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結婚したくない腐女子が結婚しました(連載版)  作者: 折原さゆみ
番外編 運動します!(健全)
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5妄想(BL注意)

「お前って、ほんと触り心地いいよな。柔らかくて気持ちいい」


 それは、相手にとって何気ない一言だったかもしれない。しかし、オレはその言葉にひどく傷ついた。


(それって、太っているってことだよな)


 自分の身体が変になっているのはわかっていた。恋人とそういう関係になってから、どうにも身体が女性らしく変化しているように思える。しかし、いくらあっちの方が受け側だと言って、外見も中身もオレはれっきとした男である。オレだって、恋人と付き合う前は女性を自分のブツで泣かせていたものだ。


 最近は、女性とはご無沙汰だし、なんなら、今後オレのブツを誰かに突っ込むことは無いだろう。恋人に突っ込みたいという気持ちはあるにはあるが、どうにも自分が突っ込む側になっている様子を想像できない。


(とりあえず、ダイエットでもするか)


 男に触れられて柔らかいなどと言われたら男のプライドが傷つく。そもそも、男に突っ込まれている時点で男のプライドなどないに等しいが、それでもオレは何としてでも、柔らかい自分の身体を引き締めることにした。



 ダイエットというと、まず思い浮かぶのはサプリメントだ。動画の広告などでよく見かけるが、あれを飲んだらあっという間に効果が出るかもしれない。そうはいっても、オレは別に太っているわけではない。ただ、引き締まりのない体をしているだけだ。もし、サプリを飲んでしまったら、オレは骨になる自信がある。


 サプリはあきらめるとして、次に考えられるダイエット法は運動だ。運動は大学時代までは陸上をやっていたので、走ることに抵抗はない。社会人になり、運動をおろそかにしていた付けが出ているのかもしれない。


「よし、毎朝のジョギングから始めよう」


 それから、家の近くにできたスポーツジムにも入会しよう。ジョギングとジムでの運動で、恋人を見返すほどのいい体を作って見せる!


「あとは、食事制限もした方がいいよな。あいつ、オレが甘いものが好きだと知って、やたらと買ってくるけど……」


 きっと、それもオレの柔らかい身体になってしまった原因の一つだ。店で甘いお菓子などを見ると、つい視線がそちらに行きがちだ。一緒に買い物に付き合っている恋人はそれを見て値段関係なく買ってくれるので、つい食べてしまう。


「我慢しよう」


 きっと、そう簡単には見た目や触り心地が変わりはしないだろう。だが、それがどうした。男のプライドにかけてオレは身体の改造をしてみせる!





 僕は恋人が何か良からぬことを始めたのではないかと疑っている。


「しばらく、お預けだから!」


 突然のやらない宣言に驚いてしまう。そもそも禁欲生活をして先に値を上げるのは恋人の方だ。何が原因かはわからないが、恋人の並々ならぬ決意に気圧され、その場ではただ頷くことしかできなかった。


「お、オレに触るのも禁止だからな!」


 やらない宣言には驚いたが、触るのも禁止されてしまったのは衝撃だった。確かに最近はやりすぎだなと思うこともある。受け入れる側の負担を考えずにやってしまうこともあるので、そこは反省している。とはいえ、恋人が煽ってくるのが悪いので、僕だけのせいとも言えない。


 とはいえ、触れることすらダメとは聞き捨てならない。やらなくても、恋人に触れるだけで僕の癒しになる。本音を言えば、やりたくなる衝動を抑えるのは難しいが、触れない苦痛に比べたら、全然耐えられる。


 宣言をしてからの恋人は何かに憑りつかれたかのように、オレとの身体的接触を断とうとしていた。その割には一緒にいてじっとこちらに熱い視線を送ってくる。嫌われてはいないようだが、触れてはいけない理由がわからない。


 とりあえず、恋人がなにをしたいのか見極めるため、様子を見ることにした。




 恋人にやらない宣言をしてから、一か月ほどが経過した。最初は執拗にオレに触れようとしていた恋人だが、触るなと言ってからはほとんどオレに触れてこなくなった。


「もしかして、オレに愛想でもついたのかな」


 オレも男だから、好きな人には触れたいと思う気持ちはわかる。それなのに、その好きな人から一方的に触るなと言われたら。


「どうしよう。でも、いまさらお触り解禁するのも」


 とはいえ、オレも実は恋人に触れないことに限界を迎えていた。やらない宣言をする前は一週間以上やらないことはなかった。恋人は毎日でもしたいと言うくらいで、オレの身が持たないから週に2回と制限するほどだった。それに慣れてしまったオレの身体は、恋人との身体的接触をやめて欲求不満を訴えていた。


 欲求不満を自慰で発散することははばかられた。だからこそ、その不満は運動をすることでごまかした。朝のジョギングやジムでの運動で汗を流すことで多少落ち着いたが、それでもオレの身体はだんだんとごまかしがきかなくなっていた。


 どうやらオレの身体は、恋人にかなり開発されてしまったようだ。

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