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錬金令嬢ですが婚約破棄された腹いせにホムンクルスを作ってみましたの

「今日限り婚約を破棄させてもらう」


王子が突然切り出した。

私は答えた。


「喜んで!」


侯爵家に生まれた私は王子の婚約者。

互いに貴族の役目だと割り切れたら良かったのに、王子にそれは無理だったみたい。

いつも会う度に私の趣味である錬金術について文句を言ってきた。

私は王子の交霊術について何も言った事は無くってよ!

けれど、この鬱憤もおしまい。

私はやっと錬金術に没頭できるわ。


だから研究をしまくったの。

その甲斐あって1つの到達点に至ったわ。

神聖魔法と土魔法の融合で生み出された『ホムンクルス』。


「貴女が、僕を?」


土の塊が少年の姿になり私に語りかける。


「ええ、そうよ。気分はどうかしら?」


「悪くない。けど最悪だ」


「あら、改善できる様に努力するわ。言って頂戴な」


それから彼が語る事に驚いた。

なんと彼は重大な秘密を知らせる為に、侯爵家の守護大樹の精霊が乗り移ったのだという。

秘密とは、王子が交霊術で呼び出した死霊王に操られているというのだ。


「彼が侯爵家に来る度に感じていた。きっと向こうもそうだと思う」


「だから婚約破棄なんてしたのかしら?」


「そうだね。僕の分霊が貴女の守護霊となるから」


このままでは国が死霊王に乗っ取られてしまう。

そうなったら錬金術の研究どころじゃ無いわ。


「僕の若葉は生命薬の触媒になる。それを使えば――」


私は葉を摘み取る。

婆や、木登りした事へのお小言は後にして頂戴!


急いで薬を作り王城へと向かう。


「私達が気軽に会う関係は終わったはずだが?」


「あら、まだ正式に国王陛下からのお達しはありませんが?」


「……だから形式上こうしている。察しろ」


「気が立っていらっしゃるのね。良い茶葉を入手いたしましたの。それでお鎮めなさって」


そう言い私は生命薬を王子にかけた。

すると王子の身体から死霊王が分離する。


って死霊王が美人で巨乳なんですけど!?

王子ってば、たぶらかされたわけ!?


「おのれ、もう少しで上手く行く所を」


「僕は全てを見ていた。お前は終わりだ」


ホムンクルスから光が放たれ死霊王に当たる。

すると死霊王は姿を消してゆく。


「はは、王子の魂も道連れだ」


そんな言葉を残して。


王子の心臓は止まっていた。


「僕の命を使うんだ」


「そうしたら、貴方は……」


「大丈夫、僕は貴女をいつも見守っている」


ホムンクルスが土へと還る。


王子が目を覚ます。


「ほら、これでいつまでも一緒だ」


その後、王子となった精霊は国を栄させる事になった。

私と共に。

お読みくださりありがとうございました。

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ローファンタジーで別作品も投稿しています。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ホラーですか?
[一言] 乗っ取り元変わっただけww 勝者、令嬢!
[気になる点] あっさりすぐる [一言] びみょー
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