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有職故実  作者: 2221
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その1

タイトル回収は次回の予定

「私、日本史が好きだったな」

ある日の午後、流れる雲を見ながら我が脳内のジェット気流とその周辺の知識にアクセスしていたら全く関係のない話の始まりを予感。興味なさそうにかわそうと思います。大丈夫ダイジョブ地雷さえ踏まれなければあしらえるから。

「あなたはどっちが好きだった?」

「僕は地学が好きだし今もそれに関連することを考えていました。」

「地理?そーじゃなくて──

一瞬で私の地雷を踏み抜いていく彼女。地学と地理を間違えることは許されない。

「『地理』じゃない!『地学』!火山やら地震やら災害大国に必須な知識だらけの科目!学校の勉強のくせに意外と使い道がわかりやすいのにマイナーなんだねとかいったら許さないからな!」

「フリ?」

「どこをどうしてその結論が出るの」

dの音を強調して喋った。

「地雷を踏んだあとに逆鱗晒されて『ここは触るなよ!いいか!わかったか!』っていわれたら触りたくもなるでしょうよ。

あと地理と地学って被ってるところあるし、名前だけが似てるとこじゃないし。

「ムッとするんじゃないの。地雷だからって急にキレたりヒステリックになられたってそんなの他人の理解に繋がるわけないじゃない。」

「…その通りでございます。」

──なんで説教にまで発展したんだろう。

心の中で首をひねる。

見ると、相手も何か腑に落ちていないところがあるようす。

「何を考えておられるので?」

「なにゆえわたくしはここまで説教じみた言葉を申したのだろうかと、考えているのです。」


親愛なる読者の皆様へ。彼女の言葉遣いの解説を致します。また昨日大河ドラマを見直したそうです。去年と一昨年のがとても面白かったそうで、今日も推されました。また推される可能性が御座います。備えましょう。

しかし、当の彼女は「うーんうーん」と唸るだけで伊賀越えについて語る様子はありません。皆様、もう構えをといても良さそうです。あ、いや構えというのはわたくしがファイティングポーズをしていたわけではなく、心構えという意味でして。いえこちらこそ早とちりでした。どうもすみません。

それはそうとこないだAmazonプライムビデオに追加されたという大河ドラマは面白いのでしょうか。去年と一昨年のような面白さだと嬉しさで泣いてしまうのですが。


おっと話を戻さねば。

「それは多分、正論の力とかかな。」

「正論?あー、まーもっともらしいこと言われたらまっ正面からは反論しにくいよねー。そっか、なるほど。」

「そうそう。なにせ私は素直ですから。」

「そうね。あなたはそこらの人よりよっぽど素直。」

ほめられて嬉しい感情と否定がほしかったのにされず予想と期待を裏切られムッとしてしまう自分がないまぜになる。でも嬉しいからにやけちゃう。いいえ、ここはポーカーフェイスです、ヤツをいい気にさせるんじゃあない、と心の中の天使と悪魔が団結して彼女に対抗意識を燃やしながらわめく。…私、心の中に変なもの飼ってるなぁ、などと。

「褒められて素直に喜べないのに顔が嬉しいって言ってるところまで一周回って素直だね。」

やっぱり自分の顔はにやけていたらしい。抑えきれなかったらしい。

「いっそ自覚症状がなければ…いやそれより気持ちの捻り方が中途半端なのをどうにかした方がいいよね…。」

いつもの逡巡。同じ道を何回も歩くように、巡り巡ったいつもの会話。変わらない悩みと必ず行き着く行き止まり。特にその先を望んでいるわけでもないし、そんな大したものだと捉えているわけではないけれど。

どちらかといえば幾度も巡っていることの方が気にかかる。繰り返し気を揉むのなら、私はこれを真剣に考えるべきなのかもしれない。

最近は、ここまで考えることも繰り返すようになった。巡り巡ることを考えることまで繰り返す。きっとこの次もパターン化されるんだろうな……。


「なーに考えてるのさ?」

「思春期、モラトリアム特有の考え事を少し。」

「言い直さなくてもよかったんじゃない?カタカナ使いたいお年頃なのね。」

「ノーコメント。」「「あ。」」またカタカナだ、って笑ったり。横文字ってこーいうののこと言うんだっけ?って話を広げようとしたり。実に和やかである。悩みも今は脇に置いておこう。

でも私は気になってしまう。どうしてこの話になったんだっけ?

地雷を踏みまいとして踏み抜かれて……地理…世界史…ジェット気流…云々。地理じゃなくて地学だ。地震のメカニズムや火山の種類とか勉強できる地学。台風とかもあったかな。

…まずいな、忘れかけてる。家帰ったらあのテキスト読み直そう。

思考の幾つかを呟きとして声に発していたので当然彼女は聞いているし、私もそれをわかっている。予想もしてた。そして彼女はこんな突飛な行動を許してくれる。思えばいい友人を持ったものである。彼女と幸運に感謝せねばなるまい。

その優良友人Type-A2は自分が切り出した話をもう一度初めからやり直そうとする。が、いきなり縁側で日差しを浴びるおばあちゃんみたいなことを言い出した。なお日差しを浴びているところは現実と一致している。

「……会話って言うのはつくづく行く先が見えないものだねえ。」

「そんな婆さんみたいなこと言いたくて質問したわけじゃないでしょ。」

そのままの感想をそのまま口に出す。さすがにもう話題が逸れるのは面倒だ。避けられないなら切り替えて本題に集中したい。この私のせっかちは彼女も承知していることです。それも含めてマイペースなのです。さしずめHMAコード003。語順合ってるか自信ないけど。


さて優良友人Type-aはいったいどんな話をこのHMAコード003にふっかけてくるのでしょうか。それとこのアンドロイドっぽい名称は今後使うことはないでしょう。

実に短いおつきあいでした。

前半と後半を書いた時期に空きがあり文体の差が激しかったので一度削除し修正しました。

彼女らの動作を書いていないのは途中まで無意識で途中からは混ぜ方が分からず技量不足のためです。

だわとかなのよとかそういう女性ばかりではリアリティに欠けるので練習したかった模様。

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