたような、すっきりとした目覚めだ。
だからといって。
目の前で、想い人が添い寝していることを、正しく認識するのには、時間がかかる。
「マ゜ーーーーー」
奇声を上げて飛びのこうとして、互いの両手を繋ぎ合わせていることに気付く。
解こうとしていると、アメジストの輝きが、瞼を持ち上げていた。
眠たげに身体を起こし、目を擦ろうとでもしたのか、手を持ち上げる。当然、こちらの手も、持ち上がる。
それを見た、寝起きの少女の白い肌は、みるみると色づいていった。
「あっ、その……おはよう」
「う、うん」
互いに距離を開ける。手のぬくもりが離れることを、名残惜しく思ってしまった。
しかしなんでミーファがここに。いや。彼女なら勝手に人の部屋で眠ってもおかしくはないが……だけどそれにしては、こんなにしおらしく顔を伏せて、らしくない。
「テルマハには会えたのか?」
「え? あ……」
抱えて寝たはずの風魔の剣が、ベッドから落ちて転がっていた。
拾う。これまでは無機質な剣にしか思えなかったが、手の中にあるそれには、呼吸をしているような息吹や鼓動を感じる気がする。
これはあくまで印象だが。落とすんじゃないと、メチャクチャ怒っているかのようだった。
「怒ってるっぽい」
「性格暗いからな~」
笑って返すミーファを、不思議に思った。
彼女はまるで、風魔に会ったことがあるように話す。
「ああいや、そういう先代勇者の記録を読んだことがあるんだよ。……キミが読んでいるべきだぞ、まったく」
そういった彼女の様子は、何かをごまかしているように感じた。
……まあ、ささいな違和感だ。そんなことより、お、おっ、同じ布団の中にいたことの方が問題である。
何がどうなっていたのか、あまり聞かないことにして、僕はぼさぼさの髪を撫でつけながら、階下を目指して部屋を出る。
後ろからミーファが追ってきた。僕たちは並んで、階段を下りていく。
隣からわずかに、体温が伝わる。
あの光のぬくもりは、シマド様の魂だけじゃなくて、となりで寄り添っていたミーファの熱が反映されたのかもしれない。おかげで心を落ち着けることができた。無謀な挑戦から生きて目覚めることができたのは、彼女のおかげということか。
ありがとう、ミーファ。
そう心の中でつぶやき、彼女に視線を送った。
そのあと、朝までここで飲んでいたらしいティーダさんとカゲロウさんの盛大なからかいが、僕たちを待ち受けていた。