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次は、終点

作者: 孤痲猫

特に何もせず、幾ばくかの時間を過ごしました。


春の兆しに胸踊らせ希望に目を輝かせること、

夏の盛りに友と戯れ青春を謳歌すること、

秋の調べに心もお腹も満たすこと、

冬の可憐な空気にこの世界は美しいと感じること、


僕には一切ありませんでした。


ただ理想を押し付けられて、

今の今迄呼吸できていたことが不思議でなりません。


昨日のことですら断片的にしか染み出てきませんね。

温もりなんて反吐が出ます。


自身をさらけ出せるなんて幸運はきっと僕には無かったのでしょう。

ひねくれてますから。


嫌いを数えたらきりがない。


下らない虚言に酷く疲れました。


あ、そういえば、ずっと隣に座ってますがあなたはまだ僕のことを知りたいと言うのですか?

そうですか。


青春ヘイトを聞かせたつもりですが。

最後、僕がどんなことをしようが止めないことを約束してくださいね。


そうそう、今日は卒業式なんですよ。

僕、卒業します。


まあ無理ですが。


じゃあ何しに来たかですか、、。

プラットホームに来た理由ですよね。


次の駅はあと3分なので、すぐに分かりますよ。


快速列車だから止まらない?ええ、止まりませんよ。

僕だけの特別車両があるんです。


あぁ、だめだめ、あなたはまだだめです。

まだ、ですよ。



あと少しですね、、。

え、まだ聞きたいことがある?


もう時間は少ないので、最期に会えたあなたの特権として、一つまでならいいでしょう。

特別車両がどんなのか?僕も知りませんよ。


どんな幸せが待っているのか、楽しみです。

紅いのか、黒いのか、はたまた白いのか。

もしかすると色で区別出来ないのかもしれません。


あ、そろそろですね。



僕はお暇するとしますか。


よっこらせ。


何がそこまで興味が湧くのかわかりませんが、

今日は戯言を聞いてくれてありがとうございました。


楽しかったですよ。



来世で会ったら友達になれたらいいな、とか、、。あはは。




じゃあ。

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