2自身の傾向
※紗々の作品傾向は、作者(折原さゆみ)の作品傾向と同じと考えてください。この作品で紹介していない作品もありますので、ご注意ください。とはいえ、この作品は完全フィクションになりますので、実在の人物、会社、団体等は関係ありませんので、その辺はご理解ください。紗々=作者ではございません。
さて、自室にやってきたはいいが、どうしたものか。パソコンの電源を入れたはいいが、その後画面はデスクトップのまま止まっている。いつものように執筆画面を開くことなく考えこんでいた。
「ここら辺で一度、私の性癖やら小説の傾向を把握しておくか」
私も小説の執筆を初めて早7年。社会人になってから始めたこの趣味は、案外長く続いていた。毎日とはいかないものの、定期的に新作や続編を投稿しているので、これはなかなかすごいことではなかろうか。
そこで、今回、過去の自作を振り返ろうと思う。先ほどの大鷹さんとの会話にもあったように、自作を読み、自らの傾向を知っていくことにしよう。
やることが決まれば、まずはメモ用にいつもの執筆画面を開く。何事もメモを取ることが大切だ。あとで振り返るのに役にたつ。
「まずは、私の今までの話のタイトルを書きだしてみるか」
小説投稿サイトに投稿した作品を確認するためにネットでサイトを開き、ログインする。マイページを見ると、私の作品がずらりと表示される。
「ううん。ハーレム物が多いって大鷹さんは言っていたけど、そんなに多くはないな。むしろ、【不老不死】と【ショタ】が多いな」
基本的に短編はその時に思いついたネタで書いているので、ハーレム物は少なく、純愛が多い気がする。書きだしていくと、なんとなく気づいていた私の性癖が見えてくる。
ここからはこの二つについて考えていく。私がなぜ、それらが好きなのか。
【不老不死】というのは、人類の憧れである。人間、いや生物には死のプログラムが設定されている。永遠に生きられる生物はいないだろう。【不死】というもの自体がファンタジー設定なのだ。寿命は生物によって違うが、それでも死は誰にでも平等に訪れる。
人間だと現在、114歳くらいが限界だ。それ以上の年齢を重ねた老人はいない、と思われる。科学技術が進み、もしかしたら【不死】が可能になるかもしれないが、おそらく、私が生きている間には実現しないだろう。
ファンタジーだからこそ、好きなのかもしれない。魔法や超能力も好きなので、現実ではありえない設定が好きだからこその【不老不死】好きなのだろう。
【不死】も無理だが、【不老】も不可能だ。どうしても死にゆくプロセスで人間の身体は年齢を重ねていくと老いていく。見た目が悪くなり、体力も落ちてくる。それを最盛期のまま保つことができるならば、これほどうれしいことはないだろう。それが願望として創作として使われているのだろう。
永遠の命の【不死】と年を取らない【不老】。この二つが合わさって【不老不死】。ないもの同士が組み合わさった憧れの塊だ。創作にはもってこいの題材でもある。かくいう私も、不老不死がテーマの作品やキャラクターが出てくる作品を複数執筆していた。
他者の作品でも、不老不死のキャラクターは大抵、好きになってしまう。
かといって、自分が不老不死になりたいかというと、微妙なところだ。どの作品でも、不老不死キャラクターは、自らの特性を疎んじている。もし可能なら、有言の命、年相応に老いる身体になりたいと願っている者も多い印象だ。
他の人間との違いに苦しむ姿、容姿に対してやけに達観した姿がキャラとして私は好きだ。見た目が若いのに話し方が年寄り臭いのもギャップがあって萌えである。
自作でも不老不死という設定のキャラがいるのだが、それと多作のキャラは同じではないと考えている。自作のキャラは見た目が若いと言っても、小学生や中学生、高校生などの未成年ではないので、ギャップがない。それに、話し方も私が話しているのと同じような感じが多いので、自作キャラの不老不死キャラで萌えることはない。
話し方で言えば、私はどちらかというと、敬語キャラを書くのが好きだ。好きというか、大鷹さんにもつい使ってしまっているが、コミュ障キャラの位置付けとして使うことが多い。敬語を話していれば、基本的に他人とのコミュニケーションがなんとかなる。経験からくる話し方だ。敬語キャラは普段の自分を重ねて書きやすい。
続いて【ショタ】である。どこかで話したような気がするが、私は小学生から中学生くらいの子供が好きだ。
ロリコンとまではいかないにしても、それに近い性癖を持っているのかもしれない。つい、街で見かけると、目で追ってしまうくらいには好きだ。二次元にもたくさんのショタは登場する。
しかし、イケメンは二次元(大鷹さん以外)に限るが、ショタに関しては現実が一番だと思っている。二次元でとてつもなく可愛いショタは多数存在するが、三次元(現実)と比較してしまうと、やはり私としては三次元が勝ってしまう。
子供が可愛いことは言うまでもない。なので、【ショタ】に関してはそこまで変な性癖ではないだろう。そういうことにしておく。
「それにしても、世間受けしそうにないなあ」
どちらも、世間的にはあまり受けが良くない印象だ。どうせなら、流行の異世界転生やハーレム物が好きで好きで書きまくって、大儲けという感じがよかった。
ちなみにハーレム物は、読み返しては見たがあまり世間の求めるハーレム物ではなかった。ということで、私の商業化への道は遠のくばかりだ。
「ああ、大事なことを忘れていた」
BL
私の性癖を語る上で最重要事項を忘れていた。パソコンの画面に打ち込み、文字をあえて大きくしておいた。入力を終えた画面に満足した私は、大きく伸びをしていったん休憩することにした。




