表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
結婚したくない腐女子が結婚しました(連載版)  作者: 折原さゆみ
番外編 運動します!(健全)
82/254

1今年のバレンタイン

「大鷹さん、これどうぞ」

「ありがとうございます」


 今日は2月14日、バレンタインの日である。去年はいろいろあったが、今年は何事もなく終わりそうだ。そもそも、昨年はいろいろありすぎたのだ。クリスマスしかり、お正月にバレンタイン、いろいろありすぎた。今年は平穏な一年になることを願うばかりである。


 まあ、すでに大鷹さんが体調を崩して寝込んでひと騒動あったがそれくらいは大目に見ることにしよう。


 ということで、今は会社から帰宅して私服に着替え、リビングに大鷹さんを呼んで二人でテーブルを囲んでいた。


今年のバレンタインは事前にチョコレートを購入していたので、それを大鷹さんに渡す。ちょっとお高めのチョコレートである。もちろん、手作りなんてしない。買った方がおいしいし、作った後の片づけが面倒なことは既に大鷹さんには伝えている。


「やはり、手作りでは」

「ないです」


 受け取ったチョコレートが入った箱を私から受け取った大鷹さんは、未練がましく聞いてきたが、即答させてもらう。手作りが欲しかったら、私以外の女性や男性を選ぶべきだった。まあ、私が選んだ相手になるが。


「そうそう、僕も去年みたいに用意しようかと思っていまして」


 まめな男である。普通は、バレンタインというのは日本では女性が男性にチョコレートを送ることになっている。だというのに、今年もまたチョコレートを準備してくれたということか。


「今年も手作りお菓子を作ろうかとも考えたんですが、それでは面白くないでしょう?だから、今回はこれです」


 大鷹さんから受け取ったのは、包装紙に包まれたちいさなものだった。包装紙を開けると、そこにはチョコレート色の手袋が入っていた。


「紗々さんって、洋服は普通にもっているのに、手袋とかの装飾品を持っていないと思って。去年の冬にマフラーをプレゼントしているので、今年はこれだと」


「あ、ありがとうございます」


 本当に言うことなしの完璧な旦那である。基本的に仕事は車通勤なので、防寒具などの装備は要らない。寒くても車での移動なので、マフラーも手袋も使用していない。だからと言って仕事以外の外出時に使うかというとそうでもない。昨年くれたマフラーはほとんど使用されていなかった。たまに思い出したときに使用するくらいで、大事にクローゼットの中にしまわれている。


「手袋はマフラーより使えるでしょう?」


 意味深に大鷹さんは言っているが、なにか使い道があっただろうか。手袋を使う必要があるシチュエーション、手が冷えないようにしなければならない状況。


「ちなみに僕も紗々さんと同じもので色違いを買いましたよ。一緒に着けようかと思って」


 一緒に手袋をつける。


 二人で外出するときに手袋がいる場面が思い浮かばない。うんうんうなる私に大鷹さんの顔が次第にあきれた顔になっていく。いったい、何を想定して私に手袋を送ってくれたのだろうか。


「紗々さん、最近健康のために公園に散歩に行くでしょう?その時に手袋がなくて手が冷たと言っていたから」


 しばらくして私が降参の合図で両手をあげると、大鷹さんは答え合わせをしてくれた。


「なるほど、すっかり忘れていました。確かに散歩中は手が冷たくて大変でした」


 だったら、自分で買えよ。という人がいるかもしれないが、私はそういったものにお金はかけない主義だ。そのお金はゲームや漫画の費用に充てたい人種なのだ。


「今週末から使ってください。僕も使いますから」


 大鷹さんに感謝である。ありがたく使わせてもらうことにしよう。今年のバレンタインはこうして平穏に終わった。


 ちなみに、健康のために散歩を始めたのだが、それ以外にも家で毎日15分、フィットネスクラブ監修の動画を見て運動もしている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ