第七十六話 ヨルムンガンドの迷宮
「エン、貴方はヨルムンガンドが何か知ってるのか?」
「まぁな、北欧神話の怪物で、大地の杖、あるいは大いなる精霊を意味する名で、トールという北欧の神と相討ちになるはずの毒蛇の怪物、まぁ多分神話とは違う運命を辿ってるとは思うが・・」
「ふぅん、よく知ってるねぇ、さて、説明をしてくれたことだし・・迷宮にご案内しよう」
突如、ここにいる人達全員の足元が飲み込まれ始めた。
「!?、なんだ!、これは・・」
「ぬぅん!、動けぬで候!」
「くっ・・これは俺が・・」
エンは両手を地面に触れて、飲み込まれるのを防ごうとするも、何故か、操れない。
「何故動かないんだ!?」
そのまま、エンの両手は地面に飲まれていき・・意識が途絶えた。
次に目を覚ましたのは、土の壁に囲まれた小さな部屋に1人寝ていた。
「――う・・くそ、なんだったんだ」
「いやぁ、全員起きてるかなぁ、ようこそ!、ヨルムンガンドの迷宮に!」
再び、ヨルムンガンドの声が頭の中に響く。
「こいつはまた強引な手段だな、ヨルムンガンドさんよ、」
「ん?、エン君からの質問だねぇ、何故こんな強引な手段を使ったのかかな?、答えよう!、こういう手段のほうが驚くし、冒険者が大群で迷宮を進むのはどうかなって思ったわけだ」
「ふぅん・・」
「反応薄いねぇ、次は牛若君からだ、お前の目的はなんだ、そうだねぇ、君らの足掻く様を見たいからかな?」
「悪趣味だな」
「おっ?、牛若君とエン君の言葉が被ったねぇ、さて、質問返答はこの辺にして、ルールを説明しよう!」
「ルール?」
「そう!、ここでのルールだよぉ、まず君らはこの迷宮の最奥にいるこのワタクシに会うのが目的・・なのは分かってるかぁ、まぁ後は・・そうだねぇ、制限時間は特に設けてないけど、人数は決めてあるよぉ・・50人、それをオーバーした人は・・死が待ってると思おうか」
「なっ!?お前は何を・・」
「それじゃあ、道を開くから相手をどうしようが勝手ねぇ、さーん・・にー・・いーち、はいスタート!」
それを合図にエンの目の前の壁が開き、道が現れる、そこそこ天井は高く、道幅も3人ほど横に揃って歩いても大丈夫の広さではある。
「頑張って、自分が生き残るために相手を倒すも良い、逆に協力もあり、さぁ・・頑張って行こうか」
「・・外道だな」
エンは、そう言って、開いた道のほうに歩きだす。
「さて、とりあえず・・」
エンはまず土の壁に触れて、操れるか試す・・まるで動かないことがわかった。
(ふむ、俺の能力は使え・・)
次に地面に触れる・・すると、地面から土の剣が作れることがわかる。
(ないわけではないと・・)
「おっ?、そうだねぇ、まずはエン君に注意を言っておかないとだねぇ、まず壁は君よりも強い力で作られていてねぇ、それと――」
次にエンは壁に全力で拳をぶつけて、大きな穴を開けるが、その穴は数秒で閉じていく。
「話を聞こう?、ちなみに壁を壊して、先に進むというのはあまりオススメはしないかな、無駄に体力を消耗しちゃうからね」
(・・とりあえずはしばらく道なりに進んでみるか)
エンは、数分ほど、道を進んでいくと・・どこからか、声が聞こえてくる。
「ひぇー!お助けてー!」
声がしたほうに走っていくと、そこは行き止まりではあるが、声は聞こえる。
「・・まぁ助けが聞こえたら・・助けないとな!」
エンは壁に拳で壊して、すぐに向こうに飛んでいく、そこには、1人の男が、3人ほどの冒険者らしき者達に襲われている様子が見える。
『ははは!、死んでくれぇ!』
「うわぁぁぁ!」
『はははグエっ――』
それをエンは地面から手刀を3つほど作り、3人の冒険者の首を叩いて、気絶させた。
「大丈夫か?」
「は・・はい、大丈夫です」
「名前は?」
「名前は・・その・・うーん」
「わからないのか?」
「いえ、その・・・アレス・・っていう名前なんですが・・」
「・・アレスだと?」
エンはその名前に聞き覚えがあった・・オリンポス12神、その1人の名前、戦を司る神の名前であることを。
(´・ω・`)最近、自分の百の値が低めであったことに気づいた・・まぁだからってやめないけどね




